合同会社UKANO 代表取締役 松丸宗一郎氏
合同会社UKANOの松丸宗一郎氏は、20数年の不動産業界でのキャリアを持ちながら、学生時代に夢見たデザインとインターネットの分野に再挑戦するため、2023年11月に合同会社UKANOを設立されました。AI技術の進化を追い風に、現在は地域と業界を絞り込み、川崎市宮前区の飲食店に特化したWEB集客支援を推進されています。会社員として管理職を務めながら、帰宅後のわずかな時間で新たな事業を立ち上げ、邁進する松丸氏の、起業への熱い思いと緻密な戦略に迫ります。
目次
地域密着×AI活用が強み。飲食店に特化したWEB支援の現在地
――現在の事業内容と、その特徴を教えてください。
ホームページ制作やSNSを活用したWEB支援を通じて、地域の飲食店の集客力向上に取り組んでいます。文章や画像などの素材をお客様自身に用意していただくケースが多い業界ですが、当社ではAIツールを活用して素材をこちらで準備できる点が大きな強みです。いくつかのパターンを提示し、選んでいただく形にすることでコストを抑えられ、制作のハードルも下げられています。
――宮前区×飲食店という特化はどのように決められたのでしょうか。
最初は幅広く受けられる形で始めたのですが、商工会や中小企業診断士の方から「業種を絞らないと価値が伝わりづらい」と助言をいただきました。また、飲食店巡りが好きで日頃からよく調べる習慣があるため、自分が興味を持って関われる分野の方が価値提供しやすいとも感じました。それらが重なり、地域と業界を明確に絞る形へとシフトしました。
キャリア転換と特化戦略への決断
――不動産業界からWEB事業を始められた背景を教えてください。
実は現在も会社員として分譲マンション管理会社で働いています。20年以上、不動産賃貸仲介から管理、コンサルタントまで経験し、資料作成や文章で伝える仕事を多く担ってきました。一方で、学生時代はデザイン専門学校に通い、もともとWEBの世界に進みたかったものの、当時は生活が苦しく断念した経緯があります。
今になって生活が落ち着き、さらにAI技術の進歩で1人でもできる幅が大きく広がりました。ずっと胸に残っていた“デザインとWEBへの挑戦”を、今なら実現できると判断し、起業を決めました。
――印象に残っている出来事や、現在の転機となった場面はありますか。
今年の8月から本格的に動き始めたのですが、当初はコンセプトが定まらないまま手探りで進んでいました。いろんな専門家に話を聞く中で、「誰に価値を届けるのか」を明確にしなければ、ただの“作る会社のひとつ”で埋もれてしまうと強く感じました。それが、地域・業種特化という今の方向性を決定づけた大きなきっかけです。
3年後の株式会社化を見据え、目指すは「自律運転」するビジネスオーナーモデル
――今後の事業展開について、短期的な目標と3年後の展望をお聞かせください。
まずは宮前区の飲食店の力になること。それぞれの店舗で成果を確実に積み重ね、「ここに頼めば何とかしてくれる」という存在になりたいです。3年後には株式会社化し、アルバイト2名ほどを加えて、自走できるチーム体制を整えることを目標にしています。
最終的には従業員5名ほどの規模で、地域の中小店舗のWEB課題に寄り添い続けられる会社をつくりたいと考えています。
個人的な側面とリフレッシュ方法
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
去年まではサーフィンが趣味だったのですが、今年は結婚式を控えていまして、日焼けができないのでお休みしています。その代わりに、最近は楽器のサックスを習い始めました。月に2回、音楽教室に通って練習しています。楽器であれば、多少音が外れてもいい音が出ますので、リフレッシュになりますね。
挑戦する経営者へ伝えたいこと
――これから経営に挑む方へメッセージをお願いします。
いろいろと悩むことはあると思うんですけども、やってみて、違ったら変えればいいと思います。まずはやってみようという、その一歩を踏み出してほしいですね。私自身もうだうだ考えていた時期もあったけど「やってみたら意外とできる」と感じています。情報が溢れている今、どこで差がつくかと言えば、結局のところ行動あるのみだと信じています。

