中小企業のセキュリティ対策を支える――株式会社セキュアオンラインが挑む専門家とのマッチング
株式会社セキュアオンライン 代表取締役 角田 優剛氏
株式会社セキュアオンラインは、サイバーセキュリティに関する情報を発信するメディア事業と、セキュリティ専門家と中小企業をつなぐマッチング事業を展開しています。セキュリティへの意識が高まる一方、専門人材の不足が課題となる中、資格(情報処理安全確保支援士)を持つ専門家と企業を結びつけることで、中小企業のセキュリティ対策を支援しています。本記事では、代表の角田優剛氏に、事業の特徴や経営への想い、今後の展望について伺いました。
セキュリティ情報の発信と専門家のマッチング
――現在取り組まれている事業内容について教えてください。
当社は大きく2つの事業を展開しています。1つ目は、サイバーセキュリティに関する情報を配信するWebメディア「サイバーセキュリティ.com」の運営です。情報漏えいの事例やセキュリティ対策などを発信し、特に中小企業のセキュリティに対する意識を高めていくことを目指しています。
もう1つが、セキュリティ専門家と中小企業をマッチングする「セキュリティエージェント」です。セキュリティに特化したクラウドソーシングのようなサービスで、企業が専門家のサポートを受けられる仕組みを提供しています。
――他社と比較した際の強みはどのようなところでしょうか。
メディアについては、セキュリティに特化したメディアとして、企業の商品を販売するためではなく、情報発信を目的として運営している点が特徴です。セキュリティに関する情報を専門的に扱うメディアは、ほかにはあまりないのではないかと考えています。
マッチング事業では、情報処理安全確保支援士の資格を持つ専門家に登録してもらっています。現在は約300人が登録しており、資格を持ちながら活躍の場を求めている方々とセキュリティ対策に課題を持っている中小企業をつなげられることが強みです。
異業種からの起業、Webの世界へ
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
もともとはセキュリティとは全く違う分野で、大学では海洋土木を学んでいました。卒業後は、建物の基礎などをつくる土木系の会社に就職しています。
20代の頃、結婚して子どもが生まれた一方で、なかなか収入が上がらない状況がありました。そこで、当時流行していたアフィリエイトを知り、「これなら自分でもできるかもしれない」と思ったことがWebの仕事を始めるきっかけになりました。
会社員として働きながら、自分でホームページをつくり、副業として取り組みました。その後、Web広告代理店や制作会社などで経験を積み、2011年にWeb制作やマーケティングの会社を立ち上げました。
――これまでの経営で大変だったことはありますか。
もともと営業が得意だったわけではなく、仕事が紹介中心だったため、仕事量を予測することが難しかったです。仕事が増えたタイミングで人を採用しても、その後に仕事が減ることがあります。会社を大きくしていくタイミングと仕事量のバランスを取ることには苦労しました。
実際に何人か採用して、一時期は7~8人ほどになったこともあります。その後、人に辞めてもらうこともありましたが、なんとか乗り越えて今に至ります。
リモート環境でも接点を増やす組織づくり
――社内コミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
現在は全員がリモートで働いているので、なるべく接点を増やすことを意識しています。何か迷ったときには、Zoomなどを使ってコミュニケーションを取る。オンラインだからこそ、意識して会話する回数を増やすことは大事です。
また、社員同士が比較的近い場所に住んでいるため、時々食事を一緒にする機会もつくっています。働きやすさを考えてリモートという環境にしていますが、直接顔を合わせる時間も大切にしています。
――一緒に働きたいと思うのは、どのような人物でしょうか。
待っているだけではなく、いろいろなことを言ってくれる人がいいですね。「こうしたらもっと会社が良くなるのではないか」「こういうことをやってみよう」といったアイデアを出してくれる人です。
もちろん、提案したことがすべて採用されるわけではありません。それでも、積極的にアイデアを出してくれることは歓迎しています。
中小企業のセキュリティを支える新たな展開
――今後取り組んでいきたいことを教えてください。
今後は、中小企業向けのセキュリティ支援をさらに広げていきたいと考えています。サプライチェーンのセキュリティ対策が重要になる中、「SCS評価制度」という制度も始まる予定です。中小企業にも一定のセキュリティ対策が求められるようになり、今後さらにニーズが高まっていくと考えています。
そこで、セキュリティエージェントに登録している約300人の専門家を活用し、制度に対応したセキュリティコンサルティングやサポートを中小企業へ広げていきたいです。現在も企業から声をかけていただきながら、中小企業向けのセキュリティコンサルティングのプラットフォーム構築を進めています。
――現在の課題についてはいかがでしょうか。
スタッフが少なく、私自身がほとんど動いていることは課題です。今後は、中小企業とのマッチングやサポートに対応できる人材を採用していきたいと考えています。
また、マッチングの仕組み自体も、さらにシステム化していきたいです。人が介在する部分を自動化し、より多くの企業と専門家をつなげられるよう、今後も仕組みづくりに取り組んでいきます。
中小企業のセキュリティ対策を支えられる存在として、これからも専門家と企業をつなぎ、セキュリティ環境の向上に取り組んでいきたいです。
家族との旅行でリフレッシュ
――休日などのリフレッシュ方法を教えてください。
基本的にはあまり休まないのですが、家族と旅行に行くことがあります。3カ月に1回くらいのペースで、温泉などに出かけています。
最近では千葉県内の温泉に行ったり、台湾やバリ、タイなど海外へ旅行したりしています。今後も仕事に取り組みながら、家族との時間も大切にしていきたいですね。
セキュリティを取り巻く環境が変化する中で、専門家と企業をつなぐ取り組みをさらに広げ、これからも新しい仕組みづくりに挑戦していきます。