「結果につなげる」を大切に、不登校の子どもと家族を支える

ウィズサン 代表 松木 真紀氏

不登校に悩む子どもや保護者に向けて、カウンセリングや学習支援を行うウィズサン。単に話を聞くだけではなく、一人ひとりの状況を見ながら、その先の支援につなげていくことを大切にしています。学習面だけでなく、子どもの居場所づくりや家庭への支援にも目を向け、地域に根差した活動を続けています。今回は、代表の松木真紀氏に、事業への思いやこれまでのキャリア、組織づくり、今後の展望について伺いました。

カウンセリングから学習支援まで、一人ひとりに合わせた支援を

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

不登校に悩んでいる保護者の方やお子様に対して、カウンセリングを行っています。また、学習の機会を提供するために学習教室も運営しています。私が一番大事にしているのは、「結果を何かしら出す」ということです。

お話を伺って「そうですか」で終わるのではなく、そこからどのような形で不登校の支援につなげていくのかを大切にしています。特に学習面については、「勉強が遅れてしまっていることが不安」というご家庭が多くあります。カウンセリングと学習教室を別々に考えるのではなく、私自身が話を伺ったうえで、そのお子様には何が必要なのかを考え、学習支援につなげています。

――業界内での強みはどのような点にありますか。

授業をするだけであれば、他の個別指導塾と変わりません。私たちは、お子様だけではなく、ご家族全体に目を向けています。保護者の方がどのような子育てをしたいのかというところまでしっかりお話を伺い、そのうえでお子様への支援を考えています。

また、現在の不登校には、昔とは違うタイプのお子様も増えていると感じています。家から出られないというより、家の中でゲームをしたり、自分の時間を楽しんだりしているお子様もいます。一方で、学校の勉強についていけなくなり、分からないから学校に行かない、学校に行かないからさらに分からなくなるというケースもあります。そうした背景まで見ながら支援することを大切にしています。

教員を志した経験から、不登校支援の道へ

――経営者になられた経緯を教えてください。

大学時代に英語の教員免許を取得しました。ただ、一般の会社に就職し、学校とは離れた分野で仕事をしてきました。その後、ご縁があって個別指導塾に携わるようになったのです。

そこで、不登校のお子様やご家庭と接する機会をたくさんいただきました。その中で、不登校に悩んでいる方が非常に多いことに気づきました。そこで、自分自身が不登校の支援をしようと決意し、ウィズサンを立ち上げました。

――独立してから、不登校を取り巻く環境について感じる変化はありますか。

私自身、娘が不登校を経験しています。その経験もあって、不登校を悪いこととして捉えない、柔軟な考え方ができる世の中になってきたと感じています。

ただ、学校に行かない状態が続く中で、ご両親が仕事に出ていて、お子様が一人で過ごすケースもあります。そういう意味では、子どもが安心して過ごせる「居場所」が必要な時代だと思います。昔のように家に閉じこもっているというイメージだけでは捉えきれない、今の子どもたちの状況を理解することが大切です。

長く関わり、ともに成長できる組織を

――組織運営で意識していることを教えてください。

現在は私一人で事業を行っています。現在は採用活動も進めており、先生を募集しています。

不定期ではありますが、事務のアシスタントをしてくださっている方もいます。もともとうちの生徒さんの保護者だった方で、活動に理解があり、「ぜひお手伝いさせてください」と言ってくださったことがきっかけです。今後は、いずれ秘書としてお願いできればと考えています。

――採用では、どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。

まず、自分も成長したいと思っている人です。皆さん、それぞれいろいろな経験をしていると思いますが、その経験をもとに、これから自分がどうなりたいのかを考えている方と一緒にやりたいと思っています。

また、お子様とは大人になるまで長く関わっていきたいと考えていますので、働く方とも長くお付き合いしていきたいです。短期間だけ関わるのではなく、一緒に成長していける関係をつくっていきたいと思っています。

「学ぶ場所」と「生活を整える場所」を地域から全国へ

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

まず実現したいのは、学習支援と並行して、フリースクールのような居場所をつくることです。ウィズサンでは「もっと勉強したい」というお子様を支え、もう一つの場所では、生活を整えたいお子様を支える。そうした二本立てをしっかり確立したいと思っています。

例えば、ご両親が仕事に出ていて、お子様が一人になってしまうときに安心して過ごせる場所です。まずは地域で形にして、その後は全国にも展開していきたいと考えています。

そして、もう一つ取り組みたいのが「人を育てること」です。私はこれまでマネジメントやコーチングにも携わってきました。事業が大きくなったときに誰かに任せて、自分は別のことに取り組めるよう、人を育てる体制をつくりたいと思っています。若い方や30代、40代の方が責任を持って社会に出ていけるような、大人のための教育やコーチングにも取り組んでいきたいです。

――その実現に向けて、現在向き合っている課題はありますか。

一番大きいのは「場所」です。現在はいくつかの地域のスペースを活用することも検討していますが、最終的には自分たちのしっかりした場所を整えたいと思っています。

そのために、地元の信用金庫や自治体が行っている小規模事業への支援なども活用しながら、地域で形にしていくことを進めています。まずは地元で成功させることに意味があると考えています。

さらに、学習面では、タブレットやパソコンを使って自宅でも学習できるシステムの導入も考えています。学校に戻ろうと思ったときにも、教科書の学習にスムーズにつなげられるような仕組みをつくっていきたいです。

忙しい毎日の中で、自分を整える時間

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

正直なところ、あまり休みを取れていないのが現状です。性格的に、丸一日休みになると「何をしよう」と考えているうちに夕方になってしまうので、予定を一つ入れておくほうが過ごしやすいですね。以前は趣味で武道をしていました。今は少しお休みしていますが、集中することで普段とは違う感覚を得られるので、そういう時間は好きです。

あとは、ぶらぶらすることや、お風呂に入ることも好きです。もう無理だと思ったときはお風呂に入ります。水に浸かっていると気持ちが落ち着きますし、自分を整える時間になっています。

仕事では皆さんに「切り替えが大事」と言っていますが、自分自身は切り替えがあまり得意ではありません。それでも、支援するお子様やご家族にしっかり向き合うためにも、自分自身を整えることは大切だと感じています。

――読者の方へメッセージがあればお願いいたします。

コミュニティがあったらいいなと思います。同じ女性経営者の方や理解のある方と業種交流などできたらいいなと思っております。

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