“可愛い”で地球を守る――海洋プラスチックを「愛のカケラ」に変えるsobolonの挑戦
sobolon 代表 田頭 姫菜子氏
海に漂着した海洋プラスチックを「ゴミ」のまま終わらせず、素材の色や傷まで個性として生かしてハンドメイドジュエリーへとアップサイクルする――。ブランド「sobolon(ソボロン)」を軸に、ワークショップや企業・行政とのアート制作にも取り組む田頭姫菜子氏に、活動の原点や大切にしている価値観、チームのつくり方、これから描く展望までを伺いました。
海の課題を「可愛い」で支える事業
――事業内容を、改めて簡単に教えていただけますでしょうか。
私たちは「sobolon」というブランドで、海に漂着した海洋プラスチックを回収し、アップサイクルしてハンドメイドジュエリーを制作・販売しています。特徴は、色づけや溶かす加工はせず、素材がもともと持つカラフルな色や傷、質感までを「模様」としてデザインに落とし込むことです。
また、活動はジュエリーにとどまりません。制作体験のワークショップに加え、万華鏡づくりや壁画アートなど、企業や行政から依頼を受けて「みんなでつくる」アート制作も行っています。
ネガティブを誠実に転換し、価値を描く
――なぜこの事業を始めようと思われたのでしょうか。
私は子どもの頃から環境問題に関心があり、地球環境が壊れていくことにショックを受けてきました。ただ、大きな問題は一人では解決できず、悲しみや怒りといったネガティブなエネルギーだけでは、誰にも届かないことも痛感しました。
だからこそ「楽しく、ポジティブに関われる入り口をつくりたい」と思うようになり、自分が好きだったレジンのアクセサリー制作と掛け合わせて、海洋プラスチックをジュエリーにできないか試行錯誤を重ねました。
最初はうまくいきませんでしたが、仲間と工夫を続け、「これなら可愛い」と思える形に育ってていきました。
リモートでも「チーム感」を育て、挑戦を重ねる
――制作や販売は、どんな体制で回しているのでしょうか。
会社としては私と夫の2人で運営しており、制作を担うスタッフは席として10名ほどいます。制作メンバーの多くは完全リモートで、こちらから素材を送付し、ご自宅で制作してもらっています。
制作のコミュニケーションでは、グループLINEを「sobolonジュエリー研究室」として運用し、作品写真を共有しながら作り方の質問や発見をやり取りしてきました。
創作は「誰かの発想にインスパイアされて新しいものが生まれる」面が大きいので、sobolon愛を共有する仲間同士で刺激しあいながら、新たなアイディアやモチベーションにつなげています。
販売は、百貨店などでのポップアップ出店が多く、その際はファンの方々(私たちは「ぴーす」と呼んでいます)に、現地でスポット的に手伝ってもらうこともあります。
地元に根を張り、世界へも挑戦する展望
――今後、実現していきたい夢や目標はありますか。
今後は、これまで実店舗を持たずオンラインとポップアップ中心で進めてきましたが、大好きな地元に拠点(店舗)を持つことが今の一番の夢です。
もう一つは、海外への発信も少しずつ強めていきたいということです。海外からのお問い合わせも増えている中で、国に関係なく共鳴してくださる方と「”可愛い”で地球を守る」輪を広げていけたらと思っています。
これからも「愛のカケラ」として歩みつづける
――お休みの日の過ごし方や、リフレッシュ法はありますか。
私は土日休みのように休日が固定ではなく、仕事と遊びの境目があまりありません。出張先でもインスピレーションを得たり、仕事が遊びのように感じられたりすることも多いです。その中で、旅先では海に行くことはもちろん、神社やお寺を探してお参りするのが好きです。
「”可愛い”で地球を守る」は活動の中心にある言葉です。もう一つよく使うのが「みんな愛のカケラだよ」というフレーズで、海のゴミと呼ばれるものも工夫次第で素敵になり得るように、私たち一人ひとりも可能性の欠片だと伝えたいと思っています。
ブランド名の「sobolon」も、「そぼろ」という日本語を由来としており、ボロボロに見えるものでも見方を変えれば可能性がある――そんな想いを込めています。