広告の力で地域を動かす――感動を届ける事業への挑戦

株式会社デイリー・インフォメーション関西 代表取締役社長 中谷 浩二氏

株式会社デイリー・インフォメーション関西は、総合広告代理店として企業のプロモーションから地域活性化、人材領域、インバウンド事業まで幅広く展開しています。グループ全体の中でも関西拠点を担う中谷浩二氏は、広告の枠を超えて「感動事業」を軸に未来を描いています。これまでのキャリアや組織運営への思い、今後の展望について伺いました。

幅広い領域を網羅する総合広告代理店の事業内容

――事業内容について教えてください。

当社は総合広告代理店として、大きく四つの領域を展開しています。一つ目は企業向けの販売促進やプロモーションをデジタル・各地交通広告・各地大型ビィジョン・SNS・雑誌・地上波などあらゆる手段を活用する広告代理業務。二つ目は観光や地域活性化に関わる事業で、万博イベント、旅行雑誌や自治体のふるさと納税PR、学園祭サポート、海外アウトバウンドイベント運営など、社会的意義のある取り組みも担ってきました。三つ目は求人広告を中心とした人材領域で、全ての大手求人メディアはじめ、人材紹介事業やIndeedを活用した採用支援を行っています。四つ目はインバウンドプロモーションで、海外市場に向けた発信も行っています。

地域拠点では、これらの事業をワンストップで展開できるのが強みです。自治体や企業のニーズに応じて柔軟に対応できる“小回りの利く広告代理店”として評価をいただいています。

リクルートから新規事業立ち上げへ――経営者になるまでの道

――経営者になられた経緯を教えてください。

学生時代は世論形成に絶大な影響力のある地上波を持つキー局に興味を持ち、社会を動かす仕事を志していました。しかし就職活動の中で事業や経営に強い関心を持つようになり、経営者を目指し、リクルートに入社しました。営業や商品企画、新規事業まで幅広い経験を積んだ後、サイバーエージェントやプロトコーポレーションで事業立ち上げを担当し、特に医療介護分野での求人サイトやメディア創刊など、ゼロから事業を軌道に乗せる経験をしました。

その後独立やコンサルを経て、2014年に現在のグループオーナーと出会い、ホールディングスで人事や経営企画を担当の後、大阪拠点を任されることになりました。自身のキャリアで印象に残る経験は、やはり新規事業の立ち上げです。2人から始めた事業が60人規模まで拡大し、立ち上げ翌年から単月黒字化を実現した経験は、自分の経営観の礎となっています。

「空母のような会社」を目指す組織運営と社員との関係

――組織運営で意識していることは何ですか。

社員一人ひとりがやりたいことを実現できる会社でありたいと思っています。そのために「ワイガヤ会議」という仕組みを設け、若手社員の意見を匿名で吸い上げ、改善につなげています。電子レンジの台数といった小さな要望から、新しい商材の提案まで幅広く取り上げ、柔軟に対応するようにしています。

私は会社を「空母」にたとえています。社員は自由に飛び立ち、経験を積み、また戻ってこられる場所でありたい。転職や外部経験も否定せず、むしろ帰ってきたいと思える会社を目指しています。自分の描く自己実現を、この会社で叶えられるように――その環境づくりが私の役割です。

広告の枠を超えた「感動事業」で描く未来像

――今後の展望について教えてください。

これからのキーワードは「感動事業」です。広告は人の心を動かす手段であり、私たちの存在意義は、情報発信を通じて人や地域を元気にすることにあると思っています。

採用や人材育成は引き続き大きな課題ですが、AIやDXを活用し、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えていきたいです。また、新規事業や投資活動にも挑戦し、グループとして新たな領域を開拓していきたいと考えています。

ゴルフと野球で培う人とのつながりと経営の活力

――プライベートの過ごし方について教えてください。

ゴルフはここ数年続けている趣味で、社内研修をきっかけに始めました。取引先や経営者仲間との交流の場としても大切な時間になっています。もう一つは野球です。小学生から続けてきたスポーツで、社内の部活動や高校OBの大会にも参加しています。甲子園でプレーできる「マスターズ甲子園」は大きな楽しみです。

リフレッシュの時間は、経営にもつながる新しい視点を与えてくれます。これからも社員や地域、社会を巻き込みながら、感動を生み出す事業に挑戦し続けたいと思います。

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