株式会社ABG-Wパートナーズ 代表取締役 進藤陽介氏
公認会計士・税理士として数多くの上場企業、IPO準備企業や中小企業を支援してきた進藤陽介氏。監査法人トーマツでの経験を土台に、「企業が正しく前へ進むための会計と体制づくり」を掲げて独立しました。現在は1人の専門家として、大手からスタートアップまで幅広い企業の会計・内部統制・管理体制等の課題に向き合っています。また、個人では進藤会計事務所として、公認会計士業務である会計監査、税理士業務として税務顧問等を提供しています。今回は、同社の現状からご自身のキャリア観、未来への展望までを伺いました。
目次
伴走型で企業を支える——現在の事業と目指す姿
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
現在は、IPO準備企業や上場企業に対して、決算体制の構築支援や内部統制の整備、業務改善のサポートを中心に行っています。監査法人で身につけた「許容される水準」と「求められる基準」の感覚を活かし、企業がどのレベルを目指すべきか、どの課題から着手すべきかを考えて総合的かつスピーディーに支援する点が特徴です。企業ごとに組織文化や前提条件が異なるため、画一的な方法ではなく、フェーズに応じて柔軟に伴走することを大切にしています。
――企業理念やビジョンについてお聞かせください。
会計やIPO準備の現場では、「何をどこまで整えるべきか」が分からないままタスクだけが増えてしまい、現場に負荷がかかりがちです。私は、トップと実務者の両方の視点を理解した上で、会社にできる限りストレスがかからず、前向きな気持ちで進める体制づくりをしたいと考えています。関わる方が納得して動ける環境を整えることが、最終的に企業の成長につながる──その思いを軸に支援を行っています。
専門性と誠実さを武器に歩んできたキャリア
――独立し経営者になられたきっかけは何でしょうか。
会計士を目指した頃から、父が独立会計士だったこともあり、将来的に独立するイメージがありました。また、「自分の力で価値を提供する」という働き方にも憧れがありました。そのような中で、税理士事務所、監査法人、コンサルティング部署と経験を重ね、責任の大きい仕事を任せていただき、多くの企業や人と向き合う機会があったことで、自分の知見が誰かの役に立てる段階に来たと感じ、独立の決断をしました。
――仕事で大切にしている価値観を教えてください。
相手が何を求めているかを丁寧に汲み取り、ミスコミュニケーションを減らすことを常に意識しています。業界ではレスポンスの遅さが課題になることも多いため、相手が「このタイミングで返事が欲しい」と思う前には回答をお届けできるようにすることを心がけています。また、私が大切にしている言葉は「人間万事塞翁が馬」と「自利利他」です。「人間万事塞翁が馬」は、目先の良し悪しに一喜一憂せず、継続して価値を提供し続ける姿勢を教えてくれます。また、「自利利他」は、相手の利益や喜びが、結果として自分の喜びにもつながるという考え方であり、日々の行動指針として大切にしています。
相手の“景色”を理解し、ズレをなくすコミュニケーション
――1人で活動される中で、仕事相手とのコミュニケーションで意識していることは？
相手の状況や前提を正しく理解した上で、必要な情報を過不足なく返すことです。特に会計や内部統制等の領域は専門用語が多く、部署によって見えている景色も違います。そのため、専門家目線に偏らず、相手が業務に落とし込みやすい言葉や順序で伝えることを大切にしています。結果として信頼いただき、追加のご相談につながるケースも多く、とても嬉しい瞬間となっています。
変わらない軸、広がる支援の可能性
――今後挑戦していきたいことを教えてください。
事業領域を無理に広げるつもりはなく、いま行っているIPO準備支援や決算体制の構築支援をより誰もが満足頂けるものにしていきたいと考えています。
「企業が正しく成長するための体制づくり」を軸に、内部監査やリスクマネジメント業務のサポートや、財務デューデリジェンスや企業価値算定等の会計アドバイザリー業務等も提供していきたいと考えています。
専門性を深めながら、共にステップアップできる企業との出会いを大切にしていきたいです。
日常で整える、仕事との向き合い方
――お仕事以外での趣味やリフレッシュ方法はありますか。
プライベートでは、テニスやゴルフが好きで、特にテニスはスクールに通いながら毎週楽しんでいます。どちらもまだ練習中ですが、機会があれば積極的に続けていきたいと思っています。また、気分転換に温泉やカラオケへ行くこともあります。
最近は子どもが生まれ、家族との時間も大切にしつつ、日々の生活の中で心を整えながら仕事にも向き合うようにしたいと思っています。
