「できそうにない」を、できるに変える——スポーツ体験の種をまくsowersの挑戦
sowers株式会社 代表取締役 木原 敬太氏
子どもから社会人までがスポーツを気軽に楽しめる場づくりに取り組んでいるsowers株式会社。体操教室、子ども向けスポーツクラブ、大人向けスポーツサークルの3事業を通じて、体を動かす楽しさと挑戦する感覚を広げています。本記事では、3つの事業に込めた思いや、スポーツ体験を通じて大切にしている価値観、そして今後の展望について伺いました。
3つの事業で広げるスポーツの入口
――現在の事業内容について教えてください。
当社は3つの事業を運営しています。1つ目は3歳から中学生を対象とした体操教室です。競技志向ではなく、バク転やバク宙といった技を気軽に習得することを目的としています。徳島県で始め、現在はフランチャイズとして他県にも展開しています。
2つ目は、子ども向けのサワーズスポーツクラブで、大学生指導者がさまざまなスポーツを教え、子どもたちが自分に合う競技を見つける場です。3つ目は中学生以上向けのサワーズスポーツサークルで、手軽に競技スポーツを楽しめる環境を提供しています。
「難しそう」を超える体験を届ける
――事業に込めている思いを教えてください。
体操教室では「難しそうに見えても、やってみると意外とできる」という感覚を大切にしています。バク転も見た目ほど難しい技ではありません。経験していないから怖く感じるだけで、挑戦すればできることは多い。失敗を恐れず一歩踏み出してほしいと、子どもたちに伝えています。
――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。
体操を教えている中で、子どもたちが進むスポーツを「親がしていたから」「友達が始めたから」と限られた選択肢で決めている現状に気づきました。その結果、途中でやめてしまう子も多い。いろんなスポーツを体験できれば、自分に合うものが見つかるはずだと思い、このクラブをつくりました。
やってみて見えた可能性
――経営者としての転機を教えてください。
他県の方が「同じ体操教室をやりたい」と手を挙げてくれたことです。教室ビジネスは属人性が高く不安もありましたが、実際にやってみると意外とできる。難しさ以上に、楽しさとやりがいを感じました。
――判断の軸として大切にしていることは何ですか。
自分がやってみたいと思えるかどうかに加えて、売り上げなどの数字と、人がついてくるかを見ています。情熱だけでなく、この2つが見えれば、長く事業を続けられると考えています。
縛らず、挑戦を「経験」に変える
――組織づくりで意識していることは何でしょうか。
体操教室のスタッフは全体で50〜60人ほどになり、正直コミュニケーションが十分に取れていない部分もあります。それでも方針としては縛りすぎません。
私は指示されるのもするのも得意ではないので、全体の方針だけをしっかり伝えます。その上で、大学生から「運動会をしたい」といった提案が出たら、赤字になっても失敗してもいいからやってみたら、と背中を押します。
――コミュニケーション面の工夫はありますか。
会う頻度は多い方が良いと思っています。フランチャイズでは月1回、Zoomでミーティングを行っていますし、私が現地に足を運んでイベントや懇親会の機会をつくり、話を聞くこともあります。
スポーツクラブ側は、大学生に近い立場の運営メンバーを置き、そのマネージャーが毎週現場に行って顔を出しています。関係づくりにはまだ課題がありますが、意識して続けていきたいです。
全国へ、そして都市圏へ「成功事例」を描く
――これから実現したいことは何でしょうか。
体操教室の形は、子どもたちにも楽しんでもらえていますし、生徒数も増えています。運営いただいている先生方にも喜んでいただいている実感があるので、今後5年ほどでさらに他県へ広げ、日本全国に作れるようにしていきたいです。
加えて、サワーズスポーツサークルも、手軽にスポーツできる環境が少ない地域が多いと感じています。これから形を整え、フランチャイズ的に展開したいと思っています。
――展開に向けた課題は何ですか。
どう自分とうまくやっていける指導者を見つけていくか。そこはもう、いろんな人に会って、話していくしかないと思っています。地道に人脈をつくりながら、前に進めていきたいと思います。
「見たことのない世界」が、視野をひらく
――リフレッシュ方法を教えてください。
県外へ旅行に行くことが多いです。まだ見たことのないものを見たり、聞いたりすることがリフレッシュになります。同じ生活が続くと煮詰まってしまうので、別の世界に触れることで、自分の生活や課題を一歩引いて見られるようになります。
一人ひとりの挑戦に寄り添いながら、体験の場を広げていく――その積み重ねが、次の土地でも新たなスポーツの入口をつくっていくと信じています。