美と健康の市場に新たな価値を――商品開発とブランド再生
バイオ・テリーン株式会社 代表取締役 上田 雅之氏
バイオ・テリーン株式会社は「美と健康」に関する商材やサービスを、コンサルティングによって伴走支援する企業です。化粧品、健康食品、OTC医薬品の幅広い領域で、商品開発からマーケティング、ブランディング、営業まで携わってきた上田氏。大手化粧品メーカー、外資系大手企業などで培った経験を生かし、新商品の立ち上げだけでなく、伸び悩むブランドの再生にも取り組んでいます。今回は、事業の強みやこれまでの実績、今後の展望について上田氏に伺いました。
目次
「美と健康」を支える、商品開発からブランディングまでの伴走支援
――現在の事業内容について教えてください。
「美と健康」に関する商材やサービスを、コンサルティングによって支援しています。化粧品や健康食品などを中心に、商品をつくるだけではなく、どのように市場に届け、ブランドとして育てていくかまで伴走することが大きな特徴です。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
化粧品と健康食品に加え、OTC医薬品、商品開発からマーケティング、営業まで幅広く経験してきたことが強みです。また、化学の中でも生物化学を専門とし、花王では「ビオレ」の商品開発やマーケティング、日本ロレアルでは日本市場向けのヘアカラーブランド「フェリア」の立ち上げなどを経験してきました。特にロレアルで培ったグローバル・マーケティングの知見は、現在の事業にも生かされています。
企業とともに「つくる」だけでなく「売れる」ブランドへ
――バイオ・テリーンを立ち上げたきっかけを教えてください。
会社を立ち上げたのは令和元年です。もともとは異業種の方から「化粧品事業を立ち上げたい」という相談をいただいたことがきっかけでした。これまで30年以上培ってきた実践知を生かして、お役に立てることはすべてやりますというところから始まりました。
――事業を通じて実現したいことは何でしょうか。
日本には、化粧品や健康食品にまだ十分活用されていない高い技術や成分が多くあります。そうした可能性を企業とともに形にし、商品開発から販売、ブランドの成長まで一貫して伴走支援したいと考えています。
売上が伸び悩む商品やブランドについては、ターゲット顧客や市場の変化などを分析し、再び価値をつくり直す「リブランド」にも取り組んでいます。常盤薬品の「なめらか本舗」や「エクセル」でも実践してきた手法となります。
豊富な支援実績を生かし、日本の「美と健康」に新たな価値を
――実際の支援事例について教えてください。
ある化粧品通販メーカーでは、当初30億円規模だった売上を100億円にしたいという相談をいただきました。そこでブランディングを見直し、新商品の企画開発からデザインまで一気通貫で変えていきました。現在では売上が60~70億円規模まで伸びており、3年間で2倍以上になっています。
――新規事業の立ち上げ支援もあるようですが、どのような支援事例がありますか。
一つ目は美容機器メーカーから「化粧品ビジネスを立ち上げたい」という相談です。美容機器はありましたが、化粧品事業はゼロからのスタートでした。通販を中心に、美容室などを経由する展開も行い、立ち上げから約2年で3億円規模まで成長しました。
二つ目は食品メーカーから、野菜から抽出した美容成分を使って化粧品ビジネスを始めたいという相談をいただいたケースです。こちらもゼロから企画開発とブランディングを支援し、クラウドファンディングでは目標の200万円を達成しました。現在は店頭販売に向けた流通開拓を進めています。
――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
化粧品業界では韓国や中国のコスメが勢いを増し、日本メーカーのシェアが狭まっています。だからこそ、日本品質やメイドインジャパンの安心感を生かしながら、新たなニーズに応えていくことが重要です。
特に気候変動による紫外線や暑さへの対策、人生100年時代における健康寿命など、「美と健康」に関する新たなニーズは今後も生まれていくと考えています。まだ活用されていない素材や可能性も多くありますので、そうしたテーマに挑戦する企業と一緒に、新しい価値を考えていきたいと思っています。
表面的なニーズの先にある「欲求」を見つける
――ヒット商品を生み出すうえで、重視していることは何でしょうか。
人には「ニーズ」と「ウォンツ」があります。ニーズはある程度インターネットなどで調査できますし、生成AIに聞けば、さまざまな情報を得られる時代です。
人の「抗えない欲求」であるウォンツは、表面には出にくいですが、非常に重要となります。ウォンツを見つけることができれば、ヒット商品につながるケースが多いからです。
さらに、その先には「欲望」と呼ばれるものがあります。最終的に人が何を求めているのか?その琴線に触れる要素をブランディングに取り入れていくことが重要です。これまでの実践知を生かしながら、クライアントと一緒にその本質的な欲求を見つけていきたいと考えています。
3年以内を見据え、自社でのサービス提供にも挑戦
――今後の事業展開について教えてください。
現在はコンサルティングやセミナー、専門誌への投稿依頼などに多くの時間を使っています。一方で、今後は健康に関わる商材やサービスを、自社でも提供していくことを検討しています。
まだ十分な時間を割けてはいませんが、今後はそちらにも力を入れていきたいです。同時並行で進める部分もありますが、より資金が潤沢になった段階で本格的に取り組みたいと考えており、3年以内を一つの目安にしています。
水の中で心身をリフレッシュ
――休日などのリフレッシュ方法を教えてください。
学生時代から30年以上、ダイビングを続けています。海に行けないときは近くの公営プールで泳ぐなど、水の中で過ごす時間がリフレッシュになっています。全身運動でもありますし、もともと好きで続けてきたことなので、今も大切な時間です。
これからも化粧品や健康食品の可能性を見つけ、企業とともに新たな価値を形にしていきたいと考えています。市場の変化と本質的なニーズ・ウォンツを捉え、商品開発からブランディング、営業まで伴走していきます。