40年の職人技を未来へつなぐ。現場から学ぶ壁紙スクールという挑戦

株式会社Kitano 代表取締役 松岡弘樹氏

株式会社Kitanoは、内装業、とりわけ壁紙施工を軸に、現場で学ぶ壁紙スクールを展開しています。事業の中心にあるのは、40年近く内装業に携わってきた職人の技術を、次の世代へ確実に残していきたいという思いです。今回は代表の松岡弘樹氏に、会社を立ち上げた背景や事業に込めた考え、職人や受講者との関係性、そして今後の展望について話を伺いました。

技術を失わせないために築いた、株式会社Kitanoの現在地

――現在の会社の事業内容について教えてください。

株式会社Kitanoでは、内装業務、特に壁紙施工を中心に事業を行っています。あわせて、現場で実践的に学ぶ壁紙スクールを運営しているのが特徴です。施工と教育の二軸で事業を進めています。

会社としての社員は現在おらず、役員は私と専務の2人です。現場で動いていただく職人さんや講師の方々は、すべて業務委託という形で関わってもらっています。協力会社として契約しているのは20社ほどで、常時稼働しているのは10社前後です。

――事業の根底にある考え方を教えてください。

一番大きいのは、技術を失わせないことです。事業の中心になっている専務は、私の古くからの友人で、中学卒業後から40年近く内装業を続けてきた技術が非常に高い職人です。もし彼が辞めてしまったら、その技術がそのままなくなってしまう。それは業界としても、日本の職人文化としても、非常にもったいないと感じました。

異業種の経験がつくった、「まず触らせる」教育の原点

――松岡さんご自身のキャリアや経営者になったきっかけについて教えてください。

私はもともと飲食業に長く携わっていました。建設業界の出身ではなく、まったく違う業界からこの仕事に入っています。飲食業では、仕事を一通り覚えるまでに10年かかるのが当たり前という環境でした。

飲食業を離れてしばらくしてから、内装業を続けている専務と再会したことが大きな転機でした。彼の40年分の技術を間近で見て、これはきちんと形にして残さなければいけないと感じました。その技術を教えるために、壁紙スクールをやる目的で会社を立ち上げました。

――仕事をするうえで大事にしていることは何ですか。

一番大事にしているのは「実際に触らせる」です。見て覚える、下積みを何年も続ける、というやり方は、今の時代には合わないと感じています。自分自身が飲食業で、教え方を「見て覚える」ではなく「フォローして教える」に変えた経験があり、それが今の教育スタイルにつながっています。初日からガンガン貼って頂いています。

フレンドリーさと線引きが両立する、職人との関係性

――組織運営で意識していることを教えてください。

協力会社さんや職人さんとのやり取りは、主に専務が担っています。専務はもともと人当たりがよく、上から物を言うタイプではありません。言葉遣いや接し方も含めて、気持ちよく働いてもらえる雰囲気づくりを大切にしています。

私と専務はもともと友人です。しかし、会社を立ち上げてからは友人関係ではなく、社長と専務という立場として向き合っています。友達同士のままでは組織は続かないと思っていますので、その線引きは意識しています。

――印象に残っている受講者や職人さんはいますか。

海外在住で塗装業をされている方が、壁紙を学ぶために日本に戻ってきたことがあります。また、元看護師の女性で、短期間で技術を身につけ、現在は講師として活躍している方もいます。そうした姿を見ると、この取り組みの意義を改めて感じます。

人を育てることで、建設業界を少しずつ変えていく

――今後の展望について教えてください。

今はエリアを広げるよりも、今のエリアをより濃くしていきたいと考えています。会社としては、稼働できる協力会社を50社規模にすることを1つの目標にしています。

将来的には、現場型ではない箱物のスクールも作りたいと考えています。ただし、それは人材が揃ってからです。技術だけでなく、人に教える力や人間性を備えた講師が増えなければ、実現できないと考えています。

建設業界は人材不足や高齢化といった課題を抱えています。若い人がきちんと食べていける技術を身につけられる環境を作ることで、少しでも業界を良くする手助けができればと思っています。

山に登り、頭を空にする

――お仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

仕事とは全く関係ありませんが、登山が趣味です。天気が良ければ月に何度か、時には毎週のように山に行くこともあります。自然の中に身を置くことで気持ちが切り替わりますし、色々なアイデアが浮かぶのも魅力です。

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