株式会社総合クリーンサービス 代表取締役 水越 拓也氏
北海道を拠点に、リフォーム・リノベーションから専門性の高い作業まで幅広く対応する“プロの便利屋集団”として事業を展開する株式会社総合クリーンサービス。すべての依頼にワンストップで応えられる圧倒的な対応範囲と、各分野にプロをそろえる組織体制を強みに、創業25年を迎えた。16歳で「経営者になりたい」と思い描いてから、営業力を徹底的に磨き、21歳で創業した水越氏に、これまでの歩みと組織づくり、そして今後の展望について伺った。
目次
多岐にわたる事業を束ねる“プロの便利屋集団”として
――事業内容とその強みをお聞かせください。
メイン事業はリフォーム・リノベーションを中心とした便利屋サービスです。一般的には「清掃は清掃会社」「リフォームはリフォーム会社」というように、カテゴリーごとに事業が分かれていることが多いですが、当社は1社で幅広い領域を網羅しています。清掃だけでなく、他社では難しい工事や専門的な作業にも対応できることが最大の強みです。
窓口が一本化しているため、お客様は複数の業者とやり取りする必要がありません。最初は単価の小さな依頼であっても、結果として大きな工事につながることも多く、新規とリピートのバランスも良い形で循環しています。
16歳で決めた“経営者への道”
――経営者になられた経緯を教えてください。
16歳の頃から「社長になりたい」という漠然とした思いがありました。とはいえ、外から見ているだけでは商売の本質は分からないので、営業職を中心に多くの業種を経験しました。全国規模の上場企業でトップ営業を何度も獲得したことは大きな自信になりましたし、成功も失敗もすべて経験として蓄積し、独立への準備を進めてきました。
特に最初の職場で出会った社長と支店長から学んだ、人への向き合い方や仕事に対する姿勢は、今でも自分の骨格になっています。25年経った今でも、その教えは変わらず大切にしているもので私の目標です。
“10人いれば10通り”のコミュニケーション
――現在の組織規模と、社員の主体性を引き出すための工夫についてお聞かせください。
アルバイト・パートを含めて約30〜40名程度の規模で運営しています。人材育成においては、基本的に臨機応変に対応することを重視しています。「十人十色」という言葉の通り、人それぞれ性格や成長のペースが異なりますので、その人のやり方や個性に合わせた話し方、進め方、提案を行っています。ただし、基本ルールに関しては厳しく指導します。例えば、無断欠勤の禁止、書類の期日厳守、そして社用車を含む身の回りのものを常に綺麗に保つことなどです。そういった基本的なことができていないと、まともな仕事ができるとは思えないからです。
――採用や育成の面で、水越代表が特に重視しているポイントについてお聞かせください。
採用時には、目配り、気配り、心配りができるかどうかという点を非常に重視します。面談では、挨拶時の最初の一歩や、靴の置き方、座り方など、細部にまで注意を払って、その人の基本的なスタンスを見極めます。そして、何よりも「直感」を大事にしています。成功されている方の多くがそうであるように、直感に勝るものはないと思っています。育成に関しては、社員には常に「目配り・気配り・心配り」の三大要素と、「予習・復習・準備」の大切さを伝えています。日々の反省を活かし、失敗を糧に進化していく努力が、プロとして成長する鍵となります。
今後はフランチャイズ展開へ。数ではなく“共感”で広げる
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
今後は、当社の仕事に共感してくれる人に向けて、フランチャイズに近い形での店舗拡大を検討しています。ただし、当社と同じ幅広さをいきなり求めるのは現実的ではありません。多様な業務をそのまま丸ごと渡すのではなく、再現性のある仕組みに落とし込んだうえで展開したいと考えています。
数合わせの拡大には興味がありません。意志のある方と一緒に、長く続けられる形で広げていきたいですね。
リフレッシュは“自由に動ける時間”
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
旅行と温泉が好きで、国内外問わずよく出かけます。今年もハワイやグアム、宮古島などいくつかの場所を訪れました。サッカーも続けていますが、どうしても周囲から役割を求められるので、完全に休憩できるのは旅行のときですね。

