経営・テクノロジー・人をつなぎ、企業が自ら変わる力を育てる――スリーピースの伴走型支援

スリーピース合同会社 代表社員 澁川 豊洋氏

スリーピース合同会社は、経営支援、人材開発、生成AI活用支援、DX支援、ITコンサルティングを通じて、経営・テクノロジー・人の「つなぎ目」で止まる課題を、構想だけでなく実装と定着まで支援する会社です。システムだけに焦点を当てるのではなく、経営や人事、業務とテクノロジーを横断して考え、企業のなかに「自ら変わり続ける力」を生み出すことを目指しています。本記事では、代表の澁川豊洋氏に、事業の特徴や会社設立の背景、支援で大切にしていることなどについて伺いました。

経営・テクノロジー・人を横断し、課題を解決する

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社は、当社は、経営支援、人材開発、生成AI活用支援、DX支援、ITコンサルティングの5領域を中心に、課題の整理から実装、社内への定着まで一貫して支援しています。私はもともとエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後、東証プライム上場企業、ベンチャー、スタートアップでCTO・CHROを含めたCxOを歴任し、複数社のIPO、M&A後のPMI、全社横断のAI・DX推進、新規事業開発、人事制度設計、組織改革などに携わってきました。現在も上場会社の役員として関わっています。

そうした経験のなかで感じてきたのは、DXや業務効率化はシステムだけを変えてもなかなか実現しないということです。経営には人・モノ・金・情報が密接に関係しています。だからこそ、ITだけではなく、人事や経営、実際の業務まで結びつけながら課題を解決していくことを事業の軸にしています。

――会社を設立された背景を教えてください。

さまざまな会社でDXや業務変革に携わるなかで、課題が専門領域同士の「つなぎ目」で止まってしまう場面を何度も見てきました。経営者はDXを進めたい、情報システム部門は新しいツールを導入する、人事部門は制度や研修を整える、などそれぞれが自分の領域では正しいことをしていても、横断してつなぐ人がいなければ、施策が点のままになってしまいます。

当初は副業に近い形で始めましたが、相談を受ける機会が増え、自分が培ってきた経験を所属企業だけでなく、より幅広い企業のために活かしたいと考えるようになり、法人として責任を持ち、適切な支援を提供したいという想いもあって会社を設立しました。

自ら変わり続ける企業を目指して

――「スリーピース」という社名には、どのような想いが込められていますか。

経営・テクノロジー・人という3つの要素をつなぐ意味に加えて、実はほかにも想いがあるんです。一般的なピースサインは2本指ですが、私たちが関わることで、そこにもう1つ、プラスアルファの価値や幸せを加えたい――その想いを「スリーピース」という名前に込めました。

単にサービスを提供するだけではなく、関わった企業や人に、それまでにはなかった新たな価値を感じてもらえる存在でありたいと思っています。

――企業理念や支援において大切にしていることは何でしょうか。

大切にしているのは、企業のなかに「変わる力」をつくることです。現在はAIをはじめ便利な技術がありますし、外部には優秀な人材もたくさんいます。ただ、自分たちの会社だからこそ、自分たちの力で変え、成長させていける状態をつくることが重要だと考えています。

そのため当社では、完璧な資料を渡して終わり、一般論に基づいて制度を設計して終わりという支援は目指していません。「経営」「テクノロジー」「人」をつなぎ合わせ、企業自身が継続的に成長できる仕組みをつくり、そこで働く人たちも自分たちらしい成長を選べる状態をつくるところまで重視しています。

現場経験を活かし、企業に寄り添う伴走型の支援

――ご自身の強みは、どのようなところにあると考えていますか。

私たちの強みは、複数社の経営・テクノロジー・新規事業開発に関わってきた経験を、現場での実装までつなげられることです。提案する人と実行する人を分けず、必要に応じて課題整理、制度設計、システム導入、運用定着まで直接関わります。

例えばDXでは、業務を書き出して「ここを効率化しましょう」と考えるだけでは十分ではありません。実際の業務では、人がその場に応じてさまざまな判断をしており、そうした見えにくい部分まで可視化しなければ、本当の意味での自動化にはつながらないと考えています。

このように、実務経験があるからこそ、表面的な業務だけでなく、その背景にある判断まで捉えられることが強みです。

また、別の法人ではカウンセリングやキャリアコーチングにも携わっています。私の知識や経験を一方的に押しつけるのではなく、その会社で働く人や目指す方向に寄り添いながら、状況に応じて柔軟に支援することを大切にしています。

制度や仕組みを整えるだけでなく、そこで働く人がどう受け止め、どう行動を変えるのかまで見ることが変革を定着させるうえで欠かせないと考えているからです。

――案件を受ける際に意識していることはありますか。

最も大切にしているのは、お客様と一緒に課題へ向き合い、企業自身が変わっていけるところまで伴走できるかどうかです。案件をお受けする際は、当社が実装まで責任を持つことに加え、お客様の経営者や現場責任者にも意思決定へ参加いただき、同じ方向を向いて進められるかを大切にしています。成果を一時的なものにせず社内に知識と判断基準を残すためです。

仕組みやシステムをつくっても、最終的に運用し、会社を変えていくのはお客様自身です。中途半端に関わり、中途半端な状態で終わらせるのではなく、同じ方向を見ながら課題解決に取り組めることを重視しています。

一人の力ではなく、掛け合わせによって生まれる価値

――仕事のやりがいや、経営をするうえで大切にしている価値観を教えてください。

自分が何かに携わることで感謝してもらえたり、「頼ってよかった」と思ってもらえたりすることが、一番のやりがいです。個人的な働く意義にもつながりますが、私は人の笑顔が好きなんです。

もちろん、それも見方を変えれば自分自身の欲求かもしれません。それでも、自分の仕事によって誰かが喜んでくれることは、仕事を続ける大きな原動力になっています。

――そうした価値観は、どのように培われたのでしょうか。

学生時代にハンドボールをしていた経験が大きいと思います。チームで何かを成し遂げる過程で、自分にできないことを誰かに補ってもらったり、反対にチームに足りない部分を自分が補ったりしてきました。そうした経験から、一人の力だけではなく、それぞれの力を掛け合わせることを大切にするようになりました。

今であれば、人だけでなくAIなどを活用することで、一人ひとりの能力をさらに広げられると考えています。個人の力で一点突破すること以上に、さまざまな力が組み合わさることで生まれる相乗効果に可能性を感じています。

――今後、どのような支援を続けていきたいですか。

会社を大きくすることだけを目指しているわけではありません。それよりも、経営・テクノロジー・人を横断する責任者を社内に置くことが難しく、組織変革やAI / DX化の必要性を感じながらも前に進められずにいる企業へ実行力を届けたいと考えています。

仕組みやシステムを提供して終わるのではなく、お客様と一緒に課題へ向き合い、その企業自身が自分たちの力で変革し、成長し続けられる状態をつくることが大切です。

経営・テクノロジー・人をつなぎながら、それぞれの企業とそこで働く人たちが自分たちらしい成長を選べるよう、これからも伴走していきたいです。

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