アイリス綜合SA行政書士事務所の行政書士・齊藤七海氏は、風営法の中でも珍しい“ポーカー店の開業支援”に特化した専門家です。日本カジノスクール出身という独自のキャリアを活かし、現場を知る行政書士として開業の不安に寄り添い、実務と法務の双方からサポートしています。行政書士資格を短期間で取得し、独立に踏み切った背景には、「自分らしい働き方を実現したい」という強い思いがありました。本記事では、齊藤さんが歩んできたキャリア、仕事へのこだわり、組織づくり、未来の展望、そして人生を豊かにする趣味について伺いました。
目次
風営法とポーカーに特化した“唯一無二”の行政書士として
現在の事業内容について教えてください。
私は新宿を拠点に行政書士として活動しており、風営法の中でもポーカー店の開業支援に特化したサポートを行っています。ここ数年でポーカーを楽しむ文化が広がり、開業を検討される方が増えていますが、風営法に関わる手続きは専門性が高く、初めて取り組む方にとっては不安が大きい分野です。
そのような状況だからこそ、必要な書類の準備から申請のポイントまで、相談者が迷わず進められるよう、手続きをわかりやすく整理し伴走することを大切にしています。法律面だけでなく、開業準備を進めるうえで気を付けるべき点も踏まえながら、安心してスタートできる環境づくりをサポートしています。
他にはない特徴や強みはどのような点にありますか。
私の特徴のひとつは、行政書士でありながら日本カジノスクール出身で、実際にディーラーとして働いた経験があることです。現在は行政書士業務に専念しているため現場に立つ機会は限られていますが、ディーラーとして感じた店内の雰囲気や実務の流れ、スタッフ同士の動きなど、実際の運営に関する細かな感覚は、机上の知識だけでは得られない大きな財産です。
こうした経験があることで、書類作成にとどまらず、開業後の運営を見据えた実践的なアドバイスができる点は大きな強みだと感じています。
ディーラー経験を持つ行政書士はほとんどいないため、「現場を知る専門家として話を聞ける」ことに安心していただける方も多いです。風営法は複雑なルールが存在しますが、正しく理解して準備を進めれば、ポーカー店は健全なエンターテインメントとして発展できる領域です。今後も法律と現場の双方を理解する立場から、業界の前向きな成長を支えていきたいと考えています。
自由な働き方を求めて。行政書士として歩み出すまでのキャリア
行政書士を目指されたきっかけを教えてください。
大学卒業後は、プラスチックメーカー・オカモト株式会社で4年間営業として働いていました。専門商社へのルート営業が中心で、真面目な企業文化の中で多くを学びましたが、次第に「自分のペースで働きたい」という思いが強くなっていきました。コロナ禍でリモートワークを経験したことで、「働き方が変わると人生の質も変わる」と実感し、場所や時間にとらわれない働き方への憧れが明確になりました。このタイミングが、行政書士を志す大きなきっかけになりました。
難関資格を短期間で取得されたと伺いました。どのように乗り越えたのでしょうか。
会社を辞めてから勉強に専念し、半年弱という短期間で合格しました。特別に勉強が得意だったわけではありませんが、「来年まで持ち越したくない」「今回で必ず合格する」という強い覚悟が原動力でした。SNSをすべて断ち、毎日を勉強に集中させたことで、自分の限界を超えるような時間を過ごせたと思います。
また、行政書士の先生方には個性的で魅力的な方が多く、「こんなふうに働きたい」と思えるロールモデルに出会えたことも大きな励みでした。合格後には憧れていた先輩方に挨拶に行き、今でも一緒に仕事をする機会があるのは、とても嬉しいことです。
独立後、実務面でのギャップや気づきはありましたか。
行政書士として仕事を始めた当初は、風営法の手続き特有の「時間がかかる」という難しさを実感しました。許可が下りるまで期間があるため、請求のタイミングに迷ったり、収益が月によって異なったりと、会社員時代とは異なるリズムに戸惑うこともありました。ただ、経験を重ねるうちに依頼も安定し、お客様や同業のつながりから継続的な紹介が生まれ、やりがいを感じる場面が増えています。また、ポーカー店専門不動産の方と提携して物件探しからサポートできる体制をつくれたことで、お客様に安心していただける機会が増えました。ラスベガスでのポーカー大会出場経験や、日本のアミューズメント店の知見もあり、開業後のコンセプトづくりまで支援できる点は大きな強みだと感じています。
“お客様ファースト”を貫くために。ひとりだからこそ大切にできる姿勢
日々のお仕事で大切にされていることを教えてください。
行政書士として独立してから、「お客様が自分を選んで依頼してくださること」への感謝を強く感じるようになりました。会社員時代は毎月給与が振り込まれて当たり前でしたが、独立してからは、ひとつひとつのご依頼が自分の存在意義だと感じています。
そのため、最も大切にしているのは“お客様ファースト”の姿勢です。風営法の手続きは準備が多く、少しでも早く許可取得につなげたいという方が多いため、土日祝や生活リズムにこだわらず、必要なときに柔軟に動くことを心がけています。
仕事の進め方で意識されているこだわりはありますか。
もうひとつのこだわりは、「苦手なことを無理に自分でやらない」ということです。開業支援では図面の作成や定款変更など専門的な作業が多くありますが、不得意な分野まで無理に自分で抱えこむのはミスにつながりかねません。
だからこそ、専門家に依頼すべき部分は迷わず外部に委ねるようにしています。自分は“風営法の専門家”として業務の質を担保しつつ、必要に応じて最適な専門家と連携することで、より精度の高いサービスが提供できると考えています。
ひとりで事務所を運営しているからこそ、役割分担を明確にすることが大事だと感じています。
自由な働き方と業界の発展。その両方を追求する未来へ
今後の働き方については、どのように考えていますか。
今後も「自由に働けるスタイル」を大切にしていきたいと考えています。人を雇う形ではなく、必要な業務は外部の専門家と連携しながら進める方が、自分らしい働き方を保ちやすいと思っています。
また、風営法の分野が本当に好きなので、専門性をさらに深め、お客様が安心して開業できるよう支援体制をより強固にしていきたいです。
将来的に挑戦してみたいことはありますか。
実は、将来的には自分自身でポーカーバーを開きたいと考えています。物件探しは簡単ではありませんが、店舗を持つことでお客様の気持ちや運営の悩みがより理解でき、行政書士としての支援にも大きく活かせるはずだと思っています。
理想の店舗像は、都心の華やかな雰囲気がありつつ、常連さんが気軽に立ち寄れるアットホームな空間です。ポーカー台を1〜2台設置し、初心者でも安心して遊べる雰囲気を大切にしたいと考えています。
現在のポーカー業界の動きについて、どのように感じていますか。
都内ではポーカー店が急増し、渋谷・新宿・六本木が“中心地”といわれるほど盛り上がりを見せています。一方で、最近はアクセスの良い下町エリアにも店舗が広がりつつあり、裾野がどんどん広がっている印象があります。
ただ、街の雰囲気で印象が決まるのではなく、実際は店舗のコンセプトによって安全性も大きく変わります。私が通っていた日本ディーラースクールでも、親子で楽しめるような初心者向けの環境が整っていて、業界全体も多様なスタイルに進化していると感じています。
旅がもたらす視野と創造性。ひとり旅が“仕事の質”を高める時間に
お仕事以外で、没頭されている趣味はありますか。
趣味は旅行で、特にひとり旅が大好きです。これまでに34か国ほど訪れており、アジア圏の国々には特に魅力を感じています。なかでもインドやスリランカは、文化や人の温かさに触れる機会が多く、とても印象に残っています。
また、オセアニアのニュージーランドやオーストラリアのような自然豊かな国にも惹かれますし、ブルガリアやマケドニアといった旅先としては少しマニアックな地域にも足を運んできました。観光客が少なく、現地の生活に近い空気を味わえる場所は、一人旅ならではの魅力があります。
どのようなきっかけでその国々を訪れたのですか。
旅先は地図を眺めながら直感で決めることが多いです。「このルート、面白そうだな」というダーツの旅のような感覚に近いかもしれません。本当はアフリカなどにも興味がありますが、女性一人で安心して行ける範囲を考えながら、治安や移動のしやすさを踏まえて旅を計画しています。
例えば、トルコから陸路で隣国へ移動し、ギリシャ方向へ抜けるルートは非常に新鮮で、思いがけない景色や出会いがありました。何気ないきっかけから広がる旅は、自分にとって大切な刺激になっています。
旅はお仕事にも良い影響を与えているのでしょうか。
はい。旅は仕事と相性が良く、私にとっては大切な“リセットの時間”です。パソコンを持って行くので、合間に作業をしつつ、気分転換に散策する“ワーケーション”のようなスタイルが心地良いです。
東京で仕事をしていると視野が狭くなってしまう瞬間がありますが、海外に出ると価値観がガラッと変わり、新しい発見がたくさんあります。道で困っていると声をかけてくれる人の優しさに触れたり、違う文化の中で自分を見つめ直せたりと、一つひとつの体験が自分の成長につながっていると感じます。
これからも旅を通じて得た視野や感性を、行政書士としての仕事にも還元していきたいと思っています。

