AI時代のキャリアに寄り添い、一人ひとりが挑戦できる社会を目指して
特定非営利活動法人キャリアキャンパス 代表 髙橋 直也氏
就職活動や働き方を取り巻く環境は、時代とともに大きく変化しています。特定非営利活動法人キャリアキャンパスは、学生や第二新卒を中心に、一人ひとりのキャリア形成を支援するNPO法人です。設立の背景には、髙橋直也代表自身が就職活動を経験する中で感じた課題と、「もっと寄り添える支援が必要ではないか」という強い思いがありました。今回は、法人設立の経緯や理念、組織づくり、そしてAI時代を見据えた今後の展望について伺いました。
目次
就職活動の経験から生まれたキャリア支援への想い
――設立の背景について教えてください。
私自身、就職氷河期の時代に就職活動を経験しました。情報系を学んでいたこともあり、就職活動で極端に苦労したわけではありませんでしたが、周囲には就職活動に悩み、苦しんでいる友人が数多くいました。当時は就職活動が原因で命を絶つというニュースもあり、「自分にできることはないか」と考えたことが、すべての始まりです。
学生時代から就職活動の相談に乗るようになり、その後は企業でリクルーターや人事として新卒採用に携わりました。さらにキャリアコンサルタントの国家資格を取得し、多くの学生や社会人のキャリア支援を続けてきました。その経験を、より広く社会に還元したいと考え、2023年2月に特定非営利活動法人キャリアキャンパスを設立しました。
――現在はどのような事業を行っていますか。
現在は学生を中心にキャリア支援を行いながら、インターンシップにも力を入れています。
一時期は約80名の学生が参加し、開発やマーケティングなど、それぞれが挑戦したいテーマに取り組んできました。現在は第二新卒など、キャリアに迷いを抱える若い世代への支援も視野に入れながら活動を進めています。
行政や人材紹介では補えない「寄り添う支援」を目指して
――理念やビジョンについてお聞かせください。
キャリア支援を行う機関は数多くありますが、人材紹介会社や行政機関とは異なる立場だからこそできる支援があると考えています。
NPO法人には行政の足りない部分を補う役割があります。だからこそ、お金や採用ありきではなく、本当にその人にとって必要なアドバイスや支援を届けたいんです。
また、学生だけではなく、障害のある方や女性、シングルマザーなど、人生のさまざまな場面でキャリアに悩む方々にも寄り添える存在になりたいと思っています。
私自身が目立ちたいわけではありません。「キャリアキャンパス」という場所が、キャリアを学び、実践し、お互いに支え合えるプラットフォームとして広がっていくことを目指しています。
――大切にしている価値観を教えてください。
法人として大切にしているのは「互助の輪」です。
これまで支援した学生が次の世代を支える。そのような循環が生まれる仕組みをつくりたいと思っています。他人を支援することは、自分自身の幸せにもつながると考えており、その価値を広げていきたいですね。
主体性と好奇心を育てる組織づくり
――組織運営で意識していることは何でしょうか。
現在は11名体制で活動しています。
日頃から意識しているのは、相手への気遣いと心理的安全性です。安心して挑戦できる環境があってこそ、新しい発想や行動が生まれると思っています。私自身も研究開発を行う中で、心理的安全性について学び続けています。
――一緒に活動する仲間にはどのようなことを求めていますか。
一番大切なのは好奇心です。
キャリアキャンパスでは、学生自身が「やりたい」と思ったことに挑戦してもらい、それを私たちがサポートする形を取っています。企業やマーケティング、開発、人事、地方創生など、興味のある分野に取り組みながら、自分の将来につながる経験を積んでもらっています。
主体的に挑戦する人ほど、この環境を活かせると思っています。一方で、無理にやらせることはしません。本人が自分の意思で挑戦することに価値があると考えているからです。
AI時代だからこそ、人と人との関わりが重要になる
――今後の展望について教えてください。
今後は、学生だけでなく第二新卒を含めた若い世代への支援をさらに強化したいと考えています。同じ志を持つ人たちが情報交換し、お互いに刺激を受けながら成長できるコミュニティをつくっていきたいですね。
もう一つ取り組みたいのが、AI時代の働き方に関する研究です。
私は現在、AIを専門分野として研究や実務にも携わっています。今後2〜3年でAIによって働き方は大きく変わると考えています。人間の仕事は、人との関わりやAIが出した答えを判断・承認する役割へと変化していくでしょう。
だからこそ、人と人がどのように働き、組織としてどうあるべきかを改めて考える必要があります。心理的安全性だけではなく、人がより良く働き、幸せになれる仕組みを研究し、社会へ発信していきたいと思っています。
NPO法人だからこそできる第三の居場所として、新しい働き方やキャリアのあり方を提案していける存在を目指しています。
学び続けることが、最高のリフレッシュになる
――最後に、休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。
読書をしたり、猫と過ごしたりする時間は好きですね。最近はバスケットボールをする機会は減りましたが、今でも趣味の一つです。
また、英語やヨガ、ジム、ボイストレーニングなど、新しいことにも積極的に取り組んでいます。普段の仕事とは違う脳を使うことで、良いリフレッシュになっています。
そして何より、双子の子どもたちと過ごす時間が一番の癒やしです。以前は猫と過ごす時間が中心でしたが、今は子どもたちと一緒に過ごす時間が何より大切な時間になっています。
キャリアに悩む人が、自分らしい一歩を踏み出せる場所をつくりたい――その思いを胸に、これからも挑戦を続けていきます。