「居ていい場所」から始まる組織づくり――株式会社aundが描く人と組織の未来
株式会社aund 代表取締役 栗林 陽氏
株式会社aundは、研修事業とファシリテーション事業を通じて、人材育成と組織づくりを支援する企業です。「居ていい場所になる」という理念を掲げ、一人ひとりが安心して力を発揮できる環境づくりに取り組むとともに、企業ごとの課題に寄り添った伴走型の支援を行っています。本記事では、代表取締役の栗林陽氏に、現在の事業内容や起業の背景、経営理念、そして今後の展望について伺いました。
企業に寄り添う、伴走型の人材育成と組織支援
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、大きく分けて研修事業とファシリテーション事業の2つを展開しています。
研修事業では、「PBL(Project Based Learning)」を取り入れた2〜3か月の伴走型研修と、1時間単位で受講できるリアルタイム型の研修を提供しています。主なお客様はSIerやIT企業で、それぞれの企業の課題や状況に合わせた内容を設計しているのが特徴です。
ファシリテーション事業では、短時間のチームビルディング支援に加え、新規事業に取り組む企業へ長期的に伴走する支援も行っています。会議にファシリテーターとして参加し、組織やプロジェクトが前へ進むためのサポートを行っています。
――会社の理念やビジョンについて教えてください。
当社の理念は「居ていい場所になる」です。
この言葉は、起業する際に仲間と話し合うなかで生まれました。「ここに居ていい」と思える場所があれば、人は本来持っている力以上のものを発揮できると信じています。だからこそ、会社そのものが社員やお客様にとって安心できる場所でありたいという想いを、この言葉に込めました。
企業や組織には、一人ひとりに必ず強みがあります。その強みを安心して発揮できる環境づくりを支援し、「居ていい場所」が社会に増えていくことを目指しています。
組織の力を信じて歩んだ起業への道
――経営者になられたきっかけを教えてください。
人材育成や研修業界に携わって約11〜12年になります。当初は、一人ひとりの成長が企業の成長につながるという考えのもと、仕事に取り組んでいました。
大学まで続けてきたサッカーでは、監督が変わることで同じ選手でもチームの強さが大きく変わる場面を何度も経験しました。そのなかで、個人の能力だけではなく、組織そのものを強くすることの重要性を実感するようになりました。
前職ではチームビルディングを支援する新規事業を立ち上げていきましたが、会社の方針変更によって継続できなくなりました。それでも組織開発をより多くの企業に広めたいという想いは変わらず、自ら実現するために起業しました。
――経営者として大切にしている価値観を教えてください。
事業を行う上で大切にしているのは、「良いことをして、正しく対価をいただく」という考え方です。利益を上げることはもちろん大切ですが、それだけを目的にするのではなく、社会にとって価値のあることを続けていきたいと思っています。
Googleが掲げていた「Don’t be evil」という考え方にも共感しており、自分が何のために起業したのかを忘れないよう心がけています。その1つとして、売上の一部を寄付する「1%ルール」にも取り組んでいます。事業を通じて社会に貢献することと、適正な対価をいただくことの両立を大切にしています。
理念でつながる仲間と組織を育てる
――現在の組織づくりで大切にしていることを教えてください。
現在は一人で事業を運営しながら、外部パートナーと連携して仕事を進めています。
今後は事業をさらに拡大していくためにも、営業を担う人材が欠かせません。ただ、採用人数を増やすことが目的ではありません。同じ想いを持った仲間と出会い、一緒に会社をつくっていくことを何より重視しています。
――仲間づくりのために取り組んでいることはありますか。
採用を意識しすぎるのではなく、まずは自分自身が価値観の近い人たちが集まる場所へ足を運ぶようにしています。
現在はワークショップデザインの学校に通いながら、人とのつながりを広げています。同じ学びや想いを共有するなかで関係性を築き、その延長線上で一緒に仕事ができる仲間と出会えたら理想です。「仲間が仲間を呼ぶ」という考え方を軸にしながら、少しずつ組織を育てていきたいと思っています。
ファシリテーションで描く、これからの組織のかたち
――今後の展望について教えてください。
まずは研修事業をさらに成長させ、社員を迎えながら事業の基盤を固めていきたいです。その先には、ファシリテーションを必要とする企業とファシリテーターをつなぐプラットフォームをつくる構想があります。
AIの普及によってジョブ型の働き方が広がり、専門性を持つ人がさらに増えていくと思っています。そうした時代だからこそ、専門家同士が早く「チーム」となり力を発揮できるよう支援する存在が必要になります。そうした仕組みを、5年ほどかけて実現していきたいです。
――さらにその先に描く未来を教えてください。
将来的には、日本だけでなく海外にも展開し、より多くの人や組織にこの考え方を届けていきたいです。
また、ファシリテーションは企業だけでなく、まちづくりにも生かせると思っています。組織づくりやチームづくりを通じて、「居ていい場所」が企業だけでなく地域にも広がっていく、そんな社会をつくっていきたいですね。
サッカーが育んだ、変わらない原点
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休日はフットサルやサッカーで汗を流すことが一番のリフレッシュです。飲みに出かけたり、映画を観たりして気分転換をすることもあります。
大学時代には一般入部でサッカー部に入り、約3か月間ボールに触れず走り続けるという厳しい経験をしました。当時は苦しい時間でしたが、その経験を通して、自分の弱さや苦しんでいる人の気持ちを共感できるようになったことは大きな学びでした。
こうした経験を大切にしながら、これからも多くの人が「居ていい場所」と思える環境づくりにつなげていきたいです。
株式会社aund
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