ダイヤモンドジュエリーネイルで差別化する――f’bloomが磨く技術と“続ける経営”

株式会社f’bloom 代表 石井 華子氏

f’bloomは、都内に3店舗を構えるネイルサロンです。JNA認定ネイルサロンとして、初めての方でも安心して楽しめるよう、有資格者が丁寧にカウンセリングを行っています。最大の特徴は、本物のダイヤモンドを爪に施す「ダイヤモンドジュエリーネイル」という独自技術。サロン運営に加え、スクールや福祉領域での訪問ネイルなどにも取り組み、価値提供の幅を広げてきました。本記事では代表・石井氏に、事業の強みや歩み、組織づくり、今後の展望を伺います。

“本物のダイヤ”で選ばれるネイルサロンへ

――現在の事業内容と、サロンの特徴を教えてください。

ネイルサロンの運営が中心ですが、大きな特徴は本物のダイヤモンドを爪に施す技術を提供している点です。ダイヤモンドジュエリーネイルは、見た目の美しさだけでなく、安心して身に着けられる技術力が求められます。そのため、スタッフ全員が資格を取得し、プロとして責任を持って施術しています。

また、スクール事業としてネイリストや一般の方に向けた技術指導も行っています。巻き爪ケアやスパ、基礎技術など、現場で役立つ内容を幅広く伝えています。

――業界の中での強みはどこにありますか?

やはりダイヤモンドジュエリーネイルそのものが最大の強みです。

誰でも簡単にできる技術ではなく、一般の方がセルフで行うのは難しい領域です。ダイヤモンドをアートできることを耳にして、実際に自分で付けたけれど取れてしまったと、ショックを受けて来店された方もいました。

この技術は、ネイリストとしての付加価値を高め、プロとセルフの差別化につながるものだと考えています。

会社員からネイルの世界へ――「1対1の価値」を求めた転機

――ネイルの道に進み、起業に至った経緯を教えてください。

最初は会社員として働き、人事や採用に携わっていました。ただ、大きな組織の中で自分の仕事の価値が見えにくくなり、1対1で誰かの役に立っている実感を得られる仕事に惹かれるようになりました。

ネイルを学び始めた当初は、仕事を続けながらスクールに通い、卒業までに4年かかりました。その後、厳しいサロン勤務を経て、働き方を模索する中で「自分がやったことが直接価値になる」感覚を得たことが、大きな転機でした。

――最初から店舗を持たれていたんですか?

最初から自分の店を持っていたわけではありません。独立前は、錦糸町のサロンで約1年間働き、厳しい実力主義の現実を経験しました。

その後、チップ制作や講師、他サロンのヘルプなど、ネイルに関わる仕事を幅広く行う中で、リゾートネイリストとして働いた経験が大きな転機になります。自分の施術がそのまま価値になり、収入につながる実感を得たことで、「自分の場所を持ちたい」と強く思うようになりました。

最終的には家族とのやり取りをきっかけに、新橋でバーとネイルを組み合わせた店舗を構えたのが、起業の始まりです。

――経営を続ける中で、印象に残っている出来事は何ですか?

一番心に残っているのは、お客様に支えられてきたという実感です。辞めようと思ったときほど、応援の言葉をいただきました。

また、同じ場所で長く続けているからこそ、「また来られてうれしい」と言ってもらえる瞬間があります。ネイル業界は廃業が多いからこそ、あり続ける価値を強く感じています。

“続ける店”を支える経営――人と向き合い、誠実に積み上げる

――組織運営で感じている課題と、採用の取り組みを教えてください。

最大の課題は人材不足です。ネイル業界は開業しやすく、経験や理解が十分でないまま独立するケースも少なくありません。

採用は求人サイトやSNSを活用していますが、業界を理解した上で働きたいと思ってくれる人と出会うことが重要だと感じています。

――経営において大切にしている価値観は何でしょうか?

嘘をつかないことです。相手のために本当のことを伝える姿勢を大切にしています。

ネイルは対面で手に触れる仕事だからこそ、気持ちがそのまま伝わります。自分自身が誠実で元気でいることが、サービスの質にも直結すると考えています。

老舗として“日本一”へ――ダイヤモンドジュエリーネイルの未来

――今後の事業展開と、3年後の目標を教えてください。

ダイヤモンドジュエリーネイルの認知をさらに高め、このアートにおいて日本一の老舗サロンになることが目標です。来年には大阪にも店舗を増やす予定があります。

3年後には売上を2倍にし、技術と価値をしっかり届けられる体制を整えたいと考えています。

――仕事以外での趣味やリフレッシュ方法を教えてください。

家族でキャンプに行き、自然の中で過ごす時間がリフレッシュの瞬間です。

また、ネイルに限らず、さまざまなお店に良いサービスを受けに行くことも意識しています。インプットを続け、人としての器を広げることが、経営にもつながっていると感じています。

――最後に、中小企業の経営者やこれから起業する方へメッセージをお願いします。

続けることが何より大切だと、20年経って実感しています。大きくぶれずに深掘りしていくことで、仕事の幅は自然と広がります。

社会の役に立つことを忘れず、積み重ねていく姿勢が、結果的に未来につながるのではないでしょうか。

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