“生きる力”を育む心理学――JapanメンタルヘルスLabが伝える人としての在り方
一般社団法人JapanメンタルヘルスLab 代表 西川 莉々香氏
一般社団法人JapanメンタルヘルスLabは、心理学をベースにしたカウンセリングやコーチング、心理学講座の運営を行う団体です。東洋医学や哲学なども取り入れながら、“人としてどう生きるか”という本質的なテーマを大切にし、多くの人の心に寄り添う活動を続けています。本記事では、代表の西川莉々香氏に、事業への想いやこれまでの歩み、今後の展望などについて詳しく伺いました。
心理学を通して“生き方”を伝える
――現在の事業内容について教えてください。
当法人では、心理学をベースとしたカウンセリング、コーチング、各種心理学講座の運営を行っています。講座では、実践的な心理学・コミュニケーション技法である「NLP」や交流分析、ゲシュタルトなど幅広い心理学を取り扱っており、資格認定にも対応しています。
当法人では、ただ知識や技術を学ぶだけではなく、「どう生きるか」「どう在りたいか」といった人間性の部分まで含めて支援することを大切にしています。私自身、東洋医学から学びを深め、その後30年以上にわたり心理支援の現場に携わってきましたので、その経験をもとに、一人ひとりがよりよい人生を築けるよう伴走することを理念として活動しています。
――講座の特徴はどのような点にありますか。
受講される方の目的に合わせて、実践型の心理学講座を展開している点です。
受講者のなかには、将来的にカウンセラーやコーチとして活動することを目指している方もいれば、「職場や家庭でのコミュニケーションを改善したい」「自分自身の考え方を整理したい」といった理由で学ばれる方も多くいらっしゃいます。そのため、講座では理論だけを学ぶのではなく、実際の人間関係や日常生活で活用できる内容を重視し、知識を“理解する”ことよりも、“使えるようになる”ことを大切にしています。
――カウンセリングやコーチングでは、どのような方が相談に来られますか。
病院に通われている方や学生、子育て中の方、経営者など幅広く、年齢や職業もさまざまです。特定のターゲットに限定するのではなく、人間関係や将来への不安、方向性に悩みを抱える方を広く受け入れています。
また、単発的な相談対応ではなく、中長期的に伴走するスタイルを重視している点も特徴です。特にコーチングでは、経営者や事業責任者と継続的に関わり、意思決定や組織運営、人材育成などについて相談を受けるケースもあります。
単にアドバイスを行うのではなく、対話を通じて思考を整理し、本人が持つ強みや可能性を引き出すことを重視しているため、講座・カウンセリング・コーチングを切り分けるのではなく、一貫して「人の成長を支援する」という視点で取り組んでいます。
長年のフリーランス経験を経て社団法人を設立
――社団法人を設立するまでの経緯をお聞かせください。
以前は大阪のカウンセラー養成スクールで講師をしていましたが、自分が理想とする支援の形を実現したいという想いから独立しました。組織としての方針と、自分が大切にしたい理念との間に少しずつ違いを感じるようになり、より一人ひとりに深く向き合える形で活動したいと考えるようになったんです。
独立後は、フリーランスとしてカウンセリングや講座運営を中心に活動を続けてきました。その中で、NLPを通じて多くのトレーナーや仲間と出会い、「共通する理念を形にしたい」という想いが強くなり、同じ方向性を持つメンバーとともに社団法人を設立しました。
――組織運営で大切にしていることは何でしょうか。
現在は少人数体制で運営しながら、講座内容や相談領域に応じて契約トレーナーと連携しています。そのなかで重視しているのは、スキルや資格以上に「理念を共有できるか」という点です。心理支援は受講生や相談者の人生に深く関わる領域だからこそ、知識だけではなく、どのような姿勢で人と向き合うかを大切にしています。
また、専門性に応じた役割分担も行っており、夫婦関係やハラスメント対応など、テーマごとに適切なトレーナーへつなぐ体制を整えています。必要な支援を必要な方へ届けられるよう、柔軟に連携できる運営を意識しています。
人との“リアルなつながり”を大切にしたい
――現在感じている課題について教えてください。
心理学講座やカウンセリングに対するニーズの変化を感じています。以前は、「自己成長のために学びたい」「自分自身に投資したい」という意識を持つ方が多かったのですが、近年は経済状況の影響もあり、学びやメンタルケアへの支出を慎重に考える方が増えてきました。
また、コーチングやカウンセリングについても、継続的に利用するハードルが以前より高くなっている印象があります。そのため、時代やニーズの変化に合わせながら、より必要とされる支援の形を模索しているところです。
オンライン化によって場所を問わず受講や相談ができるようになった一方で、心理支援という分野においては、リアルな場でのコミュニケーションの重要性も改めて感じています。特にワークショップやグループ講座では、同じ空間を共有することで生まれる空気感や相互作用があり、オンラインでは伝えきれない部分もあります。
そのため、利便性を活かしながらも、対面ならではの価値をどう提供していくかが、今後の課題の一つです。
――相談者の方とはどのように向き合われていますか。
相談内容としては、家庭環境や幼少期の経験、人間関係に起因する悩みなど、比較的深いテーマを抱えている方が多くいらっしゃいます。なかには病院に通われている方もおり、長期的なサポートが必要になるケースも少なくありません。
そのため、一時的なアドバイスではなく、継続的に伴走する姿勢を大切にしています。また、状況によっては経済的な負担を考慮しながら対応することもあり、「必要としている方に支援を届ける」という視点を重視しています。
一方で、近年は企業からハラスメントや職場の人間関係に関する相談を受ける機会も増えています。そうした案件については、専門領域を持つ契約トレーナーと連携しながら対応しており、相談内容に応じて最適な支援を提供できる体制づくりを進めています。
“人間力”を育てる活動を未来へつなぐ
――現在力を入れている新しい取り組みはありますか。
現在は、介護分野や企業向けのメンタルサポートにも力を入れています。介護現場では対人コミュニケーションの課題も多く、心理学を活かした支援ニーズが高まっていると感じています。
また、市民講座では論語をテーマにした講演依頼を受けることもあり、東洋医学や哲学の要素も取り入れながら、“人としての在り方”を伝える取り組みを進めています。
――最後に、今後取り組みたいことを教えてください。
今後は、これまで現場で培ってきた経験や学びを、より多くの方へ発信していきたいと考えています。心理学を通じて、人が前向きに生きられるようになるプロセスや、目標達成につながる考え方を実践的に伝えていきたいです。
また、単なる知識提供にとどまらず、一人ひとりが自分らしく生きる力を身につけられるような支援を、今後も続けていきたいと思っています。