社会課題とビジネスをつなぎ、日本と世界の視野を広げる挑戦
株式会社FACT FORCE 代表取締役 須賀川拓氏
株式会社FACT FORCEは、日本企業の持つ技術や製品を海外の社会課題と結びつけ、新たな価値を生み出すことを目指して設立されました。現地の状況を実際に体感しながら、社会課題の解決とビジネスの両立を図る点が特徴です。
今回は代表取締役の須賀川拓氏に、会社を立ち上げた背景や現在の事業構想、組織づくりへの考え方、そして今後の展望についてお話を伺いました。
目次
海外の社会課題と日本企業をつなぐために構想した事業
――現在の事業内容と、会社としての考えを教えてください。
海外で起きている社会課題と、日本のビジネスをつなぐ架け橋になる事業を構想しています。紛争や貧困によって、教育や医療、生活用品が十分に行き届いていない地域は多く存在します。そうした現場に対して、日本企業がすでに持っている製品や技術をどのように活かせるのかを考え、社会的な意義とビジネスの両立を目指しています。
――事業の軸となる取り組みについて教えてください。
現在進めているのが、企業向けのリーダーシップ研修です。難民キャンプなどの現場を題材に、正解のない課題にどう向き合い、どのように意思決定を行うのかを考える研修を想定しています。社会課題を自分事として捉えることで、日本に戻った後の組織運営や判断にも変化が生まれると考えています。
現場を伝えるだけで終わらせないために選んだ起業という道
――起業されたきっかけを教えてください。
経営者になること自体が目的だったわけではありません。自分が本当にやりたいことを実現するためには、事業として形にする必要があると感じた結果です。これまでは取材の仕事を通じて、戦地や紛争地域などの現場を伝えてきました。ただ、どれだけ伝えても、その情報が現地の人たちの明日の生活を直接変えるわけではないという現実に、次第にもどかしさを感じるようになりました。
伝えることの意義は理解している一方で、現場に関わった人たちの生活や未来に、もう一歩踏み込んだ形で関われないかと考えるようになり、その手段として事業を立ち上げるという選択に至りました。
――独立後に感じた変化はありますか。
出会いの質が大きく変わったと感じています。会社員として人に会う場合と、自分自身のビジョンを掲げて会う場合とでは、同じ相手であっても会話の深さや広がりがまったく違います。独立後はその場限りのやり取りではなく、将来につながる話や新しい発想が生まれる機会が増えました。その変化は、独立して最も強く実感している点です。
小さな組織だからこそビジョンを共有できる関係を重視
――現在の組織体制、今後求める人材について教えてください。
現在は私と妻の2人で会社を運営しています。まずは事業としてしっかりと売上を立てることを優先し、そのうえで従業員や業務委託の方を迎え、少しずつ体制を整えていく考えです。
今後求めていきたいのは、単に業務をこなす人材ではなく、ビジョンに共感し、一緒に事業を進めてくれる存在です。私が現場に出ている間でも会社を回せるような、同じ方向を向いて考えられる関係性を築いていきたいと考えています。
社会的意義と事業性の両立を見据えた今後の展望
――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
現在進めているリーダーシップ研修に加えて、今後は平和教育にも取り組みたいと考えています。仮想現実などの技術を活用し、講義を聞くだけで終わらない形で、現実を体感できる教育を構想しています。対象は小学校から大学までを想定しており、年齢に応じた伝え方を検討していく予定です。
――事業としての目標について教えてください。
社会的な意義があることは大前提ですが、それだけでは事業は続きません。事業として成立させること、数字にもきちんと向き合うことが重要だと考えています。得た収益を次の挑戦や支援につなげていく循環をつくり、継続的に取り組める形を目指していきたいです。
興味を持ったことはまずやってみるという個人としての姿勢
――仕事以外の時間はどのように過ごされていますか。
興味を持ったことは、まずやってみるタイプです。釣りや料理、登山、キャンプ、撮影など、さまざまなことに取り組んできました。すべてを極めるというよりも、実際に体験してみることを大切にしています。
この姿勢は仕事にも通じており、関心を持ったことは一度試してみることで、新しい視点や発想につながると考えています。