顧客視点を貫き、中小企業経営者に伴走する――Vivid factorsが目指す「日本で一番愛されるコーチング会社」
株式会社Vivid factors 代表取締役 / エグゼクティブコーチ 中井 茉由子氏
株式会社Vivid factorsは、中小企業経営者や経営幹部を対象に、エグゼクティブ・コーチングを中心とした支援を行う会社です。コーチングという手法だけにこだわらず、お客様の組織成果につなげることを重視し、中小企業経営者に寄り添った支援を続けています。本記事では、代表の中井茉由子氏に、事業の特徴や経営で大切にしている考え方、今後の展望などについて伺いました。
コーチングにこだわらず、組織成果に向き合う
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、中小企業経営者や経営幹部を対象に、エグゼクティブ・コーチングを中心とした支援を行っています。現在は、お客様の約90%が中小企業経営者です。
経営者や幹部のお話を伺うなかでは、管理職の育成など、組織全体に関わる課題が見えてくることも少なくありません。その場合はコーチングだけで完結させず、課題に応じて研修の実施や仕組みづくりまで支援しています。
――事業における強みはどのような点にありますか。
弊社コーチング会社ですが、「コーチングを提供すること」にはこだわっていません。コーチングで解決できる領域は限られていると考えているため、自分が持っている知識や経験を組み合わせながら、お客様に必要な支援を提供しています。
私たちが提供したいのはコーチングそのものではなく、組織成果につながる支援です。そのために必要であれば、コーチング以外の知識も深めながら、できることを増やしていく。持てるリソースをすべて活用し、お客様の役に立ちたいと思っています。
――どのようなお客様から相談を受けることが多いのでしょうか。
多いのは、会社をよりよくしたいという想いを持ちながら、組織づくりや人材育成に悩んでいる経営者の方達です。特に創業社長や、2代目でも事業を大きく変えながら経営を担う起業家マインドをお持ちの方が多いです。農業からITまでと業種は幅広いものの、ご自身が高い成果を出してきた方が多い点は共通しています。
そのため、「自分でやった方が早い」「任せてみたけれどうまくいかなかった」と葛藤する方も少なくありません。部下が動かない、育たない、想いが伝わらないといった悩みに対して、単に話を聞くだけではなく、「では、どうするのか」を一緒に考えることを大切にしています。
個性を発揮しながら、周囲と調和できる世界を目指す
――御社のビジョンには、どのような想いが込められていますか。
当社では、「それぞれの個性が調和し、すべての人の笑顔が波紋のように広がり続ける世界の創造」というビジョンを掲げています。目指しているのは、1人ひとりが個性を発揮しながら、周囲と調和できる世界です。
原点には、私自身の学生時代の経験があります。当時の私は「学年首席の不良」でした。
学業も部活も成績は良かったのですが、無意味だと感じたルールは守らない。だから周囲と調和できない。その結果、頑張っていても認めてもらえず、学校の先生には愛想を尽かされていました。自分のよさを発揮するほど周囲からはみ出してしまうことに痛みを感じていました。
その後、経営者の方々と接するなかで、高い能力を持つ人ほど「なぜこんなこともできないのか」と葛藤し、組織との調和に悩むことがあることに気づきました。個性を抑えるのではなく、その人らしい強みを生かしながら周囲と調和できれば、組織の力も高められると考えています。
――社名には、どのような意味がありますか。
「Vivid factors」は、1人ひとりの個性を鮮やかな色として捉え、それぞれが持ち味を最大限に発揮できるチームでありたいという想いから生まれた造語です。私たち自身も、個性を生かせる集団でありたいと考えています。
お客様をより深く理解するため、自ら経営者に
――経営者になったきっかけを教えてください。
もともと起業への強い憧れがあったわけではありません。
エグゼクティブコーチとして経営者のお客様のお話しを本当の意味で理解するために、自分も経営者になろうと決めました。
会社員時代にコーチング会社で働き、その後もフリーランスとしてコーチの仕事をするなかで、お客様から私自身の関わりを評価していただく機会が増え、自分にしかできない貢献を追求したいと考えるようになりました。また、課長だったお客様が役員へと昇進し、経営に近い立場の相談を受ける機会も増えていきました。
そうしたなかで、経営者ではない自分が経営者のお客様の悩みについて語ることに違和感を覚えるようになったんです。経営者の気持ちをより深く理解し、「社長のコーチ」として価値を発揮するために、社長になろうと決断をしました。
――経営判断で大切にしていることは何でしょうか。
常に持ち続けているのは、「顧客視点」です。状況によって考えるべきことは変わっても、「これは本当にお客様のためになるのか」「お客様に喜んでいただけるのか」という軸は変わりません。
私を顧客視点で考えられるコーチに育ててくださったのは、お客様です。だからこそ、その恩を忘れず、プロフェッショナルとしてお客様の役に立てるかどうかを大切にしています。
中小企業にエグゼクティブ・コーチングを広げる
――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
中小企業経営者向けのエグゼクティブ・コーチングを、もっと広げていきたいです。コーチングは大企業や外資系企業のためのもの、もしくは「学ぶもの」という印象がありますが、私は中小企業経営者にこそ必要だと考えています。
中小企業では、創業メンバーや家族が役員を務めることもあり、経営者が社内で異なる視点から意見を得にくい場合があります。そこに外部のコーチが入ることで、経営者がさらに深く考えるための力になれると思っています。
――会社の成長に向けて、どのような取り組みに力を入れていきますか。
今力を入れているのは、コーチの育成です。スクールで知識や技術を身につけても、実際のお客様への支援は学んだ通りには進みません。コーチングの技術だけではなく、本当にお客様へ貢献できる力を持ったコーチを育てることが重要だと考えています。
私1人で支援できるお客様の数には限りがあります。今後は、顧客視点とプロフェッショナリズムを持つ仲間を増やし、より多くのお客様に貢献できる体制をつくっていきたいです。
――仕事を通して、どのような会社を目指していきたいですか。
目指しているのは、日本で一番愛されるコーチング会社です。会社の規模を大きくすることよりも、困ったときに真っ先に思い浮かべていただき、「中井さんならなんとかしてくれるかもしれない」と感じてもらえる存在でありたいと考えています。
そのためにも、これからは同じ思いを持つ仲間を増やし、より多くのお客様に貢献していきたいです。中小企業経営者にエグゼクティブ・コーチングという選択肢を広げ、1社でも多くの会社がより良くなるために何ができるかを考える。そして、日本で一番愛されるコーチング会社を目指していきます。