DX成功の鍵は「超上流」にある――株式会社スナップライズが伴走する本質的な業務改革
株式会社スナップライズ 代表取締役CEO 大田 努氏
DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が叫ばれる一方で、多くの企業ではシステム導入が思うような成果につながらないという課題を抱えています。株式会社スナップライズは、システムを導入すること自体を目的とするのではなく、企業が抱える本質的な業務課題を明らかにし、最適な解決策へ導く「超上流工程」のDXコンサルティングを手掛けています。今回は代表取締役の大田 努氏に、事業の特徴や経営への思い、今後の展望について伺いました。
DX成功の鍵は、システム導入前の「超上流工程」
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、中堅・中小企業を中心に、製造業や製造サービス業のアフターサービス分野におけるDXコンサルティングを行っています。特にシステムを導入する前段階である「超上流工程」に重点を置き、お客様の業務課題を整理し、最適なシステムや進め方を一緒に考えることが主な役割です。
業務課題を分析した上で、どのような仕組みが必要なのかを整理し、その後に適したパッケージやシステムを選定します。必要に応じて導入まで伴走し、お客様が安心してDXを進められるよう支援しています。これまでに200件以上の案件対応・提案を行い、120社/1,150サイトの導入を支援してきました。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
多くの企業では、システムやパッケージの選定から話が始まります。しかし本来は、その前に「何を解決したいのか」「どのような業務を目指すのか」を明確にすることが重要です。
私は特定の製品を販売する立場ではなく、中立的な第三者として企業を支援しています。そのため、業務に最適なSaaSの活用や業務改善につながるAIの導入、あるいはテンプレートを使った個別開発など、さまざまな選択肢の中から最適な方法を提案できます。
また、システム導入前に、新しいシステムが導入された後の全体像を可視化した「グランドデザイン」を作成し、経営層と現場の認識を一致させることも重視しています。目的や業務の流れを共有した上でプロジェクトを進めることで、導入後の定着につながりやすくなります。
豊富な経験を活かし、日本企業の力になりたい
――独立されたきっかけを教えてください。
会社員時代は、IT部門として、大手製造業の総額数十億円規模の基幹システム刷新プロジェクトを牽引しました。また、そこで培った技術・知識をもとに、さまざまなお客様へのシステム導入も行ってきました。ユーザー企業側の立場と、システムインテグレーションを行う立場の両方を経験できたことは、自分にとって大きな財産になっています。
50歳を過ぎた頃から、自分のこれからの人生について真剣に考えるようになりました。自分で進む道を決め、決断をし、新しいことに挑戦したいという思いが強くなっていきました。
バブル時代の活気ある日本を知っているからこそ、もう一度、日本企業が元気を取り戻すために少しでも貢献したい。その思いが独立の原動力になっています。
――経営判断で大切にしていることを教えてください。
これまで事業統括責任者として数多くの意思決定を経験してきたため、判断そのものに迷うことはあまりありません。
一方で、限られた時間をどう使うかが非常に重要です。最新のビジネス/技術情報なども日々収集していますが、すべてに手を広げるのではなく、「何をやらないか」を意識して判断しています。
必要に応じて同業の経営者にも相談し、客観的な意見を取り入れながら、自分自身が本当に取り組むべきことを見極めるようにしています。
人の強みを見つけ、最大限に伸ばす
――組織づくりで大切にされていることはありますか。
現在は社員を大きく増やす予定はありません。人が増えればマネジメントも必要になり、品質を保ちながら、自分が本来やりたい仕事に十分向き合えなくなる可能性があるためです。
その代わり、パートナーとの連携を広げながら、柔軟な体制づくりを進めています。また、AIの進化によって一人でもこれまで以上の成果を出せる環境が整いつつあると感じています。
――これまで部下を育成する中で意識されてきたことを教えてください。
まずはその方がどのような人なのかを理解することを大切にしてきました。そして、一人ひとりが持つ強みを見つけ、その強みを伸ばせる環境を用意することを心掛けています。
弱みを補うことも必要ですが、それだけでは大きな成長にはつながりません。本人の得意分野を活かせる仕事を任せることで、自信を持ち、さらに成長していく姿を数多く見てきました。
そのためにも、日頃から一対一で話す機会をつくり、双方向のコミュニケーションを大切にしてきました。
DXの羅針盤として企業価値向上に貢献したい
――今後の展望について教えてください。
これまで培ってきた経験を活かし、DX顧問として企業を継続的に支援する仕事をさらに広げていきたいと考えています。
それぞれの企業が抱える課題に合わせて最適な解決策を提案し、「DXプロジェクトの羅針盤」として伴走していきたいと思っています。
そのためには、AIをはじめとした新しい技術やソリューションについて学び続けることも欠かせません。企業ごとの課題に寄り添いながら、システム導入だけでなく、その先の定着や顧客価値向上まで支援できる存在を目指しています。
――最後に、これからも大切にしていきたい思いをお聞かせください。
会社を立ち上げた原点や、「なぜこの仕事をしているのか」という初心は、これからも忘れずにいたいと思っています。
いまの私にとって、仕事そのものが趣味であり、生きがいでもあります。多くの人と出会い、企業の課題解決に携われることに大きなやりがいを感じています。
一社一社の企業価値向上に貢献することが、結果として日本全体の元気を取り戻すことにつながれば、それほど嬉しいことはありません。