“夢を諦めきれない大人”へ――マンツーマン講座とオンラインスクールで漫画家を育てるH Projectの挑戦
合同会社H Project 代表社員 ペガサスハイド氏
合同会社H Projectは、“夢を諦めきれない大人”に向けて、漫画家志望者を中心に、大人になってからでも好きなことに挑戦し、それを仕事につなげたい人を支援する「ペガサス大学」を運営しています。マンツーマン講座においては、完全マンツーマンによる指導を特徴とし、代表のペガサスハイド氏が一人ひとりの受講生と直接向き合いながらそれぞれが目指す未来の実現をサポートしています。本記事では、事業に込めた想いやマンツーマン指導へのこだわり、今後の展望などについて伺いました。
目次
“夢を諦めきれない大人”が自分らしい人生を歩むために
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、「ペガサス大学」という漫画家育成スクールを運営しています。コンセプトは、大人になってからでも好きなことに挑戦し、それを仕事へとつなげながら、自分らしい生き方を実現することです。将来的にフリーランスやクリエイターとして活動したい方を支援しています。
私自身が漫画家として活動してきた経験を活かし、現在の事業の中核となっているのが漫画家育成です。そのほかにも、タロット占い学部やマインド学部などを設けています。
――他社との違いや強みはどういった点にありますか。
一番大きな違いは、対象が「夢を諦めきれない大人」である点です。一般的な漫画専門学校は高校卒業後の若い世代を対象にしていますが、当校では20歳以上の方を対象とし、大人になってから新たな挑戦を目指す方を支援しています。
また、ペガサス大学のマンツーマン講座では、授業はすべて完全マンツーマン形式です。一人の講師が複数の受講生を教える形式ではなく、私自身が一人ひとりと向き合って指導しています。著名な講師が看板となり、実際の授業は別の講師が担当するケースもありますが、マンツーマン講座では、私がすべての受講生を直接指導していることも大きな特徴です。
漫画家としての経験が、現在の事業につながった
――経営の道へ進まれたきっかけを教えてください。
もともとは漫画家として活動していましたが、専門学校からお声がけいただき、漫画講師として教えるようになりました。
講師を続けるなかで、YouTubeでも漫画やイラストに関する発信を始めたところ、「教えてほしい」という声を数多くいただくようになりました。当初は心の悩みや人間関係の相談を受けていましたが、次第に漫画に関する相談が増え、「それなら漫画に特化した学校をつくろう」と考えるようになったんです。
最初は個人で相談を受けていましたが、対面で相談できる環境を整えたいという想いから法人化しました。そして、「ペガサス大学」を立ち上げ、現在の事業へとつながっています。
一人ひとりに合わせた指導方法の工夫
――マンツーマン形式にこだわる理由を教えてください。
一番の理由は、漫画を学ぶにはマンツーマン形式の指導が最も適していると考えているからです。約20年間、漫画専門学校で講師を務めるなかで、一人の講師が何十人もの生徒を同時に教える授業では、一人ひとりに十分向き合うことが難しいと感じてきました。
漫画は、一人ひとり描きたい作品が異なります。少年漫画や少女漫画、スポーツ、ホラー、ギャグ、恋愛など、目指すジャンルはさまざまで、同じ授業を受けても全員に必要な内容になるとは限りません。
さらに、作品について話しているうちに、漫画を描き始めた理由や人生経験など、自然と深い相談につながることも少なくありません。しかし、周囲にほかの生徒がいる環境では、本音を打ち明けることは難しいものです。
専門学校で教えていた頃、生徒が最も喜んでいたのは、授業後に個別で作品を見せ、「自分の作品だけを見てほしい」と相談に来る時間でした。だからこそ、一人ひとりとじっくり向き合えるマンツーマン形式が、漫画を学ぶうえで最適だと考えています。
――マンツーマン形式はハードルが高いと感じる方はおられないのでしょうか。
確かに、料金面だけでなく、先生と二人きりで話すことへの心理的なハードルがある方もおられると思います。そこで2026年から、コミュニティアプリを活用したオンラインスクールを開始しました。先生と1対1で話す形式ではなく、作品を提出してフィードバックを受けられる仕組みにすることで、直接会話することにハードルを感じる方でも挑戦しやすく、マンツーマン形式よりも気軽に学べる環境を整えました。
開校からまだ日が浅いものの、多くの方に利用していただき、想定以上の反響をいただいています。新しい学び方として、よいスタートを切ることができました。
受講生の未来を広げる仲間との出会いを目指して
――今後取り組みたいことを教えてください。
現在はマンツーマンの受講生約40名に加え、オンラインスクールでも60名以上の方をサポートしています。特に漫画の指導や作品へのフィードバックなど、重要な部分は今も私自身が担当しています。
オンラインスクールという新たな挑戦もよいスタートを切ることができましたが、今後さらに多くの方に学びの機会を届けるためには、役割を分担できる体制づくりも必要だと考えています。
――現在の課題は何でしょうか。
一番の課題は、私しか対応できない仕事が多いことです。漫画を描けることと教えられること、その両方を備えた人材は多くありません。そのため、一緒に取り組める仲間と出会うことが今後の課題だと感じています。
――今後、どのような方とつながっていきたいと考えていますか。
漫画を理解し、教育にも携われる仲間と出会いたいと思っています。また、出版社や編集者の方とのつながりも広げていきたいですね。私は漫画家・クリエイターの立場ですので、出版社とのネットワークを広げることで、受講生が作品を見てもらえる機会をつくり、漫画家を目指すうえでの可能性をさらに広げられたらと考えています。
好きだからこそ続けられる仕事
――最後に、仕事を続ける原動力を教えてください。
「趣味が仕事、仕事が趣味」という働き方が私の理想です。受講生の都合に合わせて授業を行うため、まとまった休みはほとんどありません。それでも好きだからこの仕事を続けられているんです。
受講生と話していると、自分自身も元気をもらえます。今後もオンラインスクールの充実や新たな出会いを通じて、夢を諦めきれない大人たちが挑戦できる環境をさらに広げていきたいです。