株式会社INCRESPATURA(インクレスパトゥーラ) 代表取締役 中島 直人 氏
横浜を拠点に、メイドインジャパンのストリートブランドを展開する株式会社INCRESPATURA。設立からわずか1年ながら、独創的なデザインと品質へのこだわりで感度の高い層を中心に注目を集めています。
今回は、代表取締役・中島直人氏に、ブランド誕生の背景や今後の展望について伺いました。
目次
メイドインジャパンへのこだわりとEC限定の戦略
INCRESPATURAが手がけるのは、自社オリジナルのストリートブランド「INCRES PATURA」。最大の特徴は、すべて国内で生産する「メイドインジャパン」への強いこだわりと、他にはない個性的なデザインです。
「大量生産ではなく、一つひとつ丁寧に仕上げた製品をお届けしたい。だからこそ、自社ECのみで販売し、ブランドの世界観を大切にしています」と語る中島氏。製造から流通までのすべてに自ら関わることで、品質と希少性の両立を実現しています。
販売チャネルを限定する一方で、顧客とのつながりは大切にしています。購入後のアフターフォローや限定特典などを通じて、着実にブランドのファンを増やしているのも特徴です。
起業の原点にあった“つくりたい”という想い
中島氏は、もともと個人事業としてセレクト商品のEC販売を行っていました。次第に「自分の手で、心からつくりたいと思えるものを世に出したい」という思いが強まり、ブランドの立ち上げを決意します。
「自分の名前で勝負する。その覚悟をもって法人化を決めました。信用力を高めることで、補助金などの制度も活用できると考えたんです」
起業後は試行錯誤の連続でしたが、少しずつ注文が入り始め、ブランドとしての評価が芽生えていきました。「この商品に出会えて本当に嬉しい」といった購入者からの言葉が、今でも大きな励みになっているといいます。
SNSとコラボで広げるブランドの“波紋”
現在の課題は、ブランドの認知拡大です。INCRESPATURAではGoogle広告やSNSを活用しながら、より多くの人々にブランドの魅力を届けるための工夫を重ねています。
中でもInstagramには特に力を入れており、ブランドの世界観が伝わるよう、投稿ごとにビジュアルやトーンを丁寧に設計しています。今後はインフルエンサーとの連携や、異業種とのコラボレーションにも注力していく方針です。たとえば、地元・横浜のクリエイターや、日本の伝統技術を受け継ぐ職人との協業も検討されています。
ブランドに息づく“好き”と文化へのまなざし
中島氏のものづくりには、日々の暮らしの中にある「好き」が深く影響しています。料理と園芸が趣味で、自ら育てたハーブを使って料理を楽しむ時間が、創造性を高めるひとときとなっているそうです。休日には畑へ足を運び、自然と向き合う時間を大切にされています。
また、日本の伝統文化にも強い関心を持っており、将来的には着物や茶道、陶芸などとファッションを融合させたプロダクト展開も視野に入れています。ファッションを通して、日本の文化的価値を世界に発信したいというのが、長期的な目標のひとつです。
“信念”を軸に、世界を見据えて
ブランド名「INCRES PATURA」には、“波紋”と“広がり”という意味が込められています。まずは国内での認知を確立し、将来的には「世界に届く日本発ブランド」として、グローバル展開も見据えています。実店舗の開設も視野に入れ、顧客との直接的な接点を大切にしていく予定です。
経営において大切にしているのは、「誠実さ」と「挑戦し続ける姿勢」。お客様やパートナーに対して誠意を持って向き合うこと、そして変化を恐れずに新しい挑戦を続けていくことが、中島氏の信条です。常に情熱とスピード、そして信念を持って行動することを忘れず、ブランドを育てています。