父の味を守り、マーケティングの力で「なんでんかんでん」の再始動に挑む
LOUPA株式会社 代表取締役 川原 光貴氏
Webマーケティング支援を展開しながら、ラーメン店「なんでんかんでん」の再始動に取り組む川原氏。父が築いた味と名前を残したいという思いから、これまで培ってきたマーケティングの経験を活かし、新たな事業の形を模索しています。今回の取材では、現在の事業状況や事業を引き継いだ経緯、外部人材との組織運営、今後の展望について伺いました。
目次
Webマーケティング支援とラーメン事業を2つの柱に
――現在の事業内容について教えてください。
弊社では、主に2つの事業を行っています。1つは、Webマーケティング支援事業です。主な対象は、中小企業や個人事業主など、社内にマーケターがいない小規模な事業者の方々です。外部顧問のような立場で伴走し、オンライン上でどのように認知を高めていくかを一緒に考えています。
もう1つは、父が手がけていたラーメン店「なんでんかんでん」の再始動です。売り上げや利益の規模ではWebマーケティング支援が主力ですが、現在、特に力を入れているのは「なんでんかんでん」の事業です。
――「なんでんかんでん」の事業についてどのように考えていますか。
私は、まず多くの方にラーメンを食べていただき、どのような反応があるのかを確かめたいと考えています。味のレシピは当時のまま残っており、試食会でも、私が子どもの頃に食べていた味を再現できていました。
現時点では、秋頃にスーパー銭湯チェーンへポップアップ形式で試験導入する話が決まっています。また、九州居酒屋でも試験的に提供していただいているところです。
すぐに店舗展開を進めるのではなく、まずは実際に食べていただく機会を増やします。その反応を確認した上で、次の段階へ進みたいです。
父の言葉をきっかけに、飲食事業への挑戦を決意
――これまでのキャリアについて教えてください。
私は、これまでマーケティングの分野で仕事をしてきました。親族には飲食に関わる人が多く、飲食業界そのものは身近な存在でした。ただ、以前は自分が飲食の道へ進むとは考えておらず、別の分野で生きていこうと思っていました。
――「なんでんかんでん」を引き継いだきっかけは何ですか。
きっかけは、父が病気になったことです。「なんでんかんでん」は、多い時期には4、5店舗ほどありました。父が病気になった頃には2店舗ほどを運営していましたが、店舗を監督することが難しくなり、いったんすべて閉じることになったのです。
その後、父から「なんでんかんでんの名前だけでも残してほしい」と言われました。その言葉を受け、私がやろうと決めたのです。そこから、再始動に向けて動き始めています。
――事業を引き継ぐ上で、譲れないことは何ですか。
私が絶対に譲れないのは、味です。飲食を手がけてきた父と、マーケティングに携わってきた私が組み合わさることで、新しい「なんでんかんでん」をつくろうとしています。ただし、味を変えてしまえば、それは「なんでんかんでん」ではありません。
私は、どのように世の中へ発信するかを考えます。味については父が見るという役割分担です。父と私の間では契約も結んでいます。私自身も、味を変えたいとは考えていません。父がつくってきた味を守ることは、この事業を進める上での大前提です。
外部人材の経験を活かした少人数の組織運営
――現在の組織体制について教えてください。
弊社は、私1人で運営しています。Webマーケティング支援事業では、業務委託の方が4人ほどいます。「なんでんかんでん」の事業でも、昔から関わりのある方に協力していただいています。
私は飲食事業の知見を集めるところから始めました。そのため、飲食業界とのつながりや、さまざまな企業へのパイプを持つ方から教えていただきながら、事業を進めています。現在は、それぞれの分野で必要な知見や経験を持つ方に協力していただく形で、2つの事業を運営しています。
――業務委託のメンバーとの関係で重視していることは何ですか。
Webマーケティング支援事業では、経験のある方に業務委託として加わっていただくことを重視しています。そのため、業務委託の方への報酬設定は高めです。
営業活動には、大きな投資をしていません。これまで関わったお客様から別のお客様をご紹介いただく形で仕事が広がり、自分から営業をしなくても事業が回っているためです。現在は営業よりも、実務を担う経験豊富な方への報酬に投資しています。
認知を広げ、事業を支えるパートナーと出会う
――「なんでんかんでん」の事業における現在の課題は何ですか。
一番の課題は、私自身の飲食事業に対する理解がまだ十分ではないことです。どのような場所や企業と相性が良いのか、どこで提供すれば良い反応が得られるのかについて、まだわかっていない部分があります。
将来的には、フランチャイズ展開も考えています。しかし、現時点では本部としての組織やノウハウが整っていません。加盟店を募集する前に、まずはフランチャイズ本部をつくるために協力してくださる企業や個人のパートナーを見つける必要があります。最終的には、直営店も持ちたいと考えています。
――課題の解決に向けて、現在はどのような取り組みを行っていますか。
最初の段階として、できるだけ多くの方の目に触れ、実際に食べていただくことに力を入れています。メディアの取材を受けることも、その取り組みの1つです。「FRIDAYデジタル」に取り上げていただいたことをきっかけに、「Yahoo!ニュース」でも紹介されました。その反響から、「なんでんかんでん」という名前が今も知られていることを確認できました。
スーパー銭湯や居酒屋など、多くの方が訪れる場所で提供することも、認知を広げるための取り組みです。こうした機会を積み重ねることが、次の段階となるパートナー探しにつながると考えています。現時点では利益が出ている事業ではないため、特に時間を投じながら事業の形をつくっています。
人と会い、ラーメンを食べる時間を事業の糧に
――休日はどのように過ごしていますか。
私は、特別に趣味と呼べるものはあまりありませんが、休日は友人と飲みに行ったり、話をしたりして過ごしています。人と会い、会話をする時間が一番のリフレッシュになっています。
また、最近は以前よりも積極的にラーメンを食べに行くようになりました。特に豚骨ラーメンを意識して食べ歩いています。
「なんでんかんでん」は、博多弁の「なんでもかんでも」という名の通り、いろいろな美味しい食べ物があって、最後に食べる締めのラーメンが格別に美味しいという、福岡によくある「博多ラーメン居酒屋」のスタイルを意識したお店です。
私自身、さまざまな店を訪れて実際に食べることで飲食事業への理解を深めながら、父が築いた味とこの魅力的な文化を守り、広げていきたいと考えています。
これからも福岡の居酒屋とラーメン文化を多くの方に届けられるよう、「なんでんかんでん」の新たな形をつくっていきます。この「なんでんかんでん」復活の取り組みに少しでもご興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください!