Limelight株式会社 代表取締役 井上 航輔 氏
EC出店は単なる「売上を伸ばす手段」ではなく、商品の価値を届け、顧客との信頼を築く場。多店舗運用支援を行う井上氏は、利益だけでなくブランド価値と顧客満足を重視し、少人数でも最大の効果を出す戦略で業界に新しい視点をもたらしています。楽天やAmazonをはじめ、5つの運用モールで得たノウハウを駆使し、商品の魅力を引き出す井上様の挑戦の軌跡を追いました。
多店舗運用の実績をベースに事業展開
――EC出店支援にターゲットを絞った理由は?
EC出店支援の世界に入ったきっかけは、大学時代の「良いものはもっと広めるべきだ」という気づきからです。当時、図書館で自分が良いと思った本が十分に貸し出されていない現実を目の当たりにし、「価値あるものを届ける仕組みを作りたい」と考えました。その想いが、後にEC出店支援事業の立ち上げにつながります。
起業後は、単に売上を伸ばすだけでなく、商品の魅力を最大限に引き出す方法を模索しました。楽天やAmazonなど大手モールに加え、5つの運用モールでの多店舗運用を手がけ、データ分析と販売戦略を組み合わせることで、顧客層や市場動向に応じた最適な販売プランを提供しています。
多店舗運用は効率的な販売戦略
――もう少し、事業内容について詳しく伺わせてください。
事業の核となるのは、多店舗運用による効率的な販売戦略です。少人数のチームでも複数の店舗を同時に運営することで、販売データや顧客の反応を細かく分析できるという点が特徴的です。この手法により、単独の店舗運営では得られないブランド成長の加速と、リピート率向上が可能となります。
直近ではQoo10に特化した立ち上げ・運用代行支援に力を入れています。Qoo10は特に若い世代やインフルエンサーとの相性が良く、認知度拡大に大きく貢献します。また、商品の魅力を正確に伝えるため、運営手法をカスタマイズをし、戦略と現場感覚を組み合わせることで、売上だけでなくブランド価値の向上も同時に達成しています。
顧客価値を重視する経営哲学
――経営者として普段はどんなことを意識されていますか?
売上至上主義に偏らない経営を心がけています。利益は重要であるものの、「商品やサービスの価値を届け、顧客が喜ぶこと」を最優先にする姿勢を大切にしています。その結果として売上やリピート率は自然に向上すると考えます。
売上は大事ですが、サービスの質を落とさず顧客に喜んでもらうことが、長期的なブランド価値につながります。利益だけでなく、価値の提供と信頼構築を両立させる姿勢は、多くのクライアントから高く評価されています。
働きやすさをいつも意識しています
――組織体制はどんな工夫をしていらっしゃいますか?
組織運営でも社員や業務委託メンバーの働きやすさを重視しています。余裕を持った業務体制により、個人の能力を最大限に引き出せる環境を整備。その結果、会社全体のパフォーマンスも向上すると思っています。
また、目的意識と自発性を重視し、考え行動できる人材の成長をサポートしています。働く人が楽しく能力を発揮できる環境をつくることが、事業の持続的成長につながると考えており、チームと共に成長する経営スタイルを貫いています。
社員一人ひとりが働きやすい環境づくりを
――今後の展望とメッセージがあれば、ぜひ伺いたいです。
既存顧客への価値提供を軸に据えつつ、新たな挑戦を見据えています。とくにインフルエンサー事業や商品開発といった分野に注力し、従来のEC運営の枠を超えた価値創造を目指しています。
単に商品を売るのではなく、顧客の生活にプラスアルファの体験を提供したいと思い、ユーザーの声やデータを丁寧に分析しながら、時代のニーズに応える新しいサービスを模索しています。
また、事業拡大に伴い、人材確保や投資判断も重要な課題になります。少人数での運営だからこそ、一人ひとりの能力やモチベーションを最大限に引き出すことが不可欠だと考え、関わる人を増やしつつも組織の風通しを保つようにしています。さらに、新規プロジェクトにおいても迅速かつ柔軟に対応できるチームづくりを重視しています。事業のスピードを維持しつつ、社員一人ひとりが成長を実感できる環境を作りたいと思っています。

