誰もが旅を楽しめる社会へ。バリアフリーツアーの未来を切り拓く昭和観光社の挑戦

株式会社昭和観光社 代表取締役 平森 良典氏

株式会社昭和観光社は、障害のある方や高齢の方も安心して旅を楽しめる「バリアフリー旅行」の専門会社として、42年にわたり約500万人を案内してきました。創業以来積み重ねてきたノウハウと、“誰もが笑顔になれる旅”をつくる強い使命感。平森代表は、利用者の声に耳を傾けながら、新たなツアー造成や地域支援、サポーター育成を通して「ユニバーサルツーリズム(誰もが旅行を楽しめる共生社会)」の実現に挑み続けています。本記事では、理念、代表の歩み、組織文化、未来への展望について伺いました。

事業の現在地――専門性に裏打ちされたユニバーサルツーリズムへのこだわり

――現在の事業内容と、その特徴について教えてください。

当社は、障害のある方・車椅子利用者の方を対象にしたバリアフリー旅行を専門に行っています。一般の旅行では参加を諦めていた方が、安全に、安心して旅を楽しめるように、新幹線の車椅子席の手配、リフト車の手配、介助スタッフの同伴、宿泊先や観光地のバリア段差の確認、行程すべての多目的トイレの確認など、細かい部分まで丁寧にコーディネートしています。

旅行の内容は、添乗員同行ツアーで温泉、自然観光、季節イベント、連泊型のゆったり旅など幅広く、タクシー旅行や家族で温泉旅行などです。温泉入浴ヘルパー手配を全国各地の約100介護事業所と連携しています。また、全国各地の旅行サポーター(介助・介護・看護)と連携しながら運営しています。お客様の声を現場で直接受け止め、その場で改善し続けていく体制が、当社の大きな強みです。

――理念やビジョンについて伺います。

企業理念は「誰もが旅行を楽しめる共生社会の実現」です。旅をする方だけでなく、受け入れ側の旅館や観光施設、介護事業者、サポーターなど、すべての人の喜びの笑顔があふれる共生社会を目指しています。

平森代表の原点――諦めない姿勢と「笑顔を広げたい」という使命

――経営者になられた背景について教えてください。

私は創業者ではなく、中途入社で昭和観光社に入りました。一般旅行の営業を担当していましたが、バブル崩壊後の厳しい状況を経験したことで、「会社の未来をつくる責任」を強く意識するようになりました。

その過程で、私自身バス3台の添乗中に肺に異変が起きた時、障害者のとろけるような笑顔がたくさん浮かび、生かされたら笑顔を広げたい、バリアフリーツアーの必要性を痛感し、一般旅行部門を縮小してこの分野に完全シフトしました。「生かされたからこそ笑顔を広げたい」という想いが、現在の事業の原点です。

――仕事で大切にしている価値観は何でしょうか。

諦めないこと、そして“お客様の想像を超える感動体験をつくること”です。必要なのは特別な技術よりも、「どんな希望の光を届けられるか」を真剣に考える姿勢だと思っています。

心に寄り添う組織づくり――全国サポーターとつくる“喜びの循環”

――スタッフやサポーターとの関わりで心がけていることは。

登録スタッフには介助、介護、看護師のサポーターなど様々な方がいますが、共通して大事にしているのは「お客様の喜びを自分の喜びとして感じられるか」という点です。

付き添い旅行後には「あなた自身が感動したことを書く欄」を設けています。お客様の心に寄り添い対話し、お客様と自身の喜びを感じようとしているかが、支援の質につながります。全国のサポーターとはオンライン交流会で経験や学びを共有し、支援の質を全員で高めています。

これからの挑戦――感動体験の進化と地域の価値を高める観光支援

――今後取り組んでいきたい展望を教えてください。

まず重点を置いているのは「感動体験の進化」です。自然、温泉、季節行事など、障害のある方も安心して楽しめる企画をさらに増やしていきたいと考えています。

特に、温泉での介護保険外入浴支援は利用希望が多く、全国で提携する介護事業所を増やしながら、より多くの方の“温泉に入りたい”という願いを叶えていきたいと思います。

地域へのコンサルティングも強化しています。旅館や観光協会と連携し、観光施設のバリアの解消方法を一緒に考えることで、滞在型観光地としての魅力を向上させていきます。地域限定資源の自然、文化、郷土食など次世代につなげるコンテンツとバリアフリーを掛け合わせることで、持続可能な観光の未来を支えていきたいと考えています。

代表の素顔――旅を愛し、朝焼けに力をもらう時間

――仕事以外で大切にしている時間はありますか。

旅そのものが好きで、現場に行くたびに自然の美しさや文化の奥深さに刺激を受けています。これは新しい企画を生む大きな原動力にもなっています。

また、毎朝の“朝焼けの時間”をとても大切にしています。太陽が昇る瞬間を見ると気持ちが整い、「今日も笑顔を広げたい」と自然に思えるんです。今後はウィンドサーフィンにも再挑戦したいと考えています。

これからは、より多くの方に感動と笑顔あふれる旅を届けられるよう、地域とともに新しい取り組みを進めながら、誰もが安心して旅を楽しめる未来を実現していきたいと思います。

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