人生を楽しむ力を育てる学び舎――ナシウルが目指す「子どもを大人へと育てる」教育
株式会社ナシウル 代表取締役 和泉氏
株式会社ナシウルは、学習塾としての枠にとどまらず、「子どもを大人へと育てること」を軸にした教育を実践しています学習研究所です。受験合格だけを目的にするのではなく、学ぶ意義や考える力を育て、決断と行動に責任を持てる人を増やしていくことを目指し、遠足や天体観測などの体験も含め、あらゆる出来事を学びに変えています。本記事では、代表の和泉氏に、創業の背景や教育への想いなどについて伺いました。
受験のためだけではない、「大人へと育てる」ための学習塾
――現在の事業を始めたきっかけを教えてください。
会社を立ち上げる前は、学習・受験に関わる会社に6年ほど勤めていました。ただ、その際に感じていたのは、「人に使われている限り、自分がやりたい教育ができない」ということです。また、勤め先では受験合格が目的になりやすく、「どこに合格させたか」が評価の中心になってしまう面があり、そういった状況が自分のやりたいこととは違っていました。
私がやりたいのは、「子どもを大人へと育てること」です。ですので、これを自分で実現しようと思い、現在の事業を始めました。
――「子どもを大人へと育てる」とは、具体的にどういうことですか。
私が考える「大人」とは、自分で考えて決断して行動し、責任が取れることです。当社では、そのための思考回路をつくっていくことを意識しています。
勉強そのものも、もちろん大切です。しかし、勉強する意義や「なぜ学ぶのか」を説明できる人は多くないでしょう。義務教育でなぜいろいろなことを学ぶのか、誰も説明してくれないまま大人になっているケースも多いと思います。だからこそ、当社では学ぶ理由を言葉にして伝えたり、学びを楽しみに変えるにはどうしたらいいかを話したりするようにしているんです。授業の中でも話しますし、授業の合間や残って勉強している子にも話します。
体験も日常も、すべてを学びに変える仕組み
――ナシウルの強みや特徴はどんな点にありますか。
まず挙げられるのは、単純に勉強する場所ではなく、すべてを学びに変えていくような形でにしている点です。いろんなことを学ばせるコース(寺子屋コース)を用意したり、年に数回、遠足などを実施したりしています。そのため、子どもたちが「勉強を楽しくやっている」のが特徴です。
わたしは、一般的に「学習」と呼ばれている以外のありとあらゆることも勉強になると思っています。私自身、イベントごとが好きなこともあり、みんなでケーキづくりや料理をするクリスマス会をやったり、体験学習として山や水族館に行ったこともありました。天体観測合宿もやってみたいとずっと考えています。
自分で考えて動ける組織と、帰ってこられる関係性
――現在の体制について教えてください。
役員が3人いて、あとはアルバイトです。アルバイトは十数名います。アルバイトの多くは、教え子です。そのため、私が何をやりたいのかを把握してくれていて、いちいち指示しなくても動いてくれることがほとんどです。最近入った子でも、「こうしたいんですけど」と自分から言って動いてくれます。
――社員とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか。
意識しているのは、ざっくばらんに話せる雰囲気づくりです。偉そうにせず、何をはなしても大丈夫だと思える空気を作ることを心がけています。
また、飲み会は大事にしています。会社で費用を出すことが多いので、参加しやすいとは思います。ただし、強制することはありません。来られない人は来なくていいというスタンスです。
お花見や忘年会だけでなく、夏季講習前後に研修を兼ねた飲み会も行います。そしてこうした飲み会には、OBが参加することが多いんです。当社を辞めた講師が社会人になって、わざわざ来てくれることもあります。参加した人たちのSNSグループを作って、「また来てね」という形でつながりが続いており、多いときは20名人程になることもあります。
塾ってただの場なのに、辞めた後でも戻ってきて近況報告できる――そういう「帰ってこれる場所」であれたらと思っています。
誰でも勉強できる場所に
――今後の展開として考えていることはありますか。
今は小中高生の塾ですが、将来的には誰でも勉強できる場所にしたいです。子育て中の主婦の方や、お年寄り、社会人も含めて、学びたい人が学べるようにしていけたらと思っています。
先日、保険に関する無料セミナーを開催してみたのですが、大人が学べる入り口の一つとして、そういった無料セミナーを増やしていくのはよい試みだなと感じました。また、プログラミングができる子がいるので、来年あたりにプログラミング講座を立ち上げてみようかと考えています。
メインは「子どもを大人へと育てること」におきつつも、いろいろな形でさまざまな人が学べる場所になれば面白いと思っています。