AIで日本を再生する——20歳の副社長が描く教育と技術の未来

株式会社DATAREINは、生成AIを軸とした研修・開発・教育事業を展開し、デジタル人材の育成と日本社会の活性化に挑戦している企業です。今回は、副社長の鈴木健斗さんに、事業の特徴や理念、そしてAI教育に懸ける思いについて伺いました。

AIで日本の未来をつくる——DATAREINの事業と理念

まず、事業内容と特徴について教えてください。

株式会社DATAREINでは、生成AIを中心に三つの事業を展開しています。ひとつ目は企業向けのAI研修です。チャット型AIなどを基礎から学び、業務に活かせるようになるための研修を、助成金を活用しながら提供しています。今後AI活用が必須になる中で、まずは使いこなすための土台づくりが重要だと考えています。

二つ目は、企業ごとの課題に合わせてカスタマイズするAI開発です。既製品を販売するのではなく、業種や業務に合わせたオーダーメイドのAIツールを開発しています。例えば、福祉やブルーカラーの現場では報告書作成などの事務作業が非常に多く、AIによって効率化できる部分も多いです。音声入力から自動で報告書を作成できるツールなど、細かな課題解決につながる開発を行い、実際に大きな効果が出ています。

三つ目は、子ども向けAIスクール「未来AIスクール」の運営です。私は学生時代から、学校で学ぶことが本当に社会で役立つのかという疑問を持っていました。社会に出てみると、必要な力は学校では教えてくれないと実感しました。これからの時代に求められるのは、AIリテラシーだけでなく、人間力や課題解決能力、コミュニケーション力です。こうした“生きる力”を子どもたちが身につけられるスクールをつくりたいと考え、立ち上げました。

スクールは浜松で実店舗を構え、現在はオンライン中心で展開しています。今後はフランチャイズ化を進め、関東・関西を含め全国に広げていく予定です。

DATAREINのビジョンは、日本の再生に貢献することです。AI研修や開発によって企業の生産性を高め、AI教育によって未来の人材を育てる。三つの事業を通じて、日本全体のデジタル基盤を底上げしていきたいと考えています。

若さを武器に挑み続ける——キャリアの原点と経営者としての歩み

代表・吉川さんとの関係や、起業に至る背景について教えてください。

吉川とは同じ大学・同じ学部に在籍していた、いわば“知り合い程度”の関係でした。特別に仲が良かったわけではありませんが、ある日、大学のグループチャットで彼が突然「起業します。興味ある人は連絡ください」と投稿したことがすべての始まりでした。そのメッセージを見た瞬間、直感的に電話をかけ「一緒にやりたい」と伝えました。

私自身、祖父が80年以上続く会社の経営者で、その背中を見て育ったこともあり、もともと起業への憧れが強くありました。大学ではデータサイエンスを専攻し、AI・プログラミングなど実践的な技術に触れたことで「これなら事業にできる」という手応えが生まれ、自然と起業のタイミングが整っていったと感じています。

経営を始めてから、印象に残っている壁や学びはありますか?

最初の事業が順調に立ち上がったこともあり、経営は想像以上に複雑で奥深いと感じています。企業向けサービスは良いプロダクトと営業力があれば結果につながりますが、新たに始めた子ども向けAIスクール(BtoC)は、家庭によって価値観も状況も異なるため、伝え方や仕組みづくりをゼロから構築する必要があり、大きな壁に直面しました。現在も試行錯誤を続けています。

また、20歳で副社長として組織をまとめることについて不安がなかったわけではありませんが、AI分野においては若さこそスピード感や柔軟性につながり、むしろ強みとして評価される場面が多くあります。営業でも「若い世代が最前線でAIを使っている」という点に興味を持たれることが多く、年齢がネガティブに働いた経験はありません。

若くして経営者となり、キャリアを築く中で大切にしている価値観はありますか?

人と同じ道を歩かないという意識はずっと持っています。「良い大学から良い会社へ」という固定観念だけが正解ではないと感じていますし、人生は一度きりなので、挑戦できる時に挑戦すべきだと思っています。実際、起業を通して視野が大きく広がり、行動するからこそ新しい選択肢が見えることを強く実感しました。今後も若さを強みに、誰も踏み入れていない領域に挑み続け、自分ならではのキャリアを築いていきたいと思っています。

自由と責任を両立させる組織づくり——多様な人材が力を発揮する環境とは

社員の方々とのコミュニケーションで、意識していることはありますか?

学生起業で年齢も若い立場だからこそ、まずは信頼を築くことを大切にしています。30代・50代のメンバーがいる中で20歳の自分が副社長として動くため、採用段階で会社の現状や役割分担を明確に伝え、立場への理解を得たうえでチームに迎えています。そのうえで全員に敬意を持って接しつつ、必要な場面ではしっかりリーダーとしての姿勢を示し、組織としての一体感を保つようにしています。創業時からいる幹部を中心にチームを構成し、メンバーとのコミュニケーションを分担することで、誰もが動きやすい組織づくりを進めています。

御社の社内文化にはどのような特徴がありますか?

最大の特徴は「自由度の高さ」です。オフィスはあるものの、基本は全員リモートワークで、勤務時間の縛りも設けていません。朝型・夜型問わず、自分の最も集中できる時間帯で働ける環境にしています。実際、新しく入った事務スタッフは深夜帯の方が集中できるタイプで、その働き方で高い成果を上げています。社内には大学生、30代の研修担当、50代の営業、ベトナム人メンバーなど幅広い人材がいますが、それぞれが自分に合った働き方を選べるからこそ、自然と成果が出るチームになっていると感じています。

社員の主体性を引き出すために工夫していることはありますか?

採用段階から「あなたは立ち上げメンバーの一員です」と明確に伝えています。単なる従業員ではなく、会社の未来を共につくる仲間であるという認識を持ってもらうことで、自然と責任感と主体性が芽生えます。将来的には、事務スタッフを部長へ、幹部メンバーを事業責任者へと育てていく構想もあり、全員が成長を実感しながら働ける環境づくりを進めています。自由度の高い働き方は、自律したメンバーが集まるからこそ成立するもの。今後も一人ひとりがのびのびと力を発揮できる組織を目指していきたいと考えています。

AI教育を起点に広がる未来図——多角展開と日本再生への挑戦

短期的・中長期的な視点で、今後の事業展開についてどのように考えていますか?

短期的には、子ども向けAIスクールをしっかり軌道に乗せることを目指しています。AI教育はまだ前例が少ない分野ですが、それゆえに大きな可能性があります。未来の人材を育てるという社会的意義も強く、ここで成果を出せれば、日本全体の教育をアップデートするきっかけにもなると考えています。

中長期的には、AI領域にとどまらず、不動産、福祉、飲食など幅広い分野に挑戦したいと思っています。社内には多様な強みを持つ幹部メンバーがおり、将来的にはそれぞれに事業のトップを任せたいという思いがあります。ひとつの会社に依存するのではなく、複数の事業体を展開し、仲間全員が自らの生活圏で価値を生み出せる仕組みをつくっていくことが目標です。

そのような多角的な展開の根底には、どんな思いがあるのでしょうか?

私たちが掲げている大きなテーマは「日本の再生」です。日本は第一次産業やものづくりによって成長してきましたが、時代とともにそれらの産業が弱まり、若い世代の活躍の場も縮小しています。AIはホワイトカラーの効率化を進めますが、その一方で、別の領域で活躍する人材の受け皿づくりも必要です。AI教育によって未来の人材を育て、地域産業や一次産業で活躍できる場を整えることが、日本全体を底上げする力になると考えています。

農業への挑戦もその一つです。将来的には、若い世代が安心して働ける農業のフィールドをつくり、AIスクールで育った人材が新しい形の農業や地域づくりに挑戦できる循環を生み出したいと思っています。

もちろん、すべての計画が具体化しているわけではありませんが、「AIを起点にした多角展開」「仲間が活躍できる環境」「日本社会への貢献」という三つを軸に据え、必要な準備を進めています。起業してから、学校教育だけでは得られない課題や学びを数多く経験しました。だからこそ、変化の先頭に立ち、必要とされる事業を形にし続けたいと思っています。

支えてくれる存在が原動力——忙しさの中で保たれる心のバランス

経営以外で、リフレッシュや趣味の時間はありますか?

正直、今はほとんど趣味に時間を割けていません。朝から夜まで仕事に向き合う生活が続き、学生時代に楽しんでいた漫画やバイクも今はなかなか時間が取れません。その分、事業に没頭できている実感があります。

そんな日々の中で大きな支えになっているのが、起業時期とほぼ同じタイミングで交際を始めた彼女の存在です。収入が安定しない時期も理解して見守ってくれ、今では私が打ち合わせに追われている間に食事を作ってくれるなど、生活面で多くを支えてくれています。彼女は別の大学で保育士を目指しており、進む道は違ってもお互いの挑戦を尊重し合える関係です。

現在は一緒に暮らしており、彼女との時間が唯一のリフレッシュになっています。趣味よりも、支えてくれる存在がいることで前向きに走り続けられていると感じます。これからも周囲への感謝を忘れず、自分自身の成長と会社の挑戦を続けていきたいと思います。

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