有限会社江戸一工設・石川紳一郎が語る ―建築40年の歩みと未来への挑戦

有限会社江戸一工設 代表取締役の石川紳一郎氏は、食品業界やホテル業界での経験を経て、33歳から建築の世界へ飛び込みました。未経験からの挑戦でしたが、40年にわたり住宅リフォームやビル管理など多様な現場に携わり、地域に根ざした信頼関係を構築。

「人の気持ちを大切にする」という信念を胸に、現在は事業承継の可能性や水耕栽培を組み合わせた新規プロジェクトにも視野を広げています。建築の枠を超えて培った経験を活かし、次世代や地域社会にどのような価値を届けられるのか、石川氏の未来への視線を追いました。

地域に根ざした建築事業と信頼のものづくり

まずは御社の事業内容と特徴について教えてください。

当社は「一般建築業」の免許を持っていますが、新築住宅そのものを直接建てることは基本的には行っていません。その理由は、少人数体制の中で無理に新築を請け負うのではなく、自分たちの強みを生かせる領域に注力したいからです。ただし、長年お付き合いのあるお客様や信頼関係でつながる方から「ぜひあなたに新築をお願いしたい」と声をいただく場合もあります。そうした際には、信頼できるハウジングメーカーと協力し、当社がアドバイザーの立場でサポートをしています。お客様の希望を形にしつつ、予算面や設計の工夫を共に考えることで「理想の住まいづくり」をお手伝いしています。

新築以外では、どのような事業に取り組まれているのでしょうか。

主力となっているのは、住宅や店舗のリフォーム、修繕工事です。例えば「トイレが壊れた」「キッチンを新しくしたい」「リビングをより快適な空間に変えたい」といった依頼に対応しています。また、ビルのメンテナンスや補修工事も多く、壁や扉の修繕、鉄製ドアの調整など、日常的に必要とされる工事を30年以上続けてきました。大掛かりな建築だけでなく「生活の困りごとに寄り添う姿勢」が、私たちの事業の根幹になっています。

さらに特徴的なのは、お客様との関係性を“長い付き合い”として大切にしている点です。小さな補修工事から始まった関係が、10年後、20年後に大規模リフォームにつながることもあります。そうした信頼の積み重ねが、会社を存続させてきた最大の理由だと考えています。

建築以外での活動や特徴的なお仕事についてもお聞かせください。

私は現場監督として、外部のプロジェクトにも携わっています。大規模なビルの修繕や、著名な建築士が手がけるデザイン現場の管理などを任されることもあります。大手ゼネコンとテナント企業の間を取り持ち、スムーズに工事を進めるための調整役を担うことも多いですね。こうした経験を重ねてきたことで「現場をまとめあげる力」や「多様な関係者との信頼構築」が磨かれてきたと感じています。会社としても、そのノウハウを地域のお客様に還元できるのは大きな強みだと思っています。

異業種から建築の世界へ―キャリアと経営の原点

もともと建築とは別の業界でキャリアを積まれていたとうかがいました。これまでの歩みを教えてください。

実は建築の世界に入ったのは33歳からで、それまでは食品会社や飲食業に従事していました。食材の加工や仕入れ、ホテルでの運営企画などを経験し、「食と生活を支える仕事」をしていたんです。そこから全くの素人として建築業に飛び込みました。未経験からの挑戦でしたが、40年続けてきたことで今では多くの現場経験を積み、知識と人脈を広げることができました。異業種で培った営業や企画のノウハウも、今の建築事業の礎になっています。

当初は「建築は専門知識がないと続けられないのでは」と不安もありました。しかし実際に現場に飛び込み、職人や監督から直接学ぶことで一つずつ経験を積み重ねていきました。その過程で「現場で汗をかき、人と信頼関係を築けば必ず道は開ける」という実感を得ましたね。

なぜ建築業界で会社を設立することになったのでしょうか。

自分から会社を作ろうと思ったのではなく、現場で知り合った仲間やメーカーの営業の方から「一緒に会社を立ち上げよう」と声をかけられたのがきっかけです。当時私は建築のノウハウがあまりなかったので不安もありましたが、「協力するから一緒にやろう」という周囲の後押しがあり、思い切って設立を決断しました。生活のために始めた部分もありますが、結果として信頼できる人たちと共に学びながら事業を広げていくことができました。これが、経営者としての最初の一歩になりました。

経営者として、どのような姿勢を大切にしてきましたか。

一貫して意識しているのは「人の気持ちを尊重する」ということです。建築は大きな金額や長期にわたる契約が伴うため、互いの理解不足が小さなトラブルにつながることがあります。だからこそ、一方的な立場で物事を押し付けるのではなく、お客様の声に耳を傾け、自分たちの立場や制約についても誠実に説明するよう努めています。お客様の夢や希望を叶えると同時に、現実的な課題を一緒に乗り越える――その両立が、経営を続けるうえでの信条です。

人材育成と組織づくりへの想い

社員やスタッフとの関わり方について、どのような姿勢を大切にされていますか。

私は「人はすぐに育つものではない」という前提を常に意識しています。建築は特に現場経験や図面の理解が欠かせず、一人前になるには最低でも5年ほどの時間が必要です。そのため、若手には焦らず経験を積ませ、少しずつ自分の力を実感してもらうようにしています。経験を積み重ねる中で初めて、自信と責任感が育つのだと思います。

これまで多くの人材を見てこられた中で、どのような点が印象的でしたか。

これまで20人近くのスタッフと共に仕事をしてきましたが、長く続けられる人の共通点は「素直さ」と「粘り強さ」です。途中で環境を変えてしまう人も多いですが、建築業界で本当に力をつけるには、ひとつの現場や会社に腰を据えて学ぶ覚悟が必要です。だからこそ、私は「まずは現場で汗をかく」ことを重視しています。その経験が、将来どこに行っても通用する本物のスキルになると信じています。

建築の技術は机の上だけでは学べません。現場に出て図面とにらめっこしながら、時には思い通りにいかない状況に直面することでしか身につかないんです。若い人たちには大変かもしれませんが、そこで得た感覚や判断力は一生の財産になります。

今後、組織や人材育成についてどのように考えていらっしゃいますか。

年齢的に私自身がすべてを担って新人を育てるのは難しくなりつつあります。ただ、それは悲観的なことではなく、「次の世代にどうバトンを渡すか」を考える良い機会だと受け止めています。これまで蓄積してきたノウハウを、必要とされる場所で活かしていきたい。そして若い人たちが、自分のペースで力をつけ、安心して働ける環境を整えるお手伝いをする。そうした形で、業界全体の未来に貢献していければと思っています。

未来を見据えた新たな挑戦と事業承継のかたち

今後の会社の展望について、どのように考えていらっしゃいますか。

正直に申し上げると、建築業界は東京だけでも数えきれないほどの会社があり、私自身が「唯一無二の存在」として必要とされる場面は限られています。そのため、今後は「どのように会社を続けていくか」だけでなく、「どう引き継いでいくか」も視野に入れています。有限会社という形で30年近く続けてきた会社は、今では新規で設立できない貴重な存在でもあります。その看板を活かして事業を引き継ぎたいという声もいただいており、M&Aという形も一つの選択肢だと考えています。大切なのは、これまでの信頼と経験が、次の誰かにとって新しい価値になることだと思っています。

新しい事業への挑戦についても動かれているとうかがいました。

はい。現在力を入れているのは「水耕栽培」と「再生可能エネルギー」とを組み合わせた新しい企画です。メガソーラー施設の防犯や地域活性化を目的に、その隣接地に水耕栽培の施設をつくり、雇用を生み出す仕組みを考えています。トマトやきゅうりといった作物はブランド化の可能性も高く、地方に新たな産業を生み出せる分野です。既に海外への展開も視野に入れていて、アフリカや南米の企業にも話を進めています。建築で培った「管理と調整の力」を活かし、農業やエネルギー分野へつなげることが、次の挑戦になると考えています。

年齢を理由に止まるつもりはないんです。むしろこれまでの経験をどう応用するかを考える時期に来ていると思っています。建築で培った管理の力を別の分野に生かせれば、社会にも自分自身にもプラスになる。だから水耕栽培や再生エネルギーとの掛け合わせに挑戦しています。

石川様ご自身は、これからどのような形で関わっていきたいですか。

これまで培ってきたノウハウや経験を、必要としてくださる組織や人材に渡していきたいと思っています。私自身がすべての現場を担うのではなく、教育やアドバイザーの立場で関わることで、次の世代を支える役割を果たしたいですね。年齢を重ねたからこそ「自分が変わる」よりも「時代に合わせて動く」ことが大切だと実感しています。だからこそ、新しい挑戦をしつつ、未来に必要とされる形で貢献していければと思っています。

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