“感動をつくるカフェ”が地域に愛される理由とは。コンテナから生まれた新しい憩いの場
カフェシュエット 代表 太田 久美 氏
釧路の郊外に、コンテナを活用したちょっと珍しいカフェがあります。提供するのは料理だけではなく、“感動”そのもの。雑貨販売や絵付け教室などを組み合わせた独自のスタイルで、地域の人々から長く親しまれているお店です。
今回は、代表の太田久美さんに創業の背景や、カフェへの思い、そして今後の展望について話をうかがいました。
目次
会社の現状と大切にしているコンセプト
――まず、事業内容について教えてください。
カフェ経営が中心です。3棟のコンテナをつなげた空間で営業していて、店内ではハンドメイド雑貨の販売も行っています。雑貨は私自身が作ったものもありますし、約15名の作家さんの作品も委託販売させていただいています。さらに、白い食器に絵付けをする「ポーセラーツ」の教室も開いています。
カフェのコンセプトは“感動”。料理を楽しんでいただくのはもちろん、雑貨やロールアイスなど「目で見て楽しむ体験」を提供し、来店された方に感動していただけるお店づくりを大切にしています。
――釧路でカフェを運営するうえで、強みにしている点は?
釧路は海鮮中心の飲食店が多く、カフェや喫茶店はそれほど多くありません。そこに加えて、コンテナという珍しい外観や、見て楽しいロールアイス、雑貨や体験型の絵付け教室など、他では味わえない“楽しみ”を提供していることが強みになっていると思います。
経営者になるまでの歩みと、始めるきっかけ
――独立される前はどんなお仕事をされていたのですか?
日本マクドナルドのフランチャイズで約20年勤務していました。店長やサービスインストラクターとして各店舗のセミナーなども担当していました。ただ、体調を崩したのを機に退職し、一度は主婦になりました。
その後、釧路の飲食店を見て「美味しいのにもったいない」と感じることが多かったんです。料理が良くても、接客の印象で満足度が大きく変わってしまう。「また来たいな」と思ってもらえる接客ができないといけないわけです。
ならば、自分が「来てよかった」と思えるお店、サプライズや喜びを与えられるお店をやってみたいと思ったのが創業のきっかけです。
50代での挑戦でしたし、建物を建てるために借金も背負いました。でも、一度の人生だからチャレンジしたい、また、周りの人が「いつお店を出すの?」と背中を押してくれて、その一言ひとことが大きな力になりました。
――経営してきた中で特に印象に残っている出来事はありますか?
テレビ取材を受けたことが大きかったです。オープンして翌年にロールアイスが話題になった時期に取材していただき、道内各地から車で何時間もかけてお客様が来てくださり、最長6時間待ちの日もありました。メディアの影響力の大きさと、期待に応える責任を強く感じた出来事でした。
同時に、コロナ禍も忘れられません。来店が激減し、本当に厳しい時期でしたが、デリバリーに対応したり、ゴーストレストランを取り入れたりしてなんとか乗り越えました。
小さなチームでつくる“温かい空間”—スタッフとの関わり方
――現在のスタッフ構成と、職場の雰囲気について教えてください。
私を含めて4名です。アルバイトスタッフが3名います。少人数なので、コミュニケーションは密にとっています。お客様に感動してもらうには、まずスタッフ自身が気持ちよく働けることが大切。そのため、何でも話し合える雰囲気を心がけています。
これからの展望と挑戦したいこと
――今後、どの部分を伸ばしていきたいと考えていますか?
中心にあるのはやはりカフェです。雑貨販売はカフェと同じ“感動を届ける”というテーマに沿って続けていきます。絵付け教室は、教室で知り合った生徒さん同士で仲良くカフェの方でお話しするなどカフェの導線にもなっていますし、私自身の楽しみでもあります。
将来的にもしカフェを辞めるようなことがあれば、絵付け教室だけを自宅で続ける選択肢も考えていますが、当面は今の事業を丁寧に育てていくつもりです。
経営と向き合うためのリフレッシュ方法
――お仕事以外で、リフレッシュしていることはありますか?
やはり雑貨作りや絵付けなどのハンドメイドが好きなので、それがそのまま息抜きになっています。あとは主人と休みの日にドライブに行くのも楽しみの1つです。