アキュイティー株式会社 代表取締役CEO兼CTO 佐藤 眞平氏
アキュイティー株式会社は、画像処理とAIを融合した“動作の視える化”技術を武器に、産業現場が抱える課題に挑み続けています。熟練者と新人の技術差を定量化し、効率的な技能継承や生産性向上を支援するほか、情報の正確性にこだわったデータ基盤づくりにも注力しています。「誰もが成長できる世界をつくる」というビジョンを掲げる代表・佐藤氏に、創業の背景から事業への想い、そして未来の展望まで伺いました。
動きを“正しく視える化”する技術で産業課題に挑む
――現在の事業内容や強みについて教えてください。
AIと画像処理を活用し、動作を正確にデータ化する技術を軸にソリューションを提供しています。スポーツ現場では感覚的な指導が多いですが、定量化により論理的なトレーニングが可能になります。
製造業では熟練技術の習得スピードを上げ、評価基準も可視化されるため、働き方の最適化にもつながります。さらに、データの「正しさ」に徹底的にこだわり、動作の根拠を示しながら蓄積する点が、大きな差別化要素だと捉えています。
――事業の中心にある理念やビジョンには、どんな思いを込めていますか?
「昨日より今日、今日より明日、誰もが成長できる世界をつくる」――これが当社のビジョンです。
自分が成長していると実感できることは、何よりのモチベーションになります。テクノロジーの力で、成長を後押しできる世界を広げたい。そう考えて事業を磨き続けています。
スポーツ経験が原点となった創業と経営観
――会社設立の背景や、どのような思いで独立を決めたのか教えてください。
20代の頃から、画像が持つ力に魅了されてきました。一方で、平日は仕事、週末はスポーツに没頭する生活を続けていたため、創業のタイミングは遅くなったと感じています。
そんな中、エンターテイメント向けセンサーに独自のノウハウを加えることで新たな価値を発揮できると気付きました。しかし、組織内では共感を得にくい。リスクを取ってでも、自分の描く未来を実装したいと考え、創業を決断しました。
ワクワクと大きな不安が入り混じる中でのスタートでしたが、その興奮はいまも原動力になっています。
――経営判断の軸になっている価値観は何ですか?
できない理由を探すことは簡単です。でも、新しい価値を生むには「どうすればできるか」に向き合う姿勢が欠かせません。
そして、即行動すること。動きながら改善し続けることで、結果的に質が高まります。時間は挑戦を裏切らない。そう信じています。
――ターニングポイントとなった経験はありますか?
起業前に在籍していたベンチャーで、センサーが特定のPCだけ作動しない問題がありました。会社は「PCを変えてください」と言いますが、私はその結論に納得できず、原因を追及し続けました。
深夜までテストを重ねた結果、DLLの不整合という小さな要因を特定し、対応できると判明。とことん向き合えば必ず突破口は見える――その確信を得た出来事であり、今の挑戦基盤になっています。
役割と素直さを重んじる組織づくり
――社員が自分で動けるように工夫されていることはありますか?
役割を明確にし、互いに素直な姿勢を保てる状態を意識してきました。
また、コミュニケーションのきっかけづくりにも注力しています。全社会議の後にはチームで「お客様により早く価値を届けるには何が必要か」を議論する場を設け、社員一人ひとりが自分の言葉で考えを発信できる状態を整えてきたつもりです。
自ら課題を見つけ、周囲を巻き込みながら動ける環境が整えば、主体性は自然と育つと信じています。
――どんな人と一緒に働きたいですか?
素直で明るい人。そして、経験よりも当社が描く世界観に共感してくれる人です。興味を原動力にすれば、知識は後からついてきます。実際に未経験で入社したエンジニアが、半年で成果を出すケースもあります。
技術の可能性を広げる未来への挑戦
――今後取り組みたい展望や挑戦を教えてください。
製造業での実績を他業種へ広げたいです。介護では歩幅などの日常動作の変化から健康状態を察知し、早期改善につなげられるかもしれません。
若い世代にとっては、自分の特性を可視化することで、能力を発揮できるフィールド選択にも役立つと期待しています。さらに、日本での成功を海外に展開し、世界の成長に貢献できればうれしいですね。
――業界の動向をどのように捉えていますか?
画像処理の価値は急速に高まっています。人の視覚を拡張する「デジタルの目」が社会のあらゆるシーンで活躍するようになるでしょう。その中で、当社は動きの時系列データという領域で存在意義を発揮し続けます。
私が生きている間に、必ず実現する未来だと信じています。
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
起業してからは土日も仕事のことばかり考えてしまい、週明けに社員との会話が噛み合わなくなることがありました。そこで一度その習慣を見直し、週末は意識的に脳を休めるようにしています。
体を動かすことが好きなので、ジムやゴルフを楽しみながら心身をリフレッシュしていますが、考える時間と休む時間のバランスを、今まさに模索しているところです。

