声を力に、愛ある社会を――「声診断」が伝えるギブ・アンド・ギブのコミュニケーション

一般社団法人日本声診断協会 代表理事 中島 由美子 氏

日本声診断協会は「声診断」という独自開発のソフトウェアを活用し、心と声の周波数を視覚化することで内面の調和を促すカウンセリングとその指導者の育成を行う一般社団法人です。司会やナレーターとして活動した経験から声が持つ重要性、そして心が伝わるコミュニケーションの根幹に気づいたという代表の中島氏に、その独自の取り組みと今後の展望について伺いました。

声診断によって「聞きやすい声」を

――御社の事業内容を教えてください。

主な事業内容は、独自に開発した「声診断」というソフトを用いて行うカウンセリングとカウンセラーの育成です。協会には現在150名の認定者が在籍し、オンラインなどでセッションを実施しています。

――「声診断」ではどのようなことを分析するのでしょうか。

声をドレミファソラシドの音階に変換し、そのバランスを分析します。声のバランスが整っていると聞く人を穏やかにする「聞きやすい声」となり、逆にバランスが悪いと伝えたい内容が同じでも相手に威圧感や違和感を与えてしまう「聞きにくい声」になります。この診断を通じて声のバランスを整え、内面の調和を図るためのメソッドを提供するのです。

「心を伝えること」を追求し、見つけた「声の周波数」

――取り組みを始められた経緯について教えてください。

若い頃、司会やナレーターなどの「話す仕事」をしていた中で、声の重要性を強く感じていました。当初は話し方や伝え方、言葉の選び方を研究していたのですが、最終的に「どれだけ心が伝わるか」が最も重要だということに気づきました。そして、その先にあったのが声の周波数だったんです。周りの人にそのことを伝える際に、単なる感覚論ではうまく伝わらない。そうではなく、ソフトを使ってビジュアル的に視覚化することで、相手も受け取りやすく、また改善のスピードも格段に早くなることがわかりました。声が変わることは「思考が変わる」ことでもあり、実際に家族や会社での人間関係が変わったという声が多数あります。現在はこの取り組みをもっと広めるべく、協会という形をとって活動を続けています。

――経営において大切にされている価値観について教えてください。

私は全ての周波数の根幹は「愛」であると考えています。愛を人に出せるようになること、Give and Giveのコミュニケーションをしていけるようになることが、社会、会社、家庭を良くしていく上で最も重要だと思うのです。そのため、当協会は「声を力に 愛ある社会を」という理念を掲げています。

壁が厚い業界のニーズにも応えていく

――これまでのキャリアで最も印象的だった出来事は何でしょうか。

大手企業の営業担当で売上に悩んでいた方に、この声の周波数から何が足りないかをアドバイスした結果、その方の売上が何十倍にもなったことがありました。その方は営業のキャリアも長く、ありとあらゆる勉強をされてきたプロでしたが、この声の波形によって「超えられない壁」が明らかになったとおっしゃっていました。声が整うとお客様の方から請求書を急かされたり、他社を紹介してくださったりと、相手から求められる状態が生まれると語られていたことがとても印象的でした。

――今後の展開や直面している課題についてお聞かせください。

今後入っていきたい分野は、教育の現場と福祉の現場です。特に教育機関は信頼関係がないと参入が難しい「壁が厚い」業界であり、現状、そこに繋がる人脈がないことが課題です。教育現場には、生徒や先生の抱える問題を声診断で明確化することで相談がしやすくなるなどの大きなニーズがあると考えており、ボランティアでも良いので、まずは現場での実績を積み上げていきたいと思っています。

求めるよりも求められる存在に

――影響を受けた人や言葉はありますか。

松下幸之助さん、ガンジー、アインシュタインなど、偉人が残した言葉からエッセンスを抽出することを好んでいます。中でも、歌手の藤井風さんの「求めるより求められる存在になれ」という言葉は特に印象に残っています。自分が求めるのではなく、世間から求められるような仕事、求められていくような会社、協会でありたいと考えています。

――プライベートでの趣味やリフレッシュ方法について教えてください。

趣味はやはり「歌」です。この活動をする以前から個人的に歌を歌う活動をしており、開設しているYouTubeチャンネルで歌やセミナーの切り抜きを公開しています。声に関わる活動自体が、リフレッシュにも繋がっています。

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