イタリアワインを通して、人と人とのつながりを育む――BELLO TECCHIOが届ける「ワインから始まる、新しいつながり」

BELLO TECCHIO株式会社 代表取締役 オッセルヴァンティマッテオ・オッセルヴァンティ絵莉香氏

BELLO TECCHIO株式会社は、イタリアから厳選したワインを輸入し、飲食店や酒販店・問屋などへの卸売を中心に、ECサイトを通じた一般のお客様への小売も行っている会社です。同社が大切にしているのは、単に「良いワイン」を輸入することだけではありません。飲食店の現場で使いやすく、料理と合わせやすく、そしてお客様におすすめしやすいワインを届けること。イタリアの食文化を日本に伝えながら、ワインを通じたお客様とのつながりを大切にする同社。本記事では、オッセルヴァンティ絵莉香氏に、事業への思いや経営で大切にしていること、今後の展望について伺いました。

レストランで使いやすい、味と価格のバランスを追求

――現在の事業内容について教えてください。

イタリアのワインを現地から直接輸入し、日本国内で販売する事業を行っています。

主力となるのは卸売事業で、イタリアンレストランをはじめとする飲食店や、イタリアの食材・ワインを取り扱う専門商社・問屋などへワインを卸しています。

また、一般のお客様向けの小売事業にも取り組んでおり、ECサイトを通じてワインを販売しています。

取り扱う商品はワインだけにとどまらず、オリーブオイルやチーズなど、イタリアンレストランの料理やサービスに欠かせない食材も取り扱っています。

イタリアのワインや食材を日本の飲食店へ届けることで、現地の食文化や造り手の想いを伝えながら、レストランのワインメニューづくりや新しい提案にもつながる商品を提供しています。

――取り扱うワインについて、どのような点を重視していますか。

ワインセレクションの特徴は、レストランで使いやすい価格帯のワインを豊富にそろえていることです。

非常にリーズナブルなワインだけではなく、かといって、特別な機会にしか注文されないような高価格帯のワインでもない。その中間から少し上の価格帯を中心に、日々のレストラン営業で取り入れやすいワインを選んでいます。

また、価格だけを基準にするのではなく、料理と合わせやすい味わいであることも重要なポイントです。食事を邪魔せず、料理の魅力を引き立てる、きれいでバランスの取れた味わいのワインを多く取り扱っています。

「安いから選ぶ」「高品質だから選ぶ」という単純な基準ではなく、価格と品質、その両方のバランスが取れていること。

それが、BELLO TECCHIOが飲食店向けのワイン選びで大切にしている考え方です。

マッテオとイタリアワインとの出会い――二人で始めた会社

――会社を始められたきっかけを教えてください。

会社を始めた一番のきっかけは、夫のマッテオです。

マッテオは以前からワイン業界で仕事をしており、独立する前から、マッテオを信頼してワインを購入してくださるお客様がいました。「マッテオだから買う」と言ってくださるお客様がいたことは、会社を立ち上げるうえで大きな支えになりました。

マッテオ自身にも以前から独立したいという思いがありました。前職で会社の経営や仕事の進め方を見ていく中で、「自分たちなら、もっと良い形でできるのではないか」という思いも次第に強くなっていったそうです。

そんなマッテオに、私が「だったら、自分たちでやってみたら?」と背中を押したことが、会社を始めるきっかけの一つになりました。

私自身は、オーストラリアのメルボルンとシドニーに約8年間住んでいました。現地の専門学校でインテリアデザインを学び、その後、デザイナーとして活動しています。

オーストラリアではワイナリーも比較的身近な存在で、友人たちとワインを楽しむ機会も多くありました。そうした環境の中で、自然とワインに触れる機会が増えていったことも、現在の仕事につながっていると思います。

――イタリアワインを通して、どのようなことを届けたいと考えていますか。

マッテオはイタリア中部、トスカーナ州の出身で、日本に来て約13年になります。

もともとは日本の文化や日本語を学ぶために来日しましたが、その後、ずっとワイン業界に携わってきました。

マッテオ自身、仕事を通じて、自分が生まれ育ったイタリアの文化をもっと日本の方に知ってもらいたいという思いを持っています。

イタリアには、家族や友人、仲間と一緒にテーブルを囲み、食事とワインを楽しむ文化があります。家族とのつながりをとても大切にする国でもあります。

私たちは、ワインを飲む機会が増えることで、単に「お酒を楽しむ」だけではなく、食事を囲む時間が生まれ、そこから家族や友人、そして人と人とのつながりが深まっていけばいいと考えています。私自身も、BELLO TECCHIOを始めたことで、本当にたくさんの方とのつながりが増えました。

ワインを通して、イタリアの食文化や、人と人が一緒に過ごす時間の豊かさを日本にも伝えていきたい。それが、BELLO TECCHIOの大切にしていることの一つです。

売って終わりではなく、お客様とのつながりを大切に 

――お客様との関係づくりでは、どのようなことを大切にしていますか。

私たちは、ワインを売って終わりではなく、そこから続いていく関係を大切にしています。

お客様とは、単なる取引先という関係ではなく、友人のように長くお付き合いできる関係を築いていきたいと思っています。

一緒にイベントを開催したり、イタリアのワイナリーの方が来日した際には、ワインを紹介しながら料理とのペアリングを楽しんでいただく「メーカーズディナー」を開催したりしています。

試飲会への参加はもちろん、自社で試飲会を開催するなど、お客様に実際にワインを味わっていただく機会も積極的につくっています。

また、一定の条件を満たしたお客様を対象に、イタリアのワイナリーツアーも開催しています。私たち自身が同行し、実際にワイナリーを訪れて、生産者と直接交流していただく機会を提供しています。

現在、約300店舗のお客様とお取引がありますが、規模を追うだけではなく、一つひとつの出会いを大切にしながら、長くお付き合いできる関係を築いていくことを大切にしています。

――経営において大切にしていることは何でしょうか。

アイデアが浮かんだら、まず動いてみる。そうした実行力は、私たちの強みの一つだと思います。

二人で時間をかけて綿密な計画を立ててから動くというよりも、「面白そう」「やってみよう」と思ったら、まず行動してみる。これまでの会社づくりも、そうした直感と行動力の積み重ねで進んできました。

もちろん、これから会社をさらに成長させていくためには、これまで以上に戦略的に経営を考えていく必要があると感じています。

それでも、ここまでBELLO TECCHIOを続けてこられたのは、これまで私たちを信頼してついてきてくださったお客様、そして新しく出会い、つながってくださるお客様のおかげです。

ワインを通じて生まれた一つひとつのご縁に、心から感謝しています。

人の力を大切にしながら、AIで業務を効率化

――現在、組織づくりで課題に感じていることはありますか。

まずは、営業人材を増やしたいと考えています。

人とコミュニケーションを取ることが好きで、ワインが大好きで、何より情熱を持って営業できる方と出会いたいですね。

ワインや営業の経験に加えて、イタリアワインやイタリア語にも詳しいとなると、どうしても人材は限られてきます。そのため、現在は営業人材の採用が大きな課題の一つです。

現在は、正社員3名を含む5名で事業を運営しています。今後は毎年1~2名ずつ社員を増やしながら、少しずつ会社の規模も大きくしていきたいと考えています。

――AIの活用については、どのように考えていますか。

これからは、AIも積極的に活用していきたいと思っています。

特に、データ入力や事務作業など、仕組み化・自動化できる業務については、できるだけ効率化していきたいです。そうすることで、スタッフが時間をかけるべき仕事に、より集中できる環境をつくっていきたいと考えています。

一方で、営業については、これからも人と人とのコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。

ワインの提案は、商品のスペックや価格だけではなく、お客様の料理やお店のコンセプトを理解したうえで、「このワインなら合う」と提案することが重要です。そうした細かなコミュニケーションや信頼関係は、やはり人にしかできない部分だと思います。

だからこそ、AIに任せられるところはAIに任せ、人にしかできないことには人が時間を使う。

効率化と、人にしか生み出せないつながり。その両方を大切にしながら、これからのBELLO TECCHIOをつくっていきたいと考えています。

取り扱うワインを広げながら、会社も次のステージへ

――今後、どのような事業展開を考えていますか。

イタリアには、まだ取り扱っていない州や地域のワインがたくさんあります。

お客様の中には、カンパーニャなど、現在は取り扱っていない地域のワインを好む方もいるので、お客様の要望に応えられるよう、少しずつ取り扱いの幅を増やしていきたいと考えています。

私たちは年に1~2回ほどイタリアのワイナリーを訪問しています。また、「vinitaly」や「Buyers Summit」などのイタリアのエクスビジョンに参加し、現地の生産者と直接話をしながら、新しいワインを探しています。

たくさんのワインがある中で、単に珍しいものを選ぶのではなく、価格と品質のバランス、市場性やお客様のニーズなど、さまざまな要素を総合的に考慮したうえで、「これを日本のお客様に届けたい」と自分たちが思えるワインを見つけることを大切にしています。 

これからも、取り扱うワインの幅を少しずつ広げながら、BELLO TECCHIOとして提供できる価値も増やしていきたいと思っています。

家族との時間が、日々のリフレッシュに

――休日のリフレッシュ方法を教えてください。

1歳半の子どもがいるので、休日は一緒に公園へ行ったり、おいしいものを食べに行ったりして過ごしています。先日は赤井川に行って、川遊びをしてきました。仕事から離れて、家族とゆっくり過ごす時間が、何より良いリフレッシュになっています。

また、お客様と仲良くなり、お客様やそして近所のご家族や友人もお誘いして、一緒にホームパーティーをすることもあります。そのときはもちろん、ワインと手作りのピッツァ、そしてイタリアのおばあちゃん直伝の料理でおもてなしします。

そうした時間を過ごす中で、ワインという商品を通じて出会った方々と、仕事だけではない関係を築いていけることは、BELLO TECCHIOを続けている大きな魅力の一つだと感じています。

これから会社が大きくなっていっても、こうした人と人とのつながりは大切にしていきたいと思っています。

お客様との関係を大切にしながら、変化を恐れず、柔軟に新しいことへ挑戦していく。

それが、これからのBELLO TECCHIOが目指していきたい姿です。

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