金融の選択肢を中立に見極め、企業と長く向き合うファイナンス支援

株式会社K WAVE Partners 代表取締役 村木 景子氏

株式会社K WAVE Partnersは、資金調達や企業型確定拠出年金、ウェルスマネジメントなど、企業経営に関わる幅広いファイナンス領域を支援しています。村木氏は、証券業界での勤務や銀行への出向を経て、16年にわたり金融の実務を経験してきました。特定の金融機関の立場ではなく、相談する企業側に立ち、中立的に選択肢を示すことを大切にしています。事業の特徴や経営に至った背景、現在の組織体制、今後取り組みたい金融教育事業について伺いました。

企業側の視点に立ち、ファイナンスの選択肢を中立的に考える

――現在の事業内容について教えてください。

当社のメイン事業は、ファイナンス支援です。資金調達の支援や、企業型確定拠出年金と呼ばれる企業年金の導入および伴走支援、ウェルスマネジメントなど、ファイナンスに関わるアドバイザリー事業を行っています。

基本的には法人向けのサービスです。当社は昨年11月に事業をスタートし、もともとマーケティング事業をしているグループ会社の代表が取締役に入ることで、現在の体制になりました。

――事業の強みはどこにあると考えていますか。

私はもともと金融機関に勤めていました。金融機関にいると、どうしても自社やグループ企業のサービスを中心に提供することになります。しかし、企業にとって本当に必要な選択肢が、それだけとは限りません。

そのため私は、特定の金融機関の立場ではなく中立的に物事を判断することを大切にしています。ご相談いただいた企業から見て、何が最善策なのか考え、最終的に経営判断していただくことが当社の強みです。

日本では、こうした中立的な立場からファイナンス全般を見て助言する存在は、まだ少ないと感じています。

――経営において大切にしていることは何ですか。

私の軸にあるのは「誠実に」という考え方です。昔から曲がったことが嫌いで、真面目な性格が長所ではなく短所だと感じていました。

現在は、その短所が生きるのがファイナンスの分野だと感じています。事業を通し、誰が見ても「その選択肢が一番良かった」と思っていただけるものを提供したいと考えています。目先の利益を優先するのではなく、クライアント企業とは長くお付き合いしていきたいです。

金融機関では、担当者の転勤などによって関係性が変わることがあります。私は一つの企業を長期的に支援し、いつでも頼っていただける関係を築いていきたいと思っています。

家業の経営を通じて感じた、経営における金融知識の重要性

――これまでのキャリアについて教えてください。

2011年から2021年までの10年間、証券会社で勤務していました。その間にグループのメガバンクへの出向も経験しています。証券や銀行での業務を通じて、ファイナンスに関わることを幅広く経験しました。それが現在の仕事の基盤です。

金融の現場で働くなかで、特定の金融機関に属さず、中立的な立場から企業を支援する機能が、日本にはあまりないのではないかと感じるようになりました。そこが現在の事業につながっています。

――経営を意識するようになったきっかけは何でしょうか。

私は大分県の田舎の出身で、180年続く温泉旅館の家に生まれました。子どもの頃には、祖父が旅館のお客様をゴルフ場へ送るのを手伝ったり、客室の布団を敷くのを手伝っていたこともあります。

30年ほど前は繁盛していたのですが、その後、旅館の経営は厳しくなっていきました。その際、地元の銀行から融資を受け、経営を支えていただいた経験があります。

ただ、親族には金融機関に勤めた人が代々いませんでした。そこで私は、経営にはファイナンスの知識が必要だと強く思うようになったのです。

そのため、新卒で金融機関を志望し証券業界に入りました。家業を通じて経営と金融の関係を身近に見た経験が、ファイナンスを学ぶきっかけとなり、自分自身が経営者になる原点になっています。

少人数の組織だからこそ、信頼できる専門家との連携を重視する

――現在の組織体制について教えてください。

当社は、金融機関出身者で構成されているのですが、企業からご相談いただくファイナンスに関わるご要望に応えるためにつくった法人という側面が強いです。

そのため、現時点では大きな組織をつくるというよりは、親しい企業向けに少人数で支援していますが、今後はより多くの企業の役に立ちたいと思っています。

――取締役の方とはどのような関係ですか。

取締役も、私と同じ証券業界の出身です。当社は、より中立な立場を維持するために、すべてを自社だけで完結させようとは考えていません。お客様にとって最善策が選択できるよう、当社だけでなく信頼できる専門家を交え一緒に事業を行っています。

――外部の専門家とはどのように連携していますか。

当社だけですべての領域を完結できるわけではないため、複数の専門家の意見を総合的に判断した上で、適切な協力会社から力を借りています。

経営者だけでなく、従業員にも金融の知識を届ける

――今後、力を入れていきたいことを教えてください。

これまで通り、資金調達をはじめとした企業の課題解決に誠実に取り組んでいきます。その上で、今後は経営陣だけでなく、会社全体にもサービスを届けていきたいという考えです。

現在は、経営側からご相談いただく機会が非常に多くあります。一方で、日本は金融に関してまだ遅れている部分があるという認識です。

企業年金の導入支援では、さまざまな企業を訪問し、従業員の方々とお話する機会もあります。そういった関わりを生かし、金融教育分野への取り組みを増やしていきたいです。

――現在、事業上の課題として感じていることはありますか。

課題はさまざまありますが、当社は自社を大きく発展させるというよりは、ご相談いただく企業の持つ課題を解決し、その企業が発展することが、結果的に当社の発展にも繋がると考えています。

一方で、ファイナンスの分野というのはいくつもの選択肢があり、私たちだけでは解決できない課題もあります。だからこそ、ご相談いただく企業に対し最善策が示せるよう、信頼できる専門家と日々連携を取りながら中立的なアドバイザリー業務を行うことが今後大切にしていきたいテーマです。

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