株式会社CurioTech 代表取締役 小林 慶太郎氏
株式会社CurioTechは、「顔の見える買取」にこだわる古物商です。2022年の事業開始以来、スーパーやホームセンターの一角を間借りし期間限定の買取イベントを展開しながら、「人ベース」のビジネスモデルを構築してきました。本記事では、代表の小林氏に、事業内容、競合との違い、経営観、今後の構想などについて伺いました。
顔の見える買取で信頼をつくるビジネスモデル
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社は、主に「催事買取」「フランチャイズ展開」「高級時計買取事業」の3つの事業を展開しています。なかでも事業の柱となっているのは、催事買取事業です。
催事買取とは、スーパーやホームセンター、商業施設の一角をお借りして行う買取方式です。いわゆる期間限定のポップアップ店舗として買取ブースを出店し、その場でお客様のお品物を査定・買取しています。
古物業界全体では「出張買取」「郵送買取」「店頭買取」の3つの業態が一般的ですが、当社は法改正に伴い、事前に警察署に届け出れば全国どこでも仮設店舗型で買取ができるようになったことをきっかけに、催事モデルに注力するようになりました。
――ほかにも他社との違いはありますか。
査定員の教育に力を入れています。古物商は国内に多数ありますが、当社はお品物のみならず「人」を見る会社でありたいと考えています。そのために、社員全員がオーダースーツを着用し、爪や靴まで含めた身だしなみを動画で毎日チェックしているんです。また、服装がだらしない、髪の毛をセットしないなどの場合、その場で改善するか、一度自宅に帰ってもらい整え直しております。フランチャイズ加盟店の査定員も含め、最低3か月は当社で研修を受けてもらい、同じ評価基準やスコアで定量・定性の両面から教育しています。
その結果、成約率は99%ほどと非常に高く、値段だけ知りたい方や、相続の参考にしたい方を除けば、ほとんどの方にご納得いただけているのが特徴です。
大切なのは、お客様にとって「担当者ガチャがない」買取店であることだと考えています。普段利用しているスーパーで、顔の見える状態で相談してから品物を持ち込める点が、当社ならではのポジションだと思います。
挫折体験が形成した経営観
――経営者になられた経緯を教えてください。
祖父が会社を経営していた影響もあり、「いつかは会社を起こしたい」という思いをずっと抱いていました。
高校卒業後は料理人として修行をしていましたが、20歳頃に結婚を意識したことがきっかけで生活基盤の築き方を真剣に考えるようになりました。「法整備が整う前後こそ市場が広がるのではないか」と考えて古物業界に入り、約8年間サラリーマンとして古物商で経験を積んだのち、2020年に独立しました。
創業前には、離婚や心身の不調などで、精神的にも経済的にも追い込まれた時期がありました。財布が空っぽになったとき、「結局、自分ができることで勝負するしかない」と原点に立ち返ったことが当社のスタートのきっかけです。
――仕事で大切にしている価値観は何でしょうか。
「人はいつか別れ、また出会う」という感覚です。離職した人が別の形で戻ってきたり、昔のご縁が思いもよらないタイミングでビジネスにつながったりすることを、この数年で何度も経験しました。お客様・従業員・取引先といった「ラベル」で人を区切るのではなく、「私とあなた」という関係性として向き合うことを大事にしています。
そしてその背景にあるのは、「4方良し」という経営理念です。【会社・顧客・社会・自分】-それぞれがきちんと有益性を得られる関係でなければ、長く続く約束にはならないと考えています。
また、「高品質 寄与主義」という価値観も掲げています。古物業をしていると、お金やモノをたくさん持っていても、いずれ手放す姿を日常的に見ます。そのため「何を得たか」より「何を残したか」に価値を置こう、という考え方が自然と育ちました。
フランチャイズと教育で広がる未来――村のようなコミュニティを目指して
――今後の事業展開や、目指している未来を教えてください。
数値面では、3年後に現在の売上の2.5倍を実現します。直営店は10店舗程度から大きく増やさず、フランチャイズ展開で全国に広げていく構想でおります。目の届く範囲でしっかりマネジメントしながら、「顔の見える査定士」が全国にいる状態をつくりたいです。
2つ目の柱が「教育」です。コンプライアンスやオペレーション、商品知識を体系化し、学べる教育プロダクトの立ち上げを進めています。
さらに長期的には、一つの「村社会」のようなコミュニティをつくるところがゴールです。子どもが生まれてから年を重ねるまでの期間、自分たちのチーム内で助け合ってやっていける状態を目指しています。保育や教育、介護、医療など人のライフステージを支える領域も含め、フランチャイズや仲間の輪を広げながら、「困ったらあのチームに相談しよう」と思ってもらえるチームを築いていきたいです。

