ブライエッジ株式会社は、ヘッドハンティングを基盤としながら、採用・育成・評価制度の三領域を一体で支援する“人事の総合病院”として、企業の人材課題に向き合っています。創業の背景には「人は人で磨かれる」という揺るぎない信念があり、人づくりを軸に企業の未来づくりを伴走してきました。本記事では、事業の現状、諸田氏のキャリアと価値観、組織づくりのこだわり、今後の展望、そして個人的な想いについて伺いました。
目次
“人事の総合病院”としての現在地——事業内容と独自の強み
まず、現在の事業内容と強みについて教えてください。
弊社は“人事の総合病院”として、人事・人材領域の課題に包括的に対応する会社です。事業の基盤はヘッドハンティングですが、日本には約2万9000社の人材紹介会社がある一方で、ヘッドハンティングを専門的に行う企業は30社ほどしかなく、そのうち独立系でIT領域を中心にエグゼクティブサーチを行う会社はさらに限られています。その希少性こそが弊社の大きな特徴です。
さらに、採用だけでなく「育成」「評価制度」という三つの柱を一体で提供している点は、国内でもほとんど例がありません。ヘッドハンティングを母体としつつ、経営者のニーズに合わせて人事領域を総合的に支援できる体制を整えていることは、独立系コンサルティング会社として大きな差別化になっていると考えています。
なぜこのような事業を立ち上げられたのでしょうか。
背景には「人は人でしか磨かれない」という考えがあります。学生時代、私自身がヘッドハンティング会社で経験を積んだことが原点にあり、優れた経営者やリーダーと向き合う中で、人を鍛え、成長を後押しする仕事の重要性を強く感じてきました。
経営者の課題を伺うと、採用だけでなく「育成」「定着」「評価制度」など、人に関わる悩みが次々と連動していることが分かります。人事課題は経営課題全体の7割とも言われますが、それらを部分的に解決するのではなく、一気通貫で支援する仕組みが必要だと考えました。こうした蓄積が、現在の事業モデルにつながっています。
また、今は優秀な人材が海外系企業へ流出する状況もあり、日本の中小企業が強くなるためには「人」への投資が欠かせません。だからこそ、人づくりを軸に企業の未来を支える会社でありたいと考えて、この領域に取り組んでいます。
“人が人を磨く”という信念が導いたキャリア──諸田氏が経営者になるまで
これまでのキャリアと、起業に至るまでの流れを改めて教えてください。
私の社会人としての原点は美容師でした。オンライン通信で学びながら現場に立ち、お客様へ価値を提供することの難しさと奥深さを学びました。一方で、当時の職場は離職が多く、1〜2年目で男性上司が全員辞めてしまうという状況も経験しました。その出来事が、人や組織への関心を強くするきっかけになりました。将来は店舗を持ちたいという思いもあり、経営を学ぶために大学へ進学したことが次の転機です。
大学卒業後は、新卒でヘッドハンティング会社へ入社し、幹部層に特化した紹介業に携わり、経営層との接点が一気に広がりました。新卒ながらも経営者や幹部層と向き合う環境に身を置けたことは非常に刺激的で、自ら月500時間働き続けて身に付けた経験は、現在の礎になっています。その後、上司が立ち上げた会社に1人目の社員として参画し、2年間経験を積みました。
起業の決意はどのように固まったのでしょうか。
もともと、独立志向は持っていましたが、大学時代の友人から「起業はどうなった?」と問われたことで、自分が抱えていた思いを再認識しました。ところが、その友人は水難事故で急逝してしまい、私にとって非常に大きな出来事となりました。一緒に挑戦しようと語り合った仲間の思いを引き継ぐことが、自分が進むべき道だと強く感じました。葬儀の翌日には、当時の代表へ独立を申し出て、現在のブライエッジを立ち上げました。起業の原動力には、友人との約束を果たしたいという強い思いがあります。
経営者となった今、感じていることや気づきはありますか。
経営において重要なのは、人・物・金・情報の中でも「人」であると実感しています。業績が伸びるときも、人の成長が伴いますし、逆に業績が停滞するときも根本には人の課題があります。だからこそ、人材育成は永遠のテーマです。私たちは、机上の空論ではなく、自社が健全な組織であること、社員が成長し続けることをまず自らが体現したいと考えています。「ブライエッジの社員は成長力がある」と言っていただけるような存在であり続けることが、私たちの使命でもあります。経営の本質は、やはり“人”だと日々感じています。
主体性を育む組織づくり──対話と感動を生む社内文化
社員の主体性や成長意欲の高さが印象的ですが、どのように引き出しているのでしょうか。
根本にあるのは「内発的動機」です。会社から一方的に指示するのではなく、まず本人の価値観を理解し、その人が人生で何を成し遂げたいのかを共有することが重要だと考えています。個人の志と、ブライエッジで果たしたい役割が一致している状態をつくることで、仕事の意味づけが深まり、将来の志実現に繋がる土台ができます。そのすり合わせを継続的に行うことで、主体性が自然と育まれていきます。
日々のコミュニケーションはどのように行っているのでしょうか。
毎週1回のレビューを必ず行っています。一般的な1on1に近い形式で、短期的な振り返りや課題の確認を行います。また、月次の振り返りに加え、評価面談は半期に1回、四半期に1回など複数のタイミングで実施しています。私は全社員と半期に1度必ず面談し、個人の「Will」と会社の方向性が一致しているかを確認しています。緊張を感じる社員もいるかもしれませんが、その時間は感謝を伝える場でもあり、本人の成長を支援する大切な時間として大切にしています。
社内文化にはどのような特徴がありますか。
当社では「お客様に感動していただけるかどうか」を基準にしています。対価に見合うサービスを提供するのは当然であり、その先にある“感動”をどう生み出すかを常に考えています。お客様の立場に立ち、本当に心が動くサービスになっているかを議論し追求する文化が根づいています。これは社員同士の学びにもつながり、組織としての成長を促す重要な軸になっています。社内では「どうすれば感動を生み出せるか」という視点を共有しながら、日々のサービスクオリティを磨き続けています。

人事領域の“駆け込み寺”へ──未来を見据えた事業展開と人づくりの理念
今後の事業展開や、目指している未来像について教えてください。
弊社は今後も「人事・人材領域」から離れることはありません。このドメインへの誇りと使命感はとても強く、企業の人に関わる課題を真正面から解決していくことが、事業の軸であり続けます。そのうえで目指しているのは、どのような課題でも「ブライエッジに頼めば解決できる」と言われる存在になることです。他社でうまくいかなかった状況でも、最後に相談される“駆け込み寺”のような立ち位置を確立し、日本一のクオリティでサービスを届け続けたいと考えています。
課題解決だけでなく、事前の組織づくりも支援されているそうですね。
はい。人事課題は何かが起きてから対処するだけでは遅れてしまうことがあります。そこで、弊社では「予防医療」のような発想を大切にしています。事後対応ではなく、事前に健全な組織をつくる支援です。たとえば、理念浸透を促進し、社員が同じ方向を向ける土台づくりを行うことや、今後50名・100名と規模が拡大していく企業に向けて、成長段階に合った評価制度の構築を提案することなどが挙げられます。
企業が後になって「やっておけばよかった」と後悔することがないよう、常に一歩先を見据えた提案をする。それが“お客様の立場で考える”という姿勢の表れです。サービスを提供した後に「ブライエッジに頼んで本当に良かった」と言っていただけるかどうかを、常に基準として大切にしています。
長期的に実現したいことはありますか。
弊社が重視しているのは「仁創(ひとづくり)経営」です。社内の育成はもちろんですが、世の中の企業が人を育てられる状態をつくることが重要だと考えています。経営者が描く未来のビジョンに伴走し、そのビジョンを実現できる仲間を増やしていく。そして、社員一人ひとりの人格や仕事観が磨かれ、自己実現に向かって進んでいける組織を広げていきたいと思っています。
人が成長すれば、企業は強くなり、社会も豊かになります。仁創(ひとづくり)経営コンサルティングをさらに広め、日本企業の底上げに少しでも貢献したい──それが今後の大きな目標です。
仕事そのものが最大の原動力──諸田氏が語るリフレッシュと喜び
最後に、リフレッシュ方法や趣味について教えてください。
私は、仕事で成果を出すことが一番のリフレッシュになっています。経営をしているとさまざまな出来事がありますが、その一つひとつに向き合い、お客様に喜んでいただけた瞬間が最も心が軽くなります。そして、社員が「ブライエッジで働けてよかった」と感じてくれることが、私にとって最大の喜びです。結果として、それが自分自身のエネルギーにもつながっています。
プライベートでの気分転換についてはいかがですか。
特定の趣味があるタイプではありませんが、お客様の喜びや社員の成長がそのまま自分の活力になるため、仕事に向き合う時間そのものが自然と気持ちを整えてくれます。社員が挑戦し成果を出した瞬間、「この会社をつくってよかった」と心から思える。その積み重ねが、私にとって何よりのリフレッシュです。
これからも、お客様と社員に喜んでいただける経営を続けていきたいと考えています。

