小学生から数学を先取り――「難しくしない」学びで可能性を広げる神neo学習塾

株式会社神neo学習塾 代表取締役 神吉 忠之氏

株式会社神neo学習塾は、新規では主に小学生を対象に、オンラインを中心とした学習指導を行っています。中学校で学ぶ数学を小学生のうちから先取りし、数学検定の合格を一つの目標に据えている点が特徴です。本記事では、代表の神吉忠之氏に、独自の指導方針が生まれた経緯や組織づくり、今後の展望などについて伺いました。

小学生のうちに数学を先取りし、「できる」を積み重ねる

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

新規では主に小学生を対象に、オンラインで学習指導を行っています。なかでも特徴的なのが、小学生のうちから中学校の数学を先取りして学ぶ指導です。

中学生になると、算数から数学へ変わって学習内容が難しくなるうえ、部活動や定期テスト、ほかの教科の勉強も重なります。数学は一度つまずくと苦手意識につながりやすいため、中学生になって忙しくなる前に、小学生のうちから取り組んでもらいたいと考えました。

また、数学検定の合格を一つの目標にしているのも特徴の一つです。ただ先へ進むのではなく、明確なゴールを持ちながら学び、「できた」という経験を積み重ねてもらうことを大切にしています。

――指導するうえで大切にしていることは何ですか。

とにかく、難しい言葉を使わないことです。難しく考えさせるのではなく、シンプルに理解できる教え方を大切にしています。

教科書に書かれているような丁寧な説明でも、子どもにとってわかりにくければ意味がありません。そのため、できるだけ単純明快に伝えて、「ほら、できたよね」という感覚で先へ進んでもらうことを意識しています。

――小学生への先取り学習を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

当時小学5年生だった息子に、中学校の数学を先取りで学ばせたことがきっかけです。息子と中学受験の算数問題を見たときに、「これだけ難しい問題に取り組むのであれば、中学校の数学もできるのではないか」と考えました。

そこで実際に息子に取り組ませてみたところ、先取り学習を進めることができました。ただ、学ぶだけでは目標がないため、数学検定を一つのゴールに設定したんです。

息子との経験を通じて、小学生でも中学校の数学を先取りできると実感したことが、現在の指導につながっています。

「勉強は楽しく」が原点――塾講師からオンライン塾の経営へ

――現在の教育方針には、どのような想いが込められていますか。

一番大切にしているのは、子どもたちに勉強を楽しく感じてもらうことです。私自身、子どもの頃はとにかく勉強ができず、その経験が今でも強く心に残っています。だからこそ、子どもたちには勉強を嫌なものにしてほしくありません。

私自身が難しいことを好まないからこそ、子どもの目線に立ってシンプルに伝えられる――その姿勢を大切にしながら、楽しく学べる指導を心がけています。

――経営の道に進まれた経緯を教えてください。

もともと塾講師や教室運営の経験がありましたが、一度は教育の現場を離れ、別の業界で15年ほど働きました。しかしその間も、塾をやりたいという想いは持ち続けていたんです。

その想いを実現する転機となったのは、コロナ禍でした。オンラインであれば初期投資を抑えて事業を始められると考え、事業をスタートしました。

裁量を尊重し、子どもと同じ目線に立つ組織をつくる

――社員とのコミュニケーションで意識していることはありますか。

社員とは、上下関係を強く意識することなく、対等な立場で接することを大切にしています。私自身、以前の職場でトップダウンの関係性に違和感があったため、役職を理由に一方的な指示を出すことは基本的にありません。

正社員には、それぞれが担当する生徒の指導を任せ、一定の裁量を持って取り組んでもらっています。各自が一つの教室を運営するようなイメージです。細かな部分まで管理するのではなく、主体性を尊重しながら、定期的なミーティングを通じて必要な情報を共有しています。

――採用する際に重視していることを教えてください。

最も重視しているのは、コミュニケーション力です。知識はあとから身につけられる部分もありますが、子どもと良好な関係を築く力は、指導の質を左右する重要な要素だと考えています。

教える立場になると、どうしても一方的な指導になりがちなため、知識を押しつけて子どもとの間に壁をつくるのではなく、一人ひとりと同じ目線に立ち、信頼関係を築きながら指導できる人材を採用したいですね。

仕組みを整え、学びをさらに広げる

――今後、特に取り組んでいきたいことについてお聞かせください。

今後は、事業をさらに広げていくための体制づくりに力を入れたいと考えています。これまではマンパワーで対応してきた部分も多いため、事務体制やシステムの強化に加え、若い人材の採用や当塾の認知拡大にも取り組んでいきたいです。

現在は、オンライン塾でありながら、課題を終えた生徒の保護者に写真を撮って送ってもらったり、教材を郵送して実際に手を動かしてもらったりと、アナログな部分も残っています。学習に必要な方法は維持しつつ、生徒(保護者)・講師(事務スタッフ)双方の事務作業など効率化できる領域については、プラットフォームの構築も含め、仕組みを整えていきたいと考えています。

――組織を広げていくうえで、課題に感じていることはありますか。

課題は、指導の質を一定に保てる仕組みづくりです。マニュアルは整備していますが、先生によって授業の進め方にばらつきがあるため、それぞれの裁量を尊重しながら、指導のブレを少しずつ減らしていく必要があると考えています。

また、私はすべての業務を一人で抱えるのではなく、得意な人に任せることを大切にしています。役割を適切に分担しながら仕組みを整え、人の力を本当に必要な部分へ注げる組織体制をつくっていきたいです。

――これから貴塾をどのように発展させていきたいですか。

今後は、より多くの子どもたちに学びの機会を届けられるよう、事業を支える体制を整えていきたいです。

オンラインには場所に縛られず学べる強みがある一方で、AIがこれだけ発達しているなか、今後教育がどのように変化していくのかは、しっかり見極める必要があると感じています。だからこそ、事務体制やシステムを整えながら、現在の指導のよさも大切にしていきたいですね。子どもたちが「できた」という経験を積み重ね、楽しく学べる環境をさらに充実させながら、これからも当塾を発展させていきたいです。

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