創意工夫で切り拓く食品OEMの未来――グローバル展開を加速する挑戦

株式会社ジェーケー・コーポレーション 常務取締役 川嶋 一彰氏

株式会社ジェーケー・コーポレーションは、食品製造業を軸に国内外へと事業を広げる企業です。業務用デザートのOEM(他社ブランドの製品を自社工場で製造すること)を中心に、顧客ニーズに寄り添った商品開発と供給体制を強みに成長を続けています。本記事では、川嶋一彰氏に、事業の特徴や経営観、組織づくり、そして今後の展望について詳しく伺いました。

顧客ニーズを形にするOEMメーカーの本質

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社は食品製造業として、業務用のプリンやゼリー、ムースといったデザートを自社工場で製造しています。拠点は名古屋市守山区にあり、外食産業やテーマパーク、ホテルチェーン、スーパー、介護施設、コンビニなど、幅広いお客様とお取引をさせていただいています。

単なるメーカーというよりも、お客様のニーズを実現するパートナーとしての役割を担っている点が特徴です。OEMを中心に、商品企画から開発、製造、販売までをグループ・パートナーと連携しながら一貫して対応しており、「何を作るか」から一緒に考えていくスタイルです。

また、自社工場で対応できる商品に加え、グループ会社や協力企業とも連携しています。例えば、プリンやゼリーは自社で製造しながらケーキやタルト、アイスクリームなどはグループ企業で製造するなど、最適な体制で商品を提供しています。

――業界のなかで誇れる強みはどのような点でしょうか。

お客様のご要望に応じて柔軟に対応できる点です。一般的な食品メーカーは、自社ブランドの商品を開発し、それを販売していくスタイルが主流です。しかし当社は、お客様のご要望を可能な限り実現することを前提にしています。

例えば、「このような味にしたい」「こういった見た目にしたい」「この価格帯で実現したい」といった具体的な要望に対して、それを形にしていくのが私たちの仕事です。単に商品を提供するのではなく、課題解決や価値創出まで踏み込んだ提案を行っています。

さらに、食品の国際認証や輸出対応の体制も整えており、すでにアメリカやヨーロッパ、南米への輸出も進めています。日本国内だけでなく、世界に向けて商品を届けていく基盤があることも大きな特徴です。

家業を継承して経営の道へ

――経営者になられた経緯を教えてください。

父が創業した会社を引き継ぐ形で経営に携わるようになりました。前職では自動車メーカーの営業として法人向けの提案営業を行っており、そのなかで社会人としての基礎やビジネスの考え方を学びました。

20代後半というタイミングで家業に入りましたが、外で経験を積んだうえで戻ることができたのは大きかったと感じています。自分なりに「挑戦できる準備が整った」と思えたタイミングでした。

――仕事をするうえで大切にしている価値観は何でしょうか。

一つは、「創意工夫」です。OEMという仕事は、決まったものを作るのではなく、常に新しいものを考え、形にしていく仕事です。そのためには主体性が不可欠で、受け身では成り立ちません。

もう一つは、「働き方」に対する考え方です。食品業界は土日祝日も稼働している企業が多いのですが、当社は基本的に土日祝日は休みで、勤務時間も9時から18時をベースにしています。

この背景には、仕事は人生を豊かにするための手段であり、プライベートの時間や家族との時間も大切にしてほしいという想いがあります。「食に関わる仕事をしたいけれど、働き方に不安を感じている」といったような方にとっても魅力的な環境でありたいと考えています。

若い組織が生み出す成長と挑戦

――組織運営で意識していることを教えてください。

組織としての当社の特徴の一つは、社員の平均年齢が比較的若い点です。工場スタッフや営業を含めても30代前半が中心となっており、エネルギーのある組織だといえます。

そのなかで経営者として大切にしているのは、一人ひとりの個性を活かすことです。得意なことは徹底的に伸ばし、苦手なことは周囲と補い合う――無理にすべてを一人でこなそうとするのではなく、チームとして成果を出すことを重視しています。

苦手なことを無理に続けるとストレスになり、パフォーマンスも上がりません。むしろ、得意な分野で大きな成果を出してもらい、その分野で周囲を支えてもらうこと、その積み重ねが組織全体の力を底上げすると考えています。

また、若いメンバーにも積極的に役割や責任を持たせ、仕事を任せるようにしています。意見があれば挑戦でき、失敗を恐れずに行動できる環境であることが、結果的に組織全体の成長につながると考えているためです。

世界市場への挑戦と新たな価値創造

――現在向き合っている課題について教えてください。

海外展開における対応力です。国によって求められる基準や嗜好が異なるため、それに適応するための知識や経験が必要になります。

現時点では試行錯誤の段階ですが、情報を蓄積しながら改善を重ねていくことで、より適切な商品提案ができるようになると考えています。海外展開における対応力の向上は、当社にとって長期的な視点で取り組んでいきたい課題の一つです。

――今後の展望や挑戦についてお聞かせください。

大きな方向性としては、世界に「メイドインジャパン」を届けることです。すでに海外への輸出は始まっていますが、今後はさらに拡大していきたいと考えています。

ただ、海外市場では文化や価値観、宗教などが異なり、日本のやり方がそのまま通用するわけではありません。たとえば食文化や原材料の制約など、国ごとに対応が必要です。そうした違いを理解しながら、現地のニーズに合わせた商品開発を進めていく必要があります。

また、これまでにない新しい商品開発にも取り組んでおり、特許取得を目指した製品も開発中です。単なるOEMにとどまらず、独自性のある商品を生み出していくことで、さらに価値を高めていきたいと考えています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私たちが大切にしている言葉に、「創意工夫で世の中を豊かにする」というものがあります。創意工夫はあくまで手段ですが、その積み重ねによって新しい価値を生み出し、社会に貢献していきたいと考えています。

自分たちが考え、つくり上げた商品が誰かの喜びにつながる――それがこの仕事の大きな魅力です。これからも挑戦を続けながら、より多くの人に価値を届けていきたいと思います。

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