“声が空間を変えていく。”――60年の歴史を継ぎ、AI時代の声優業に挑む株式会社アル・シェア

株式会社アル・シェア 代表取締役 藤田浩治氏

日本で最初に株式会社として設立された声優事務所の流れを汲み、60年以上にわたり声の表現を磨き続けてきた株式会社アル・シェア。アニメ・ゲームはもちろん、企業ナレーションや表現力の研修事業など、声の価値を広げる取り組みを行っています。本記事では、会社の歩み、代表のキャリアと価値観、組織づくり、AI時代の展望について伺いました。

60年の歴史をつなぐ声優事務所としての現在地

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社は1965年に前身の同人舎プロダクションが誕生し、日本で最初に株式会社として設立された声優事務所です。私は声優として30年活動してきましたが、前代表が亡くなり事務所が一度解散。若手の活動の場を守るため、2012年にアル・シェアを再設立しました。

現在は東京・福岡・札幌の3拠点で270名超の声優が所属し、アニメ、ゲーム、企業ナレーション、映像制作、イベントMC、研修など声に関わる領域を幅広く展開しています。複数拠点を持つ声優専門の事務所は当社のみで、地域に根ざした声の仕事も積極的に広げています。

代表が語る「経営者になる決意」と大切にしている価値観

――経営者になられた背景について伺えますか。

前代表の急逝により事務所が解散し、若手が行き場を失ったことが転機でした。声優の仕事は事務所の存在が活動継続に直結します。環境を守りたいという思いから再設立を決めました。

――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。

“協力”です。声優は単独で完結できず、制作会社、音楽、プロモーションなど多くの専門分野と協力して作品が成り立ちます。作品づくりに一体となって取り組む姿勢を常に意識しています。

――印象に残っている出来事はありますか。

福岡拠点の立ち上げです。声優の仕事は東京中心だと私自身思い込んでいましたが、実際には地方にも需要が多くありました。東京一極集中という固定観念がなくなり、札幌拠点の開設にもつながりました。

270名を支える“自主運営型”の組織づくり

――組織運営はどのように行っているのでしょうか。

運営スタッフは2〜3名と少人数ですが、所属声優が採用、イベント運営、研修などを主体的に担う独自の体制があります。

――この仕組みをつくった理由を教えてください。

声優業と並行して18年間NTTに勤め、組織づくりを学んだ経験が生きています。役割の設計やフローの準備を徹底し、声優自身が運営に関わる文化をつくりました。

――コミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。

対面です。オンラインが主流になっても、声優は表現者。声や表情のニュアンスを伝え合うことで理解が深まります。私は毎月、福岡・札幌にも出向き、直接対話する時間を大切にしています。

AI時代に向けた挑戦――共存の道を探る

――今後の展望について教えてください。

短期的には売上を2倍にしたいと考えています。声優業界は単価が上げづらい構造ですが、研修やナレーション、コンサルなど新領域を広げることで改善できると感じています。

――今後の課題はどこにありますか。

最大のテーマはAIとの共存です。現状は対立構造になりがちですが、AIの進化は今後も止まらないと思います。人間が“どうしても人間にやってほしいこと”という領域を明確にし、そこに“声“を活用した、感情やライブ感など人間ならではの価値を提供することで、AIとの共存ができると考えています。

受け継いだ想いと、これからの歩み

――影響を受けた人物はいますか。

最も尊敬するのは芝居の師匠である小林 修さんです。声優業界の黎明期から活躍し、当社前身の同人舎プロダクション創業者でもあります。芝居への情熱や業界を切り開いた、パイオニアでありチャレンジャーな姿勢は、今の私が活動する原点になっています。

――プライベートの過ごし方を教えてください。

AIや最新ツールに触れる時間がリフレッシュや気づきになっています。新しい技術に触れることで、声の今後の可能性が広がる感覚があり、デジタルとアナログの融合を考える良い刺激になっています。

――最後に、これからの歩みについて伺えますか。

声の仕事は時代とともに変化しますが、人が人に想いを届ける声の価値は残り続けます。その価値を磨き続け、新しい時代の声優業を切り開いていきたいと考えています。これからも、声の力を信じて挑戦を続けていきます。

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