年齢にとらわれず、次へ挑む――ITとエンタメの経験から新たな事業をつくる
株式会社Will Do Fine-Next 代表取締役 日隈 忠氏
株式会社Will Do Fine-Nextは、2025年9月に設立。もともとフリーランスとしてIT分野で仕事をしていた日隈忠氏が、取引先から法人格を求められたことをきっかけに法人化。現在はテレビアニメーションの制作業務に携わりながら、これまでのITやゲーム開発、役者としての経験を生かした新たな事業の可能性を探っています。本記事では年齢や経歴にとらわれず挑戦を続ける日隈氏に、これまでの歩みや経営で大切にしている考え、今後の展望について伺いました。
法人化を機に、次の可能性へ
――会社を設立したきっかけを教えてください。
もともとは法人化するつもりはなく、フリーランスの個人事業主として活動していました。ただ、知人から紹介された案件に参画するためには法人格が必要だったため、それをきっかけに2025年9月に会社を立ち上げました。
法人化の直接的な理由だけを見れば、必要に迫られた部分もあります。ただ、個人事業主として、自分の裁量で仕事をしながら、やりたいことや実現したいことに取り組める働き方に魅力を感じていました。法人になってからも、その方向性は変えず、前向きに事業を続けていきたいと考えています。
――現在はどのような事業に取り組んでいますか。
現在はテレビアニメーションの制作業務に携わっています。もともとはIT分野で開発の仕事をしており、個人事業主になる前にはゲーム会社の社員として、家庭用ゲーム機のゲームを数タイトル開発した経験もあります。また、現在もタレント、役者として活動しています。
IT、ゲーム、アニメーション、役者という複数の経験があることは、自分自身の特徴だと思います。現在携わっているアニメーション業界は、ITの活用という面でまだ改善できる余地があると感じています。ITに携わってきた立場だからこそ見える課題もあり、そこに新しいビジネスの可能性があるのではないかと考えています。
何歳からでも挑戦はできる
――仕事や経営で大切にしている考えを教えてください。
テレビアニメーションの仕事は、私にとって初めての挑戦です。52歳で制作進行を一から始めることは珍しいと言われますし、実際、日々トライアンドエラーの連続です。すべてが成功するわけではありません。それでも、折れず、腐らずに続けていく。その姿勢を、これからも事業の根幹に置いていきたいと思っています。
その思いは社名にも込めています。「きっとうまくいく、次へ」という意味です。失敗が続いたとしても、成功を信じて次の挑戦へ進む。年齢を理由に諦めるのではなく、50代でもできるということを結果で示していきたいです。
――経営判断では、どのようなことを重視していますか。
案件を受ける際には、まず仕事の安定性を見ています。そのうえで、これまで培ってきた技術職としての強みを残しながら、クリエイティブな力も発揮できる仕事を選んでいきたいと考えています。
もう一つ大切にしているのが、「年齢ではなく人を見る」ということです。年齢を重ねた人には経験から生まれる考えや言葉がありますし、若い人にはエネルギーや突破力があります。どちらかだけを見るのではなく、それぞれの良さをどう組み合わせるかが大切です。年齢や経歴だけで判断せず、人そのものを見ることを意識しています。
人を知り、仲間と進む
――仕事で人と関わる際に意識していることはありますか。
相手の年齢や経歴だけではなく、人間性を見るようにしています。これは役者としての活動から得た考え方でもあります。役者は相手を表現するために、その人が何を考え、どう感じるのかを理解する必要があります。その経験を仕事でも生かし、相手の反応を見ながら、その人がどういうタイプなのかを考えています。営業や取引の場でも、相手を知ることで、どのタイミングで踏み込めばいいのかが見えてくることがあります。現在アニメーション制作の仕事で関わっている代表の方とも、今では飲みに行くほど親しくさせていただいています。
――今後、組織をつくるとしたら、どのような人と働きたいですか。
将来的には人を迎えたいと考えています。ただ、私は代表になっても、自分自身がプレイヤーであり続けたいと思っています。そのため、会社の事業を任せられる人が必要です。
一緒に働きたいのは、単に雇われるという意識ではなく、協業する意識を持ち、任された範囲の中で自ら考えて動ける人です。そういう人がいれば、私はアニメーション制作や役者としての活動にも取り組み続けられます。もし一緒に働く人がタレント活動をしたいのであれば、そちらでも一緒に仕事ができたら面白いですね。
一人の挑戦から、共創の未来へ
――今後の目標を教えてください。
まずは現在のアニメーション制作を続け、自分の名前が作品に載る実績を積み重ねていきたいです。それが今後の営業にもつながると考えています。
一方で、アニメーション制作は時間的な拘束が長く、収入面では課題もあります。そのため短期的には、キャッシュフローを改善するための別の事業や案件も必要です。現在はAIを活用した開発に取り組み、企業の業務上の困りごとを補えるツールや仕組みを提案する事業を検討しています。
特に考えているのが、中小企業の中で属人化している業務を整理するためのサポートです。長年続いてきた仕事のやり方を、いきなり新しいシステムに合わせて変えるのではなく、まずは今あるルールを整理し、構造化する。その内容が見えるようになれば、経営側も改善点を把握しやすくなり、AIに判断を補助してもらうことも可能になると考えています。
中長期では、自分と同じように自ら動けるパートナーを増やし、事業と会社のブランドを広げていきたいです。そして長期的には、人を迎えながら何か一つ、自社IPをつくることを目標にしています。
――最後に、この記事を読む方へ伝えたいことはありますか。
会社という枠だけにとらわれず、働き方や立場を超えて、一緒に何かをつくれる関係を広げていきたいと思っています。どのような働き方であっても、一緒に取り組んでくれるのであれば協力は惜しみませんし、できる限り並走したいです。
私の考え方や人柄を知って、「一緒に何かをやってみたい」と思ってくださる企業や個人、出資者の方がいれば、ぜひ関わっていただきたいです。ビジネスパートナーというより、共に歩む仕事仲間のような関係を築きながら、一つの大きなことを成し遂げていけたらと思っています。