“ファン”を生み出し、育成することで企業価値を高める――エストVISIONが描く支援のかたち
株式会社エストVISION 代表取締役 池田 孝治氏
株式会社エストVISIONは、クライアント企業のファンをつくり、増やすことを軸に、経営視点からのコンサルティング支援を行う企業です。音楽やゲーム、アニメなど複数のコンテンツ関連の業界で培った知見を背景に、企画力と実行力を強みに柔軟なソリューションを展開しています。本記事では、代表の池田孝治氏に、現在の取り組みや経営の考え方、今後の展望などについて伺いました。
顧客を“ファン”に変える経営支援
――現在の事業内容について教えてください。
当社は、一言で表すと「クライアント企業の“ファン”をつくることを支援している会社」です。業種としてはコンサルティングに分類されるかと思いますが、SNSやコンテンツマーケティングといった単なるマーケティング施策に留まらず、「顧客を大切にする経営」をいかに実現するかという点まで重視した支援を行っています。
対象となるクライアントは業種や・規模を問わずナショナルクライアントからアーティスト、アスリートまで多岐にわたりますが、共通しているのは、顧客との関係性をより強固にしたいというニーズです。ファンをつくるという考え方は、どの業種にも普遍的に通用するものだと思います。
――なかでも依頼が多いのはどういった業種でしょうか。
比較的多いのは、コンサルティング業や士業など、いわゆる無形サービスを提供している事業者様です。ただし、現在は業種がかなり分散しており、ITやエンタメ系だけでなく、一般的な事業会社の支援も増えています。特にこれまで“ファン”という概念と距離があった企業ほど、支援の価値を感じていただけるケースが多いですね。
――御社の強みを教えてください。
「企画力」と「実行力」を両立している点です。私がもともとコンテンツ関連業界にいた経験を持っており、一般的なマーケティング会社では出てこないような提案ができる点が特徴だと思っています。例えば、テレビCMやイベント企画など専門性の高い領域も含め、必要であれば適切なパートナーと連携しながら最適な施策を設計可能です。
また、自社で制作リソースを抱えていないことも特徴の一つです。制作を内製化するとどうしても自社の強みに寄せた提案になりがちですが、当社は常にフラットな立場で最適解を考えられる体制を取っています。その結果として、クライアントごとに最も効果的な施策を柔軟にご提案できるわけです。
「ファンづくり」の原点と、独立の背景
――いつ頃からファンづくりに着目されていましたか。
会社員時代にマーケティング担当として働くなかで、「ファンをつくらなければいけない」というテーマを自ら設定しました。会社の指示ではなく、自分の問題意識から始めた取り組みです。さまざまなブランドや事業に横断的に関わるなかで、自発的にファンづくりを軸にした事業設計を実践してきました。
その後、事業責任者として経験を積み重ねるうちに、「この考え方は特定の業界に限らず普遍的に通用する」との実感を深めていったんです。独立する際には自社で一つの事業を育てる道もありましたが、複数の企業と関わりながらファンを生み出していくほうがより多くの価値を生み出せると考え、現在のスタイルを選びました。
――経営者として歩み始めてから、なにか気づきはありましたか。
会社員時代から真剣に仕事に向き合ってきたつもりでいましたが、経営者になってみると、事業への向き合い方はこれまでとまったく異なりました。やはり従業員と経営者では、責任の重さも視点も違います。この違いを実感したことは、現在のコンサルティング支援にも大きく影響しているように思います。
目の前のお客様を大切にする
――現在の組織体制を教えてください。
正社員という契約形態での従業員はおらず、実務にあたっては役員がグループ会社やアライアンス先と連携し、必要に応じて最適な人材をアサインして業務にあたります。当社の名刺を持つメンバーは約30名いますが、フルタイムではなく、プロジェクト単位で関わる体制を取っており、この柔軟なネットワーク型組織によって幅広い対応力を実現しています。
――経営で大切にしている価値観は何でしょうか。
「目の前のお客様を大切にする」ということです。
当社はこれまで、営業活動をほとんど行わずに成長してきました。なぜなら、既存のお客様にご満足いただくことが、次なるお客様のご紹介につながっていったためです。当社のこの基本的な姿勢は、今後も変えるつもりはありません。
ビジネスは、お客様からの期待と提供価値の関係で成り立っています。期待を上回る価値を提供し続けることで購買と評価が繰り返され、結果としてよい循環が生まれるのです。経営では、このシンプルな構造をどれだけ徹底できるかが重要だと考えています。
未来を見据えて――今後の展望
――現在の課題についてお聞かせください。
目前の課題は、自社の価値をわかりやすく伝えることです。コンサルティングという言葉には誤解も多く、弊社の本質的な価値が伝わりにくい側面があります。首都圏以外の地方へは営業も行っていきたいので、ホームページの見直しなどを通じて、伝え方の整理を進めている段階です。
――今後の展望についてはどのようにお考えですか。
いま申し上げた通り、特に地方企業の支援にも力を入れていきたいと考えています。人口減のトレンドにあってもまだ元気な地方都市もありますし、独自の強みを持ちながらそれに気づけていない企業も数多く存在していると実感しています。そうした価値を引き出し、広く発信していく支援ができればと思っています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
ビジネスは複雑に見えるかもしれませんが、本質は非常にシンプルです。顧客が期待し、それを上回る価値を提供し、評価される――私はこの繰り返しだと感じています。ですので、これから事業を始める方には、ぜひこの原点に立ち返りながら進んでいただきたいです。
そしてその過程で迷いや課題が生じたときには、私たちのような存在を活用していただければと思います。一緒に価値を高め、顧客とともに喜びを共有できる関係を築いていければ嬉しいです。