AIと人が調和する健やかな未来へ。医療現場の課題から生まれた「ウェルビーイング」への挑戦

株式会社WellAI 代表取締役 古井戸 俊也氏

2025年6月設立の株式会社WellAIは、AIと人が調和し共に歩む社会を目指し、ソフトからハードまで開発を一貫して支援するSI企業です。代表の古井戸氏は放射線技師として7年半、医療現場のDXの遅れや非効率さを痛感。不便を抱える人々を救いたいという強い情熱からエンジニアを経て起業を決意しました。常に挑戦し続けた父の背中を追い、自身も失敗を恐れず未知の領域へ転向。「技術は手段、主役は人」という信念のもと、現場の小さな声を拾い上げる姿勢を大切にしています。一線で培った「本質的な課題を見抜く力」と、それを形にする機動力は、業界を問わずあらゆる組織の課題を解決する武器となります。AIを不安ではなく希望に変えていく。古井戸氏が描く、AIと人が共生する社会の姿に迫ります。

「AI×ハード×ソフト」の一気通貫体制で、社会課題を解決する

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

私たちは2025年6月に設立したばかりの会社ですが、現在は10名ほどのメンバーで運営しています。社名の「WellAI(ウェライ)」には、AIと人が調和し、共に歩むことで、ウェルネス&ウェルビーイング(心身の健康と社会的な豊かさ)を育んでいくという想いを込めています。

弊社の最大の特徴は、ソフトウェア開発だけでなく、ハードウェア開発まで一気通貫でご支援できる点にあります。GPUやカメラモジュールなど各種デバイスにAIを組み込み、ハードとソフトを融合させたソリューションを提供しています。

事業の柱としては、「システムの受託開発(AIシステム、AIエージェント、音声・画像認識など)」、「AIアセスメント・AIXコンサルティング」、そして「AI活用研修」の3つがメインです。特に、最近では音声AIを使ったアバター開発や、AIコールセンターのような仕組みの実装も行っています。また、WellAIの大きな強みは、強固なセキュリティを叶える「オンプレミス環境」の実装力と、無から形を作る「0→1」の立ち上げ力。この掛け合わせは、WellAI(ウェライ)ならではの価値だと自負しています。

――なぜ、そこまで「ウェルビーイング」にこだわるのでしょうか。

人口減少が進む日本で、AIによる効率化はもはや生存戦略です。しかし、私たちの真の目的は単なるコストカットではありません。

業務を効率化し、収益を上げる。その先にある『精神的なゆとり』や『人との繋がり』を取り戻すこと。一人ひとりが幸せを実感できる状態、つまりウェルビーイングを支える『補助具』としてAIを機能させることこそが、WellAIの創業の原点だからです

医療現場からエンジニア、そして経営へ。原体験が語る「AIと人の調和」

――古井戸代表のキャリアと、起業に至ったきっかけを教えてください。

実は、もともとは病院で診療放射線技師として働いていました。医療現場というのは、一般社会に比べてIT化が2、3年遅れているような実態があります。「これはデジタル化すればすぐに解決できるのに」という課題が山積していたんです。

最初は趣味のような好奇心からプログラミングを学び始めました。医療画像の処理(レントゲンやMRIなど)にPythonという言語が使われていることを知り、独学で勉強していくうちに「これは現場の課題を解決する強力な武器になる」という確信に変わりました。そこからエンジニアに転身し、現場のニーズとプログラミングのギャップを埋める経験を経て独立に至りました。

起業を決めたのは、特に福祉や介護の現場において、利益至上主義では解決できない課題に直面したからです。会社としてしっかりと別のキャッシュポイントを作り、利益を確保した上で、本当にやりたい「社会課題の解決」に投資できる組織を自分で作りたかった。それがきっかけです。

――経営者として、大切にされている「キーワード」はありますか。

経営理念でもある「AIと人が調和する健やかな未来」という言葉を大切にしています。私の戦略は、常に『人』から始まります。AI導入を検討する際、真っ先に議論すべきは技術のスペックではなく、その組織の人間が抱えている真の課題は何か、という点です。

AIは仕事を奪う敵ではなく、人を自由にする『手段』に過ぎません。導入のプロセスにおいて、現場の課題解決を最優先に設計し、切ることで、はじめてその先にウェルビーイング(幸福)が見えてくる。AI(テクノロジー)の力を正しく引き出し、人がより人間らしく、豊かに輝ける環境を整えることこそが私の使命だと考えています。

「聞く」ことから始まる、熱狂的なベンチャー組織の構築

――組織を運営する上で、社員の方とのコミュニケーションで工夫されていることはありますか。

一番大切にしているのは「多層な声」を聞くことです。私たちは狭いワンフロアのオフィスなので、日々の何気ない会話はもちろんですが、月1回の親睦会や、定期的な「1on1」の機会を設けています。

人によっては、かしこまった場では言いづらいこともあるでしょう。だからこそ、一緒にご飯を食べている時に「最近どう?」とフランクに聞く場面と、会社に対して深く向き合う公式な場を使い分けています。異なるシチュエーションで出る言葉は、それぞれ質が違いますので、多角的に声を拾い上げるこのアプローチは非常に効果があったと感じています。

――採用や育成において、どのような方と一緒に働きたいと考えていますか。

一言で言えば「ベンチャー思考」の人です。私が個人的に大好きな本に『ベンチャーの作法』というものがあるのですが、そこに書かれているような「良い意味でのブラック思考」——つまり、熱量を持ってスピード感に食らいつき、チャンスを逃さず結果を求めるようなマインドを持つ人。そんな人と一緒に働きたいですね。

スタートアップである以上、大企業のようなフットワークでは勝負になりません。「これは自分の仕事じゃない」と線を引くのではなく、「全部やってやろう」という熱いスピリットを持ったメンバーと一緒に、コア業務を回していける組織を目指しています。これからの時代、AIを正しく使える人間は、一人であっても3人、あるいは5人分のパワーを出せると確信しています。少数精鋭のコアメンバーがAIを武器に戦う。それが私たちの勝てる組織の形だと思っています。

父の背中を追い、海外MBAにも挑む「失敗を恐れない挑戦」

――古井戸代表自身が影響を受けた人物や、今後の個人的な挑戦についてお聞かせください。

最も影響を受けたのは父の存在です。小さい頃は仕事や付き合いで忙しくしている父を見て「何をしているんだろう」と思うこともありましたが、大人になって振り返ると、大きな海外プロジェクトを堅実に成功させ、着実に役員へと上り詰めた父の背中は本当に大きかった。常に挑戦し続け、部下を導くその姿を、いつか超えたいという思いが私の根底にあります。

私自身の信条は、現状に満足せず、常に挑戦し続けることにあります。4月からは海外のMBAに挑戦する予定ですが、現状、英語は全くできません。まさにゼロからのスタートとなります。けれど、やるべきことは明確で、『勉強してハードルを越えればいいだけ』。その精神で走り続けていく、ただそれだけだと思っています。失敗を恐れずに飛び込む。その先にしかない新しい世界を、自分の手で切り拓いていきたいです。

――最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

今後の展望としては、大きく2つの軸で組織を強化していきたいと考えています。

まず一つは、リーダー層の育成です。現在、PM(プロジェクトマネージャー)として動ける人材は市場全体で不足していますが、私自身が現場に入りすぎている現状を打破し、リーダーたちがPMとして自走できる組織へと引き継いでいくフェーズにあります。そしてもう一つは、エンジニアのリソース確保という課題に向き合い、開発体制をより強固にすることです。

直近では4月に展示会を控えており、そこに向けて2つの新規プロダクトのローンチ準備を加速させています。事業を拡大し、私自身が一段上の視点から組織を動かすことで、より大きなインパクトを社会に与えられるチームにしていきたいですね。

AIは今、驚異的なスピードで進化していますが、それをどう使い、どう社会を良くしていくかは、私たち人間に委ねられています。WellAIは、これからも『人』を主役とした技術革新で、誰もが健やかに、幸せに暮らせる未来を切り拓いていきます。

リフレッシュは体を動かすこと

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

とにかく体を動かすことです。行き詰まった時はジムで筋トレをしたり、ゴルフをしたりします。

仕事柄、どうしても頭で考えすぎてしまう瞬間があるので、そんなときこそ体を動かすことで、スッと頭の切り替えができます。実は、思い立った時にすぐジムに行けるよう、自宅に近いジムを選びました。私にとって、心身のコンディションを整える時間は、良い仕事をするためにも欠かせないルーティンになっています。

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