株式会社MSOL Digital 代表取締役社長 阪本 幸誠氏
急速に進むデジタル化の中で、多くの企業が「どう変革を進めるか」に悩んでいます。株式会社MSOL Digitalは、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援とビジネスアジャイル実行支援を軸に、顧客とともに未来を創り出す伴走型のコンサルティングを展開しています。代表取締役社長の阪本幸誠さんは、キャリアの歩みや組織づくりの哲学を通じて、「変化を恐れず挑戦する姿勢」を強調します。今回は、会社の現状から未来への展望、そしてプライベートの過ごし方まで幅広く伺いました。
目次
DXとアジャイルで企業変革を支える事業の現状
――御社の事業内容と理念について教えてください。
当社は「デジタル変革支援」と「ビジネスアジャイル実行支援」を柱としています。DXの推進においては、企画・構想段階から業務実装まで一気通貫で伴走し、システム開発やデータ分析基盤の構築まで支援しています。
ブランドパーパスには「デジタルとマネジメントの変革力で未来を創る」と掲げ、世界で最も信頼されるビジネスアジャイルカンパニーを目指しています。全社員がアジャイル思考を共有し、顧客と共に変革を実現することが、私たちの存在意義です。
借金からの再起と経営者としての価値観
――経営者になられた経緯や、大切にしている考え方を教えてください。
新卒で入社したNTTでは、いつか経営のトップを経験してみたいという思いを抱いていました。自ら会社を立ち上げようとした時期もありましたが、挫折や借金など大きな苦難も経験しました。その後、マネジメントソリューションズに入社し、PMOを通じて多くのプロジェクト成功に携わり、やがてデジタル事業部を立ち上げる機会を得ました。
経営者として心がけているのは「社会課題を解決し、その対価を得る」という姿勢です。松下幸之助氏の「企業は社会の公器である」という言葉に強く共感しており、社員一人ひとりにも夢を持ち、主体的に挑戦することを大切にしてほしいと伝えています。
アジャイル文化で育む主体性と組織の力
――社員の主体性を引き出すために、どのような工夫をされていますか。
全社的にアジャイル手法を導入し、プロジェクトだけでなく人事部門などバックオフィス業務にも応用しています。スクラムの考え方を取り入れることで、チームとして得意不得意を補い合いながら業務を進める仕組みを整えました。
また、社員に求める資質は「変化を素直に受け入れられること」です。経済環境や生活環境は常に変化しますが、それを拒むのではなく柔軟に受け止め、自ら次の行動を考えられる人財が成長していきます。アジャイルの文化を通じて、挑戦する風土を育んでいきたいと考えています。
AI活用と海外展開を見据えた未来ビジョン
――今後の事業展開についてお聞かせください。
これからの柱は「データ活用基盤の整備」「AIを含む先端技術の実装支援」「海外展開」の3点です。特にAIの進化に伴い、従来のコンサルティング業務がどのように変化するかを見据えながら、お客様自身がDXを内製化できる仕組みづくりを後押ししていきます。
さらに、日本市場が縮小する中で、IT投資を積極的に行う海外市場への進出は不可欠です。英語力やデジタルスキルといった課題もありますが、共感してともに歩めるパートナーを海外で見つけ、挑戦を広げていきたいと考えています。将来的には、日本から世界に通じる「ビジネスアジャイル」の標準を築き上げ、社会課題を解決する存在感をさらに高めていきたいと思います。
体を動かす趣味でリフレッシュし次の挑戦へ
――経営の多忙な日々の中、どのようにリフレッシュされていますか。
体を動かすことを大切にしています。ランニングや筋トレで汗を流すと、気持ちも切り替わりますし、経営判断の集中力も高まります。また、ゴルフは経営者になってから始めた趣味で、仲間とともに自然の中で時間を過ごすことが貴重なリフレッシュになっています。
運動は単なる気分転換ではなく、思考を整理し次の一手を考えるきっかけにもなります。プライベートの時間で得たエネルギーを仕事に還元し、社員や顧客とともにより大きな課題に挑んでいきたいです。日常と挑戦のバランスを取りながら、未来に向けた成長を加速させていきます。

