株式会社ライフデザイン・ファクトリー CEO 今辻 俊郎氏
人生100年時代に向け、ミドル・シニア層が自らキャリアを描き続けられる社会をつくりたい――。そんな思いから、同社を立ち上げた今辻俊郎CEO。キャリア研修、個別コンサルティング、人材紹介など、“働き続けたい”という想いを持つ人々を支える事業に取り組んでいる。本記事では、事業の現状、立ち上げの背景、組織づくり、未来への展望、そして今辻氏自身の価値観について伺いました。
目次
人生100年時代に必要な“キャリアの再設計”と超高齢社会における持続可能な社会システムの構築
――現在の事業内容と特徴を教えてください。
柱となる事業は3つあります。
1つ目の柱は、ミドル・シニア層を対象としたキャリア研修や個別コンサルティング事業です。現在はこの事業を中心に活動しています。これまでの実績は、公的機関主催のセミナーやミドルシニア向け講座が中心ですが、今後は企業向けの研修・キャリア支援にも広げていく予定です。
2つ目の柱は、ミドルシニア層を中心にした人材紹介事業です。2025年8月に認可を取得し新たにスタート致しました。セカンドキャリアを求める40〜60代の方々が、自分の強みを活かして働ける職場を紹介できる仕組みを構築していきます。
3つ目の柱は、多世代間が交流するイベント開催事業です。2025年11月22日に〝和の精神〟をテーマにした多世代間が交流するイベントを開催しました。結果、大盛況のうち終了し、志が同じ人達の新たな繋がりが生まれました。今後も日本社会を活性化していくために仲間と一緒にイベント事業を行って参ります。
――御社の理念やビジョンについて教えてください。
掲げているビジョンは、「人生100年時代に、生涯輝き続ける人生を実現すること」です。政府は制度面の整備を進めていますが、企業側の意識改革はまだ追いついていないと感じます。働く本人も、企業も、双方がキャリア形成に前向きになれる仕組みをつくっていきたいと考えています。
保険会社からの転身。自らの“経験”を社会へ広げる
――起業に至った経緯を教えてください。
長年、保険会社で営業として働いてきました。多くのサラリーマンがキャリアの悩みを抱えながらも、その課題に向き合う機会を持てていない現実を見続けてきました。私自身も同じ会社にいても将来への展望が見えなかったため40代後半で転職致しました。結果それが転機になり、多忙な日々から解放された事で心に余裕が生まれ、広い視野で物事を見れるようになりました。その時に「自分の経験を活かし、誰かの未来を支えられる仕事がしたい」と強く思うようになったことがきっかけです。
――仕事で大切にしている価値観はありますか?
寄り添う姿勢を大事にしています。ミドル・シニア層の悩みは複合的で、誰一人同じではありません。本人の価値観や経験を丁寧に聞き取り、その人らしいキャリアの選択を一緒につくることを心がけています。
――印象に残っているエピソードはありますか?
セミナー後のアンケートで「将来を考える大きなきっかけになった」「キャリアを見つめ直す勇気をもらえた」と書いていただいたことがあります。人の人生の転機に関われたことを実感し、非常に嬉しかったですね。
“相手の価値観を尊重する”コミュニケーション
――コミュニケーションで意識していることを教えてください。
相手の意見や価値観を尊重することです。一方的なアドバイスではなく、その方が何を望み、どんな方向に進みたいのかを理解することを最優先にしています。これは企業内のコミュニケーションでも同じで、関わる人の声を丁寧に拾うことが大切だと考えています。
ミドル・シニアの活躍を広げる“仕組みづくり”へ
――今後の展望を教えてください。
2025年8月1日にスタートした人材紹介業を機能させて、40〜60代が活躍し続けられる場を増やしていきたいと考えています。将来的には、企業への啓発や制度づくりにも取り組み、社会全体のキャリア観をより前向きに変えていくことが目標です。
AIを活用した効率化や情報発信にも注目しています。労働人口が減少する日本では、人の力とテクノロジーを組み合わせたキャリア支援が欠かせないと感じています。
歴史と文化を愛し、“誇り”を未来へつなぐ
――趣味やリフレッシュ方法を教えてください。
カラオケ、歴史書やドキュメンタリーを楽しんでいます。特に明治維新期の人物の生き方や、国の成長を支えた先人たちの姿勢には学ぶことが多くあります。日本の文化や誇りを大切にしながら、自分の生き方に落とし込む時間が大きなリフレッシュになっています。
――最後に、今後に向けた想いをお聞かせください。
ミドル・シニアが自分の未来を主体的に描き、長く活躍できる社会をつくることが目標です。これからは、より多くの方が「年齢を理由に諦めない働き方」を実現できるよう、事業を進めていきたいと考えています。

