株式会社Bizblend 代表取締役 香川領兵氏
株式会社Bizblendは、コンサルティング事業と人材紹介事業を二本柱に事業を展開しています。創業からわずか1年半ながら、大手企業を中心にM&A支援や経営企画のサポートを行い、着実に実績を積み上げてきました。外資系コンサルティングファームや投資ファンド出身の香川領兵代表に、創業の経緯や事業の現状、そして未来に向けた想いを伺いました。
二本柱で展開する事業の現状
――現在の事業内容について教えてください。
当社では「コンサルティング事業」と「人材紹介事業」の二つを中心に展開しています。コンサルティング事業は、大手企業向けの経営支援やM&A関連業務が多く、設備投資計画の策定、新規事業立ち上げ、子会社統合支援(PMI)などを行っています。特にM&A案件に関わるご相談が多いのが特徴です。
一方、人材紹介事業はハイクラス人材に特化しています。ビッグフォーと呼ばれる大手コンサルティングファームや、M&A部門を持つ大手企業などに人材を紹介しています。私自身及び弊社メンバーも転職を行う際に「業界出身でないエージェントからの情報は実態と乖離がある」と感じた経験があり、その課題を解消するため、実務経験に基づいたリアルな情報を提供しながら候補者の方々をご支援させていただいております。
創業の経緯と経営者としての想い
――経営者になられたきっかけについてお聞かせください。
私は外資系コンサルティングファームや投資ファンドで業務を経験しました。ただ、投資ファンドの性質上、比較的短い期間での売却を前提にした業務にならざるを得ず、じっくりと企業価値向上に取り組むことは難しい環境でした。
そんな中で、かつての投資先企業から「支援してもらえたことで業績が上がった」と感謝の言葉をいただいた経験が大きな転機になりました。長期的に企業を支援できる仕組みをつくりたいという思いが強くなり、独立を決意しました。
当初は地方の中小・中堅企業を中心に支援したいと考えていましたが、外部アドバイザーに費用を払うことへの抵抗感も強く、現時点では既存のネットワークを生かした大手企業案件が中心になっています。ただ、原点にある「中小企業の価値を高めたい」という想いは変わっていません。
組織運営と仲間づくり
――現在の組織体制や、社員との関わりで意識していることはありますか。
現在は経営陣2名に加え、業務委託メンバー10数名と共に事業を進めています。固定費を抱える前にまずは顧客ニーズを見極めるため、柔軟な体制を採用しています。
人材採用にあたって大切にしているのは「共感」と「人柄」です。条件面だけで判断するのではなく、企業価値向上というビジョンに共感し、一緒に挑戦したいと思える人と働きたいと考えています。お互いに気持ちよく働ける関係性を築けるかどうかも重視しています。
今後の展望と挑戦
――今後の事業展開について教えてください。
今後は既存の二本柱であるコンサルティングと人材紹介を自立した事業として確立させながら、「事業承継支援」にも取り組んでいきたいと考えています。後継者不在で存続が難しい中小企業をグループに迎え入れ、短期的な売却ではなく、中長期的に価値を高めていく仕組みをつくりたいと思っています。
まずは顧客の共通するニーズを把握し、再現性のあるサービスモデルを固めていくことが重要だと考えており、現在は外部協力者と共に提案活動を行いながら、検証を進めている段階です。
本から学び、実践につなげるプライベートの時間
――リフレッシュ方法や趣味について教えてください。
趣味は読書です。特に昔の経営書や学術的な書籍を好んで読みます。最新のビジネス書は流行に左右されがちですが、古い書籍からは普遍的な学びを得られると感じています。
特に印象に残っているのは、古典的な経営書を何度も読み返すうちに、自分の立場や経験の変化によって同じ文章でも全く違った気づきを得られることです。創業直後には理解できなかった一文が、組織運営に悩んでいる今になって鮮明に響いてくる。そうした瞬間があるからこそ、読書は単なる趣味を超え、自分の経営人生に不可欠な糧になっていると感じています。
気に入った本は繰り返し読み返し、手帳にメモをとって実務に活かすこともあります。単なるインプットで終わらせず、実際に試してみることにより、自分たちに合っている手法なのかを検証しています。今後もこうした学びを地道に積み重ね、全員で成長していきたいと考えています。

