日本の制服文化を未来へつなぐ——片山衣料が描く新たな挑戦

片山衣料株式会社は、学校制服の製造卸を主軸としながら、海外展開や日本文化の新たな発信に挑戦する老舗メーカーです。創業から続く縫製技術を受け継ぎつつ、少子化時代における制服の新たな価値や可能性を探求する片山恵太代表。本記事では、同社の事業内容や現在の取り組み、そして制服文化の未来について伺いました。

創業の歴史と現在の事業——制服文化を受け継ぎ、未来へつなぐ

まず、現在の事業内容について教えてください。

当社は、学校制服の製造卸を中心に事業を展開しています。自社で製造した制服を販売店へ卸すBtoBの仕組みと、私立高校・小学校・幼稚園などとの契約校へ直接販売するBtoCの仕組みを併せ持ち、全国の教育機関に向けて制服を届けています。製造元としての強みを活かし、サイズ調整やラインカラーなど細かなオーダーにも柔軟に対応できる点が特長です。

御社は創業から長い歴史を持つ企業だと伺いました。

はい。当社の前身は昭和2年の戦前まで遡り、創業者である祖父がモンペなどの日用品を縫製していたのが始まりです。父の代になってから学校制服に力を入れるようになり、地域の需要に応える形で事業を拡大しました。長い年月をかけて“制服づくりの技術”が積み重なってきたことが、今の会社の大きな土台になっています。

片山代表になられてからは、どのような変化がありましたか。

私が代表になった頃にはすでに少子化が進み、子どもの数や学校数が減少している状況でした。そのまま国内市場だけに依存していては立ち行かなくなる——そんな危機感もあり、海外展開という新しい可能性を模索してきました。日本の制服はアニメや漫画などの影響で海外からの認知度も高く、文化的な衣装として愛されている側面があります。そこで、一般ユーザー向けに日本の制服を“ファッションアイテム”として展開する動きを強めています。

海外での反応はいかがでしょうか。

非常に興味を持っていただいています。たとえば中国では、オフィスワーカーの方が日本の学校制服を着て通勤する例や、アニメ文化の影響からコスプレ用途で購入される方も多いです。また昨年は、当社サイトを見たシドニー在住の方が日本旅行の際にわざわざ寄られ、採寸しフルサイズオーダーでご購入された例もあります。サイズの調整はもちろん「赤ラインのセーラー服がほしい」「アニメのような配色で作りたい」といったニーズに細かく対応できるのは、メーカーである当社の強みだと感じています。

一方で、国内の制服事情は変化していると聞きます。

はい。最近はジェンダーレス化や多様な価値観の観点から、ポロシャツなど機能性を重視したスタイルを取り入れる学校が増えています。“決まった制服を着る”という仕組みそのものが見直され、自由に選べる制服システムを採用する学校が増えてきました。ただ、その分アイテム数は増え、生産側の負担は年々大きくなっています。

そのため当社では、どの学校でも使える汎用性の高いデザインや、仕様変更で幅広く対応できるモデルを企画するなど、効率と多様化を両立させる仕組みづくりを進めています。制服の良さである「選ばなくていい安心感」「決断疲れを減らす」という価値を残しながら、時代に合わせて柔軟に進化させていくことが、今の片山衣料の役割だと考えています。

多様な経験が導いた現在地——挑戦を続ける後継者のキャリア

これまでのキャリアについて教えてください。

実は私は、ずっと制服業界にいたわけではありません。大学卒業後は京都の造園会社に住み込みで5年間勤務し、その後は横浜の設計事務所へ転職して2年間働いていました。ランドスケープアーキテクトという、現在とまったく別の業種を経験してきましたが、30歳頃に現在の会社へ戻ることを決めました。幼いころから「いずれは家業を継ぐ可能性がある」と言われて育ってきた背景もあり、大規模案件が終わるタイミングで自然とこの道を選んだという感覚が近いです。

もともと経営者志望だったわけではないのですね。

そうですね。最初の頃は「会社を引き継ぐ」という意識よりも、「自分のやりたいことをやる」という思いのほうが強かったです。ただ、いざ家業に戻り実務に携わる中で、自分が担うべき役割が少しずつ見えるようになりました。経営者の仕事は想像以上に責任が大きく大変ですが、それ以上に“会社の未来をつくる”というやりがいを感じています。

片山代表は新規事業や海外展開など幅広い挑戦を続けられていますが、アイデアはどのように生まれているのでしょうか。

そうですね。最初の頃は「会社を引き継ぐ」という意識よりも、「自分のやりたいことをやる」という思いのほうが強かったです。ただ、いざ家業に戻り実務に携わる中で、自分が担うべき役割が少しずつ見えるようになりました。経営者の仕事は想像以上に責任が大きく大変ですが、それ以上に“会社の未来をつくる”というやりがいを感じています。

代表に変わってから、会社の雰囲気にも変化はありますか。

大きく形を変えたつもりはありませんが、取り扱う領域が少しずつ広がり、社員が接するお客様の幅も広がったことで、会社としての視野が自然に広がった部分はあると思います。従来の制服製造・卸という軸はそのままに、新しい挑戦を取り入れることで組織にも良い刺激が生まれています。

数十年続く会社に新しい風を吹かせつつ、先代から受け継いだものを大切にする。そのバランスを意識しながら、これからも挑戦を重ねていきたいと考えています。

変化を恐れない組織づくり——柔軟さを軸に広がる新しい景色

日々の仕事の中で、大切にされていることはありますか。

私は「前例があるかどうかに関わらず、まずはやってみる」という姿勢を大切にしています。制服業界は、かつて子どもの数が多かった時代には、地域の需要だけで十分に事業が成り立っていました。しかし、現在は少子化が進み、市場環境は大きく変化しています。そうした状況で従来通りの考え方に固執してしまうと、可能性を狭めてしまうと感じています。だからこそ、思いついたことには一度挑戦し、柔軟に動いてみることを意識しています。

新しい挑戦を続けられる理由はどこにあるのでしょうか。

同じ場所にとどまっているだけでは見えてこない景色があります。例えば、これまでの制服事業の延長でも、少し視点をずらしただけで海外需要やカルチャーとの連携といった新しい領域が見えてきました。小さな軸足の移動でも、そこから広がる可能性は大きく、そうした変化に気づけるのは動いてみるからこそだと感じています。「これしかない」という固定観念を持たず、柔軟に視点を変えてみることが新しいチャンスを生むと実感しています。

社員の方々との関係性や、組織運営で意識していることはありますか。

会社としては、先代から続く“ものづくりの姿勢”を大切にしつつ、新しい挑戦を自然に受け入れられる空気づくりを意識しています。社員が安心して働ける環境でありながら、同時に新しい試みにも前向きに取り組めるよう、固定化されたルールや価値観に縛られすぎない組織を目指しています。
とはいえ、急激に変えるのではなく、日々少しずつ視点を広げ、違う領域に触れ、可能性を試していく。その積み重ねが、会社全体のしなやかな成長につながると考えています。

変化が激しい時代において、柔軟さは大きな武器です。これまでの強みを守りながら、新しい景色を見に行くことで、片山衣料としての未来を切り開いていきたいと考えています。

国内外をつなぐ次の挑戦——制服文化を未来へ届けるために

今後、会社をどのように発展させていきたいと考えていますか。

これまで築いてきた国内の制服事業は、今後も大切に継続していきます。ただ、少子化や市場縮小により、国内だけに依存したビジネスモデルは厳しくなる可能性があります。そこで、国内の制服供給という重要な役割を守り続けるためにも、海外展開という新たな収益の柱づくりを進めています。海外で得た収益を国内事業へ還元し、学校生活に欠かせない制服を安定的に届け続ける——その循環をつくることが、これからの片山衣料の大きな目標です。

国内では、静岡以外の地域にも展開されているのですか。

はい。現在は静岡のみならず、愛知、千葉、東京など、幅広い地域に向けて販路を広げています。昨日も東京の幼稚園で採寸会を行うなど、エリアに縛られずに動いています。基本的に全国どこでも対応可能で、学校ごとに専用のオンライン注文ページを開設し、在庫を学校側が抱えなくても済む仕組みを整えています。柔軟に動ける体制が整っていることは、当社の大きな強みだと感じています。

新規校の獲得には難しさもあると思いますが、どのように向き合っているのでしょうか。

確かに、既存の取引先との関係性が強いエリアでは、新しく参入する難しさがあるのも事実です。しかし、そこに過度な労力を割くよりも、当社独自の価値を評価していただける場所へ積極的に向かう方が、生産的だと考えています。大手メーカーが得意とする分野と競うのではなく、当社にしかできないアプローチ——たとえば海外向け制服ブランドの展開や、ネット注文体制の充実などを磨くことで、自然と「選ばれる理由」をつくっていきたいと思います。

今後、新たに挑戦したい領域はありますか。

新しい技術や概念について学ぶ時間が、今の私にとって大きなリフレッシュになっています。特にWEB3やブロックチェーン、ステーブルコインなど、新しい仕組みが制服の世界とどう結びつくのかを探るのはとても刺激的です。メタバースでの制服展開や、デジタルコンテンツとしての価値創造など、未来の市場に向けた準備はすでに始めています。

これからは、長年続く縫製技術と最先端のテクノロジーを掛け合わせることで、「古いものを守りながら新しい可能性を拓く」そんな未来を形にしていきたいと考えています。

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