人材育成の新しいスタンダードをつくる――株式会社RINGNITEの挑戦

株式会社RINGNITE 代表取締役 岡安 建司氏

株式会社RINGNITE(リングナイト)は、大手から中小まで規模や業界問わずさまざまな企業の組織・人材開発支援を主軸にビジネスを展開するベンチャー企業です。中でも経営幹部候補やマネージャーなど次世代の経営を担う「ビジネスリーダー養成」は、一過性の研修や制度設計ではなく戦略と連動させながら現場に即したマネジメント課題の解決を目指す独自のアプローチとして注目を集めています。

代表・岡安建司氏は、NTTでの人事や外資系人事コンサルティングファームマーサーでの組織・人材開発支援、人材育成ベンチャー企業での経営を経てRINGNITEを創業。プロフェッショナルな仲間とともに、顧客企業の成長を支える体制を築いてきました。本記事では、事業の現状、経営にかける思い、組織づくり、そして未来の展望について伺いました。

ビジネスリーダー養成を軸に広がる事業

――現在の事業内容について教えてください。

当社は「ビジネスリーダー養成」を主テーマに、企業の組織・人材開発支援を行っています。現マネジメント層へのキャリア開発や育成支援はもちろん、将来の経営を見据えマネジメント層を目指して欲しい人材への支援も含め戦略的なアプローチをしている点が特徴です。大企業では戦略と連動した育成体系の構築や現場に即した育成施策の提供などを、中堅企業では制度設計や人材要件の定義などより上流からご支援させていただく機会が多いです。業界は製造、建設、サービス、ITまで多岐にわたり、最近は人事子会社からの相談も増えています。

経営者になるまでの歩み

――経営者を志すようになった経緯をお聞かせください。

キャリアのスタートはNTTで、人事やSE、営業などを経験しました。その後、外資系の人事コンサルティングファームマーサーに転職し、企業の経営課題を支援する中で「自ら経営してみたい」という思いが芽生えました。

ベンチャーの人材育成企業に参画した際、半年で取締役に就任し、その後代表を務めることになったのが経営者としての原点です。当時20名弱の組織を、4年間で60名規模まで成長させた経験を通じて、組織経営の面白さと難しさを体感しました。お客様の人材育成にプロフェッショナルとして携わっていく以上、自社で自らが体現し解決しなければならない課題もたくさんありました。こうした経験が、現在のRINGNITE設立につながっています。

プロフェッショナルが支える組織づくり

――組織運営や社員との関わりについて教えてください。

創業から2年弱ですが、既に5名のプロフェッショナルが中核を担っています。PR/マーケティング、コーポレート、システム開発、サービス開発、コンサルティングやデリバリーといった専門分野で、それぞれが高い専門性を発揮している点が強みです。

私はトップダウンで指示するのではなく、メンバーの意見を経営に生かすボトムアップ型を重視しています。10年以上の業界経験やマネジメント経験を持つメンバーが中心なので、近視眼的ではなく経営の視点で議論できるのも大きな特徴です。今後も「個の力」を最大化しつつ組織全体の力に変えていけるよう、社内の仕組みを進化させていきたいと考えています。

現場に即した育成を届けるために

――今後の展望についてお聞かせください。

これまでの育成は画一的なものが多く、変化の時代、戦略や現場の実情に合わなくなっているという声を多く耳にしてきました。そこで当社は、経営環境やマネジメント環境に応じた人材要件から最適な育成施策を導き出す独自メソッドを開発し、特許も申請しています。今後はこの仕組みをデータベース化・標準化することで、効率的かつ低コストで提供できる体制を整えたいと考えています。

前年比200%のペースで成長を続けていますが、目標は規模拡大そのものではありません。大切なのは、お客様の課題解決に資する体制を持ち続けること。そのために効率化や仕組み化を進め、顧客にも社内にも無理のない成長を描いていきます。さらに、業界を超えて応用可能なノウハウを積み上げることで、「人材育成の新しいスタンダード」を発信できる存在を目指していきたいです。

リフレッシュの時間と価値観

――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。

週に一度は運動するようにしており、特にテニスを楽しんでいます。20代から60代まで幅広い世代が集まる中で交流するのは大きな刺激になりますし、仲間とバーベキューをするなど、仕事以外の人間関係を広げる場にもなっています。

また、ジムで体のケアをする時間や、社内外問わず食事やお酒を通じた交流も欠かせません。経営に集中するだけでなく、人とのつながりや心身の健康を大切にすることが、長期的な挑戦を支えると感じています。経営者としての視点と生活者としての視点、その両方を大切にすることで、仕事と人生の調和を保ち続けたいと思います。

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