「フィットネスを身近に」――地域に根差し、子どもからシニアまで運動の選択肢を広げる
ソウルジャパン株式会社 代表取締役 西村 寛人氏
ソウルジャパン株式会社は、大阪市内でパーソナルジム「FIT JAEMI」を展開し、パーソナルトレーニングやピラティスを中心としたフィットネス事業を行っています「フィットネスを身近に」という理念のもと、月額制に縛られず、自分のペースで通える仕組みや、子どもからシニアまで幅広い世代が運動に触れられる環境づくりに取り組んでいます。本記事では、代表の西村寛人氏に、事業への想いや組織づくり、今後の展望などについて伺いました。
フィットネスを身近にするために――都度払いという選択
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では、パーソナルトレーニング事業とピラティス事業を中心に行っています。
FIT JAEMIのパーソナルジムでは、月額制ではなく、1回ごとに料金を支払って利用できる都度払いを基本としています。
一般的なパーソナルジムでは、数か月単位のコース契約や高額な回数券が必要な場合もあります。しかし、仕事や家庭の都合によって毎週決まった回数通うことが難しい方もいらっしゃいます。
そうした方にも、自分の生活スタイルに合わせて必要なときに利用していただきたいという想いから、都度払いを中心とした仕組みにしています。
「パーソナルジムは高額でハードルが高い」というイメージを少しでもなくして、もっと気軽にパーソナルトレーニングを生活の中に取り入れてもらいたいと考えています。
パーソナルジムでは、会員とビジターをお客様自身に選んでいただける仕組みも取り入れています。
会員の場合は一度だけ1万5,000円の会費をお支払いいただくことで、その後は会員料金でトレーニングを利用できます。一方で、まずは気軽に利用したいという方は、会費のかからないビジターとして利用することもできます。
利用方法を一つに限定するのではなく、それぞれの生活や目的に合わせて選べることも、「フィットネスを身近にする」ために大切だと考えています。
専門学校卒業から3日後、自らパーソナルジムを開業
――経営の道に進んだきっかけをお聞かせください。
もともと、自分のパーソナルジムを持ちたいという想いがありました。
専門学校に通っていた頃からサッカーの指導者をしており、卒業後に就職すると、指導との両立が難しくなると感じていました。それなら、自分で働き方をつくりながら、以前からやりたかったパーソナルジムに挑戦しようと考え、起業する道を選びました。
そして専門学校を卒業した3日後に、小規模なパーソナルジムをオープンしました。
最初から経営の知識があったわけではありません。集客や店舗運営、お客様への対応、自分自身がトレーナーとして現場に立つことまで、すべて手探りで始めました。
そこから少しずつお客様が増え、店舗やスタッフも増えていき、約6年かけて現在の形まで成長してきました。
振り返ると、最初から明確な経営計画があったというよりも、目の前のお客様やスタッフと向き合い、その時に必要だと思うことに一つずつ挑戦してきた6年間だったと思います。
――会社名やジムの名称には、どのような由来があるのでしょうか。
韓国が好きなことが名前の由来につながっています。もともとはK-POPに興味を持ったことがきっかけで、旅行を重ねるうちに韓国という国そのものが好きになりました。
会社名の「ソウルジャパン」も韓国のソウルから着想を得ています。
ジムの「FIT JAEMI」の「JAEMI」も韓国語が由来で、「楽しみ」「おもしろさ」といった意味があります。「トレーニングって楽しい」と感じてもらいたいという想いを込めました。
韓国では現地のフィットネス施設を見たり、実際にトレーニングを受けたりすることもあり、新しいサービスや店舗づくりを考えるきっかけにもなっています。
――経営判断をする際に大切にしている軸はありますか。
判断の軸として大切にしているのは、企業理念、経営理念、そして行動指針です。
企業理念には「フィットネスを身近に」、経営理念には「FIT JAEMIに関わる全ての人を幸せにする」を掲げています。
また、行動指針として「常に挑戦する」「期待を超える」「笑顔を増やす」「仲間と成長する」「自分に勝ち続ける」「地域に貢献する」「迅速に行動する」「GIVE & GIVEの精神」の8つを定めています。
新しいことを始めるときや判断に迷ったときには、「会社の理念から外れていないか」を一つの基準にしています。その軸を持ちながら、最後は自分自身の直感も大切にしています。
「関わるすべての人を幸せにする」組織づくり
――スタッフとの関係で意識していることを教えてください。
一番大切にしているのは、スタッフにとって働きがいのある会社をつくることです。
経営理念の「FIT JAEMIに関わる全ての人を幸せにする」の「全ての人」には、お客様だけではなく、一緒に働くスタッフも含まれています。
スタッフにも「FIT JAEMIで働いてよかった」「ここで働いたことで成長できた」と思ってもらえる会社にしたいです。
そのため、給与体系や働く環境の見直しに加え、ストレッチやピラティス、子どもへの指導などをテーマにした研修にも取り組んでいます。
スタッフ一人ひとりが成長することで、お客様へ提供できるサービスの質も高くなります。また、各店舗には店長や責任者を置き、店舗運営も少しずつ任せています。
お客様、スタッフ、会社のすべてが一緒に成長していける状態をつくることが理想です。
――採用の際に重視していることは何でしょうか。
一番重視しているのは、人に寄り添えるかどうかです。
パーソナルトレーニングでは、お客様一人ひとりの性格や目的、身体の状態が異なります。そのため、知識や技術だけでなく、その方が何を求めているのかを理解し、その人に合わせたコミュニケーションができることが重要です。
採用では経験や資格だけを見るのではなく、「目の前の人を大切にできるか」という部分を重視しています。
任せる力を磨き、事業の可能性をさらに広げる
――現在、経営上の課題として感じていることはありますか。
今、一番課題に感じているのは「人に任せること」です。
個人事業主としてスタートしたため、これまではトレーニング指導だけでなく、集客、経理、採用、予約管理、店舗運営など、多くの業務を自分自身で行ってきました。
しかし、店舗やスタッフが増えた今、同じ働き方のままでは会社の成長にも限界があると感じています。
これからは各店舗の店長や責任者、スタッフへ業務を引き継ぎ、組織として仕事が回る状態をつくっていきたいです。
自分より得意な人がいるのであれば、その人に任せる。そして自分自身は、会社全体を見たり、新しい事業を考えたり、会社が進む方向をつくることに、より時間を使っていく必要があると思っています。
「自分ができることを増やす」から「スタッフが活躍できる環境や仕組みをつくる」へ変えていくことが、今の自分にとって大きなテーマです。
――今後、取り組んでいきたい事業について教えてください。
今後も、フィットネスを軸にさまざまなことへ挑戦していきたいと考えています。
現在はフィットネスに関連したアパレルを少しずつ進めているほか、小学生や中学生へのパーソナル・グループトレーニングも行っています。
私自身、長くサッカーの指導に携わっていることもあり、今後は子ども向けの運動指導にも、より本格的に力を入れていきたいです。幼少期から身体を動かす楽しさを知り、自分の身体を思ったように動かせる子どもを増やしたいと考えています。
一方で、地域密着という考えから、シニアの方が安心して運動できる施設や、児童発達支援、運動に特化した学童のような事業も構想しています。
私たちが目指しているのは、単にパーソナルジムの店舗数を増やすことではありません。
子どもの頃には運動を学び、大人になれば身体を鍛えたり整えたりし、年齢を重ねても健康のために運動を続けられる。
そんなふうに、子どもからシニアまで、人生のさまざまな段階でFIT JAEMIが関われる会社にしていきたいと思っています。
最終的には、「FIT JAEMIといえばパーソナルジム」だけではなく、「運動のことならFIT JAEMI」と地域の方に思ってもらえる存在になることが目標です。
企業理念である「フィットネスを身近に」を、さまざまな事業を通して形にしていきたいです。