夢を通じて人と人をつなぐ――夢プラン研究会が育む「家族のような関係」

NPO法人夢プラン研究会 理事長 村上 明美氏

NPO法人夢プラン研究会は、夢を語り合うことを通じて、互いを支え合える人間関係づくりに取り組む団体です。経営者や個人事業主などさまざまな立場の人が集まり、会員同士での営業や契約獲得を目的とするのではなく、相手を尊重しながら交流を深めています。本記事では、理事長の村上明美氏に、活動内容や組織づくり、今後の展望などについて伺いました。

夢を知り、互いを応援できる関係をつくる

――現在の活動内容や特徴について教えてください。

活動の軸としているのは、参加者同士が互いの目標や考えを理解し、支え合える関係づくりです。ドリームボードを作成・発表する機会を設け、夢や目標を共有することで、それぞれの価値観や目指す方向性を理解する場をつくっています。

また、参加者の関心分野に応じて、カラオケやAI、占いなど、複数のサークルを設けています。共通の興味を持つ人同士が継続的に交流することで関係性が深まり、活動への参加を重ねた結果、自然な形で入会につながるケースもあります。

――ほかの団体にはない強みはどういった点にありますか。

一番の強みは、悩みや困りごとも率直に話せる、家族のような信頼関係を築いている点です。一般的な交流会では、自分の苦しい状況を隠しながら付き合うこともあると思います。しかし当団体では、「今、お金がない」「こんな問題を抱えている」といったことも安心して打ち明けられるため、自分を飾らずにいられる場所として機能していると感じています。

また、誰かが困っていれば、対応できる人が自然と手を差し伸べている点も特徴です。私自身も、みなさんから「お母さん」のような存在として見られるようになりました。お父さんやお兄ちゃん、お姉ちゃん、妹、弟がいるような感覚で、それぞれが互いを思いやりながらお付き合いしています。

若い経営者を孤立させないために

――団体を立ち上げたきっかけを教えてください。

若い経営者が一人で悩みを抱え込まず、周囲に相談できる環境をつくりたいと考えたことがきっかけです。

私は29歳から55歳頃まで営業の仕事に携わり、多くの経営者の方から契約をいただいてきました。一方、バブル崩壊後には、300万円や500万円といった負債を抱え、追い詰められた末に自ら命を絶ってしまう若い経営者も目の当たりにしました。

実際に相談を受けていた方が亡くなることもあり、「何か支える方法があったのではないか」という想いが残ったケースもあります。そのため、55歳で営業の仕事を辞めた際に、「これまで経営者の方々に支えていただいた分、今度は私が若い経営者を支える側になりたい」と考え、当団体を設立しました。

――「夢プラン研究会」という名称には、どのような想いが込められていますか。

「お互いの夢を知り、応援し合える仲間を増やしたい」という想いです。夢について聞くと、その人が何を大切にしているのか、どのような方向を目指しているのかが見えてきます。夢をきっかけに相手への理解を深め、横のつながりを築いていきたいと考え、名づけました。

また、活動するうえでは「一心一道」という考え方も大切にしています。それぞれが目指す道は違っていても、互いを思いやり、支え合う気持ちは共有できます。「家族のように相手を大切にしながら、それぞれの道を歩んでいける関係を築いてほしい」という願いも込めています。

「売るための交流」から「支え合う交流」へ

――設立から現在まで、参加者や活動にはどのような変化がありましたか。

設立当初は、会員になった人から契約を取ろうとするような、売上に積極的な経営者も多くいました。ただ、8周年頃から少しずつ参加者の層が変わり、ここ5年ほどで、相手のことを考えて行動する方が増えてきたと感じています。

今では、相手が困っていれば、自分にできることを無償であっても手伝う人も珍しくありません。以前の「自分が儲かればいい」という考え方から、「相手にも利益を得てもらいたい、社会に貢献したい」という方向へ、少しずつ価値観が変化してきたように思います。

――活動を続けるなかで、特に大変だったことは何でしょうか。

10周年頃までは、周年行事をホテルなどで開催し、参加費を1万円に設定していました。「3000円程度で市民会館などを使えばいい」という声も毎年ありましたが、それでも10周年まではホテルで開催すると決めていました。

これは、「1万円を払うこと」自体を目的としていたわけではないんです。「1万円にふさわしい人になろう、それだけの価値を持とう」という想いがあってのことでした。反対する方や離れていく方もいましたが、その方針を続けたことで、現在の落ち着いた関係の構築につながっていると感じています。

「聞き出す」のではなく、「まず寄り添う」

――会員同士のコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。

元気がない人がいても、理由を無理に聞き出さないことです。「どうしたの」と追及するのではなく、まずは普段通りに接し、そばにいる――本人が自分から話し始めたときに、初めて話を聞けばよいと伝えています。

これは、会社でも同じだと思います。落ち込んでいる人に事情を聞くのではなく、「今日は飲みに行こうか」と声をかけて、他愛のない話をするだけでもいいんです。何度かそうした時間を重ねることで、「自分は無視されていない」と感じてもらえるはずです。

――会員同士の交流が、採用や就職につながることもありますか。

はい、実際にそういった事例はあります。発表の場などを通して志や人柄がわかるため、交流を続けるうちに「この人と一緒に働きたい」という関係が自然に生まれるんです。

従業員を求めている会員の仕事を手伝うところから始まり、そのまま就職につながるケースもあります。大切なのは、コミュニケーションと信頼関係です。会社の規模ではなく、「この人のそばで一緒に会社をつくりたい」と思えることが大切だと思っています。

20年、30年と続く団体へ

――今後、どのような団体にしていきたいですか。

一人ひとりとの関係を大切にし、互いに支え合える団体として20年、30年と続けていきたいです。「ここに来れば元気になれる」「自分を飾らずにいられる」「困ったときには相談できる」と感じてもらえる場所を目指しています。

13周年の際には、長く在籍している会員から「ここにいたことが今の自分をつくっている」というお声をいただきました。また、自分自身が成長し、将来は誰かを支え、貢献する側になりたいと話してくださった方もいます。

会員同士が自然に会話を交わし、笑顔になっている姿を見ると、活動を続けてきた意義を感じます。これからも規模を追うのではなく、支えてもらった人が今度は誰かを支える側になれるような関係を育み、長く安心してつながっていける団体にしていきたいです。

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