残りの人生を想い、今やれることをやる――翻訳を強みにしたWebマーケティング支援

WEB BRIDGE 代表 木口 祐一 氏

SIer業界で20年以上のエンタープライズ営業の経験を持ち、現在はウェブ解析士最上位資格をもって中小企業のデジタルマーケティングやWebサイト活用支援を行う木口氏。専門用語をビジネスの言葉に「翻訳」するスキルを強みとする同氏に、独立の経緯や大切にしている価値観について伺いました。

専門知識を「翻訳」して届ける

――御社の事業内容を教えてください。

現在は主に中小企業様を中心にWebマーケティング支援を行っています。日本企業はそのほとんどが自社のWebサイトを持っていますが、それをうまく活用できていないところが実は多いんですね。そうした企業様から、Webサイトをどう活用していくか、最近ではSNSをどう立ち上げ、どう成果に繋げていくかといったご相談を受け、支援を行っています。

――事業の強みはどのような点にありますか。

2つあります。1つ目は、私自身がウェブ解析士最上位資格を保有し、その体系立てられた知識をベースにしっかりとしたWeb解析に基づく支援をさせていただいている点です。もう1つは、以前いたSIer業界で培った「専門的な知識をお客様の言葉に”翻訳”する」力です。デジタルマーケティングの難解な技術や言葉を、お客様のビジネスに落とし込み、お客様の言葉で提供することを強みとしています。

人生の残り期間を考えて挑戦を決めた

――創業の経緯を教えてください。

一番のきっかけは人生の残り期間を考えたことです。実は、2020年のコロナ発生直前に、脳梗塞で倒れ社会復帰できるかどうかもわからない状態になったことがありました。入院期間中にコロナ禍で世界は一変し、退院したらリモートワークが主流になっていました。こうした経験もあって、「今やれるうちに何かチャレンジしてみたい」と思ったのが創業時の偽らざる動機です。人間いつか死んでしまうので、今やれるうちにやらなきゃ、と思ったんです。

――キャリアの中で印象的だった出来事はありますか。

前職で大きなトラブルが発生したときのことです。クライアントであった金融機関のシステムが何日か止まってしまい、お客様とエンジニアの方々と寝泊まりしながら復旧に努めるという出来事がありました。その時に、トラブルが発生したときにこそ人間性が出ると痛感しました。というのも、お客様が「一緒にやろう」と取り組んでくださり、一緒に壁を乗り越たことで信頼関係が深まったからです。トラブルから逃げず、結果はどうあれしっかりとやり切る姿勢が何よりも大事だと感じています。

パートナーとして向き合うこと

――仕事をする上で大切にしている価値観について教えてください。

お客様と私は、単なる「業者」の関係ではなく「パートナー」であるべきだと思っています。私ができることはもちろん全て対応しますが、一緒に考えていただける、一緒にやりたいという気持ちで力を貸してくれるお客様でないと、最終的にお互いにとって良い成果は生み出しにくいと考えているからです。そのため、すぐに売り込むのではなく、まずはお互いを知っていくことから始めるようにしています。お客様の真の課題と私のスキル・経験がフィットするかを慎重に見極めることを大切にしています。

――尊敬する人物や影響を受けた方はいらっしゃいますか。

父ですね。父は2年前に亡くなりましたが、自分で会社を経営していました。私も会社員を経て独立したため、結果的に父の背中を追う形になっています。父は30年、40年と会社を経営し、その期間ずっとお客様に価値を提供し続けていました。近くにそういう存在がいたからこそ、自分も独立してみようというきっかけになったと思っています。

事業者と出会う機会を増やしていく

――現在課題に感じていることはありますか。

中小企業の事業者様と「出会う機会」が少ないことを課題に感じています。多くのお客様は何に根本的に困っているのかはわかっているが、それを言語化できていなかったり、時間を費やせていなかったりします。そこに「私がご支援しますよ」という声がなかなか届いていない。対策としては、セミナーなどを積極的に開催し、事業者様の前に出る機会を増やしていくことを考えています。

――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。

今は子どもと、飼っている犬と過ごす時間がリフレッシュになっています。特に犬はもうすぐ16歳になる高齢犬なので、一緒にいる時間を大切にしています。犬は飼い主と側にいる時間が一番幸せだと聞くので、できる限り撫でてあげたり、話しかけてあげたりと、1分でも1秒でも長く時間を取るようにしたいと思っています。

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