正しい情報で子どもの未来を支える――ランドセル選びをもっと豊かな時間に

株式会社エデュスタイル 代表取締役 槙田 美規氏

ランドセル選びは、多くの家庭にとって子どもの成長を実感する大切なイベントです。代表取締役の槙田美規氏は、出版社で編集者として培った経験を生かし、「正しい情報を届けること」を何よりも大切にしてきました。経営者を目指したわけではないという槙田氏が、なぜこの事業を始めたのか、そして今後どのような未来を描いているのかを伺いました。

正しい情報を届けることが事業の原点

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

現在は、ランドセルの販売と、入学準備に関する情報を発信する「ランドセルナビ」の運営を中心に事業を展開しています。ランドセルのインターネット販売が事業の大部分を占めています。

――業界内での強みはどのような点にありますか。

出版社で編集者として長く仕事をしてきた経験があるため、コンテンツ制作には自信があります。商品の紹介や情報を整理して伝えることは、これまで積み重ねてきた経験そのものです。

インターネット上にはさまざまな情報があふれていますが、その中には正確ではないものも少なくありません。だからこそ、できる限り良心的で信頼できる情報を提供することを常に心がけています。それが私たちの強みであり、最も大切にしている姿勢です。

編集者としての想いが経営につながった

――経営者になられた経緯を教えてください。

もともと経営者になりたいと思っていたわけではありません。出版社で編集者として働いていた頃から、子どもを取り巻く社会環境が大きく変化していることを感じていました。私自身が子どもだった頃と比べても、子どもたちにとって決して良い環境とは言えないのではないかと思うようになったのです。

さらに、子育てに関する信頼できる情報を届けるメディアが少なくなり、多くの人がSNSや口コミを頼りに情報を集める時代になりました。本来必要とされる、標準的で大きな間違いのない情報を届ける場が失われつつあると感じ、それを自分で実現したいと思うようになりました。

そこで着目したのがランドセルです。ランドセルは、日本の多くの家庭が一度は経験する大切な買い物です。ランドセルを販売しながら、保護者に向けて正しい情報を届けることができると考え、この事業を始めました。

――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。

どこまでいっても原点は変わりません。全国のお父さん、お母さんに正しい情報を届けることです。その想いが、すべての判断基準になっています。

率直なコミュニケーションが信頼を生む

――組織運営で意識していることを教えてください。

現在は社員という形ではなく、必要に応じて協力してくれる方々と一緒に仕事をしています。また、経営面についてはCFOに支えてもらいながら進めています。私は経営の専門家ではないので、得意な人に任せることも大切だと考えています。

昔から率直に話すことを大事にしています。「言えなかった」と後から言われることが一番つらいですね。どんなことでも遠慮せず話してほしいと思っています。

たとえ場の空気が張り詰めたとしても、お互いに本音を伝え合える関係でなければ、本当の意味でのコミュニケーションは成り立たないと考えています。

――一緒に働く人に求めることはありますか。

価値観を共有できることが何より大切です。また、若い世代ならではの感覚を持ち、今の時代をしっかり感じ取って、それを言葉にできる人と一緒に仕事ができたらと思っています。

AIを活用しながら、人とのつながりも守りたい

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

事業としては、AIをもっと積極的に活用していきたいと考えています。仕入れ以外の事務作業などは、AIが担える部分も多いと感じています。効率化できるところは積極的に取り入れていきたいですね。

一方で、子どもとAIとの関わりについては慎重に考えています。私は子どもの学習支援ボランティアにも参加していますが、高学年になるとAIを自然に使いこなしている子どもたちもいます。しかし、人とのコミュニケーション能力が十分育つ前にAIへ依存してしまうことには危機感を抱いています。最終的には親御さんが子どもとどう向き合うかが重要だと思っています。

また、現在の課題は売上を伸ばすことです。やりたいことを優先してきた部分もあるため、事業として継続していくためには、より多くの方にランドセルを届けていかなければなりません。

日本舞踊と子どもたちとの時間が活力に

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

子どもの頃に習っていた日本舞踊を、年齢を重ねてから再び始めました。ゆったりとした動きに見えますが、実際には体力も筋力も必要で、80代の師匠についていくのも大変です。それでも続けることで心身の健康につながっています。

もう一つの楽しみは、子どもたちに勉強を教えるボランティア活動です。仕事とは別の立場で子どもたちと接する時間は、とても充実しています。

――経営においてこれだけは譲れないという思いがあれば教えてください。

ランドセル選びについては、日本の信頼できるメーカーの製品であれば品質面で大きな違いはありません。だからこそ、好きな色やデザインを選び、その過程を親子で楽しんでほしいと考えています。ランドセルを通して親子のコミュニケーションが深まり、入学前の大切な思い出になるような情報発信をこれからも続けていきたいと思っています。

そして、時代の変化を柔軟に取り入れながらも、「正しい情報を届ける」という創業当初からの想いを変えることなく歩み続けていきます。

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