トラスト・パートナーズ社労士事務所 職場環境プロデューサー 岸本 貴史氏
トラスト・パートナーズ社労士事務所は、「労使ともに人生が豊かになる職場づくり」を理念に掲げ、社労士業務とコーチングを組み合わせた独自の人事労務支援を行っています。本記事では、事業の現状、岸本氏のキャリアや価値観、組織運営の工夫、未来への展望、そして日々のリフレッシュ方法について伺いました。
目次
法律とコーチングを組み合わせた“職場づくり支援”の現在
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
社労士事務所として労務相談対応・就業規則整備などの基本業務を行いながら、従業員面談や研修、コーチングといった“感情面へのアプローチ”も提供しています。経営者と従業員の間で生まれる認識のズレを整え、職場全体が良くなる仕組みをサポートしています。
――大切にされている理念について教えてください。
理念は「労使ともに人生が豊かになる職場づくり」です。一方的な改善ではなく、双方が“働くことが人生を豊かにする要素になる”という状態を目指しています。
社労士としての原点と、独立へ導いた価値観の変化
――独立に至るまでの経緯を教えてください。
大学卒業後は人事職に就きましたが、仕事の楽しさを見いだせず退職。その後社労士業界に入り、8年以上経験を積みました。しかし業務が事務的になり、自分が本当に向き合いたい「人の悩み」や「関係性」に触れられないことに違和感を覚えるようになりました。従業員としての悩み、そして経営者の苦悩の両方を知ったことで、“職場づくりに本質的に関わりたい”という想いが独立の決め手になりました。
――印象に残っている出来事はありますか?
経営者の方が、従業員対応の悩みを電話越しに涙ながらに話してくださったことがあります。専門知識よりも「話を聞くこと」の価値を痛感し、人の気持ちに寄り添う姿勢こそが自分の強みだと改めて感じました。
従業員の主体性を引き出すための“聞く・尊重する”組織づくり
――普段どのように組織を運営されていますか?
事務スタッフと共に小規模で運営していますが、できるだけ「自分で決める」環境をつくるようにしています。年間の目標設定と、それを達成したときの報酬も本人に決めてもらい、月ごとに一緒に振り返るスタイルです。小規模だからこそ、一人ひとりの希望を丁寧に聞き、柔軟に働き方を調整することを大切にしています。
――コミュニケーションで意識していることは何ですか?
“自分の価値観で聞かない”ことを心がけています。同じ出来事でも背景や経験が違えば感じ方も異なります。否定から入ると相手は心を閉ざしてしまうため、まずはそのまま受け止め、違いがある場合は「僕はこう思うけれど、どう感じますか?」と対話を重ねています。
10年の蓄積を再整理し、“職場づくりの型”を未来へ広げる
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
開業から10年で蓄積してきたノウハウを一度整理し、「これがあれば職場づくりが進む」という型をつくれないか模索しています。それが形になれば、教材化や仲間との共同プロジェクトとして広げることも視野に入れています。また、同じ志を持つ社労士や専門家との横のつながりも強化し、より多くの企業の“職場の悩み”に寄り添える仕組みづくりを進めていきたいと考えています。明確なビジョンを固定しすぎず、柔軟に変化しながら活動を広げていくつもりです。
日常に“整える時間”をつくる——読書・家族時間・スポーツ観戦
――仕事以外で大切にしている時間はありますか?
家族と出かける時間、読書、そしてスポーツ観戦です。読書はジャンルを問わず気になったものを読むタイプで、映像よりも自分でイメージしながら読むことで記憶に残りやすく、贅沢な時間の過ごし方だと感じています。最近はビジネス書だけでなく小説や漫画にも触れ、仕事とは違う刺激を得るようにしています。
――今後、プライベートで挑戦したいことはありますか?
これまで仕事中心でしたが、これからは趣味や仕事以外の活動も広げていきたいと思っています。新しい興味を見つけ、人生そのものを豊かにする選択肢を増やしていきたいです。これからも、「働くこと」と「生きること」の両方をより良くできるような時間の使い方を意識していきたいと考えています。

